2025.12.16
ストックオプション活用状況:2025年度上期払込額1,121億円と株式報酬制度へのシフト
ダウンロードページに、ファイナンス・データベースINDB Funding Eyeを用いて作成したストックオプションによる払込額年度ランキング(10億円以上)を掲載しました。
2025年度上期のストックオプションを活用した企業の払込額を集計しランキング順にならべたものです。
以下に、当データおよびストックオプションによる払込額集計データからわかる「ストックオプションの活用状況」について簡単にご紹介します。
ストックオプション活用企業ランキング:上位10社でシェア52.56%・払込額589億円
2025年度上期は、<信越化学工業>が払込額140億32百万円でトップとなり、上位10社で52.56%を占めています。5位<GENDA>と8位<ライフドリンク カンパニー>は、今期初めて活用しランクインしました。
以下、2025年度上期の払込額の多い順に、過去の順位(2002年から2024年までの合計払込額)、証券コード、企業名、払込額、シェアです。

ストックオプション市場推移:2020年度に5,535億円を記録するも以降は下降気味
株式によるストックオプションは、2002年5月に、<オオゼキ> 9億4百万円から始まり、2020年度は年度払込額5,535億27百万円となりました。しかし、その後コロナ禍明けの昨年度は増えたものの、今年度は下降気味です。
企業数は2015年度から2017年度までは回復基調で600社を超えましたが、その後は減少傾向になっています。最少社数は2023年度の341社でした。

インセンティブ・プランの潮流変化:株式報酬制度が活用企業数で5.85倍と圧倒
2020年度以降、企業の役員や従業員、関係者に対するインセンティブ・プランのうちストックオプション(SO)と株式報酬制度(報酬)の活用状況を比較すると、株式報酬制度がその大半を占めています。2025年度上期の活用企業数はストックオプションが221社、株式報酬制度が1,300社と5.85倍に、同上期の払込額はストックオプションが1,121億19百万円、株式報酬制度が3,360億35百万円と3倍になっています。
以下、2020年度以降、年度ごとの活用企業数と払込額の比較です。

企業の役員や従業員、関係者に対するインセンティブ・プランとは
・ストックオプションは自社の株式を事前に定めた価格で購入する権利を付与する制度。新株予約権の一種であるディールを集計。
・株式報酬制度は自社の株式で報酬を支払う制度。普通株式の第三者割当によるインセンテイブ報酬制度によるディールを集計。
データのご案内
本記事で分析に使用したデータは当社ウェブサイトからダウンロードいただけます。
当社のファイナンス・データベースでは、エクイティ・ファイナンスのデータを長年にわたり収録しています。CB、公募・売出の他、や株式分割なども網羅しています。加えて、ボンド・ファイナンスのデータも収録、その発行体は事業会社だけでなく日本国、政府機関、地方自治体なども網羅しています。
企業の資本政策分析、ファイナンス戦略の立案に必要な包括的なデータをご提供いたします。
詳細は、『ファイナンスデータベース紹介ページ』をご覧ください。
ご興味ございましたら、こちらの『問合せページ』より。お気軽にお問合せください。