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アイ・エヌ情報センターお知らせ【2026年2月】小売業界1人当たり営業利益ランキング|平均年収との相関で見る稼ぐ力と社員還元度

【2026年2月】小売業界1人当たり営業利益ランキング|平均年収との相関で見る稼ぐ力と社員還元度

ダウンロードページに、小売業界「1人当たり営業利益×平均年収ランキング」を掲載しました。

当社が保有する企業情報データベースeolより、上場している小売業企業の1人当たり営業利益と平均年収を抽出し、ランキング表としてまとめたものです。
小売業 1人当たり営業利益ランキング

※ 社数算出について
本記事の対象は小売業の上場企業のうち、営業利益、従業員数、平均年収のデータが取得できた企業のみで算出しております。
※ データについて
本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。

 


1人当たり営業利益と平均年収で見る小売業界の実態

本記事では小売業企業の「稼ぐ力」「社員への還元度」を正しく比較するため、全企業の単体データに基づき分析しました。一般的に連結決算はグループ全体の規模を示しますが、特に就職・転職検討者が注目する「平均年収」は、有価証券報告書において単体(その会社本体)の数値のみが開示されています。そのため、年収の原資となる営業利益もあわせて単体ベースで算出することで、社員1人が生み出す利益と給与の相関をより正確に評価することが可能となります。
 
全社の単体データより分析した結果、小売業界全体の1人当たり営業利益は平均で約19.4百万円(中央値:3.1百万円)となり、これに対応する単体平均年収は平均で約557.6万円(中央値:約529.3万円)の結果でした。本分析ではこれらの中央値を基準に、業界内での各社の立ち位置を分類し、横並びに評価することで、実店舗を運営する事業会社グループ管理を担う持株会社の違いが、数値としてより鮮明に浮かび上がりました。
 

1人当たり営業利益ランキング― 首位クリエイトSDは767.5百万円、上位を独占する持株会社

1人当たり営業利益のランキングでは、上位に持株会社と高効率な専門店が並ぶ結果となりました。
首位となったのは株式会社クリエイトSDホールディングスで、1人当たり営業利益は約767.5百万円(平均年収1,044.3万円)を記録しています。
次いでプリモグローバルホールディングス株式会社が683.0百万円(平均年収721.9万円)、スギホールディングス株式会社が581.2百万円(平均年収881.4万円)と続き、上位3社を持株会社が占めています。
これら持株会社が極めて高い数値を示す背景には、少数の本部社員でグループ全体の収益を管理する組織構造が影響していると推察されます。
 
一方で、実質的な事業運営を担う企業も健闘しており、株式会社ワークマンは58.5百万円(平均年収770.6万円)で23位を記録しました。同社は持株会社ではありませんが、独自のビジネスモデルを構築しており、作業服中心の事業運営から、近年は一般消費者向けの高機能ウェアなどの新業態を展開し、市場を拡大しています。
 
専門店が総合スーパー等と比較して高い収益性を実現できる理由としては、商品カテゴリーの絞り込みによる仕入れの専門化や、店舗オペレーションの徹底した標準化による人件費抑制が寄与していると考えられます。
 

平均年収ランキング ― ファーストリテイリング1,250.6万円が首位、本部機能と現場で異なる給与構造

平均年収ランキングでも、1,000万円の大台を超えた上位3社がいずれも「持株会社」という結果になりました。しかし、その内実を1人当たり営業利益とあわせて見ると、各社の経営状況や戦略の違いが鮮明に浮かび上がります。
 
首位の株式会社ファーストリテイリング(平均年収:1,250.6万円)は、1人当たり営業利益も242.3百万円と業界トップクラスの収益性を誇ります。グローバル展開による高い収益力を背景に、世界水準の専門人材を確保するための高い還元水準を維持していることが推察されます。
 
2位の株式会社エルアイイーエイチ(平均年収:1,058.0万円)は、上位3社の中で唯一、1人当たり営業利益が▲140.3百万円と相対的に厳しい収益状況にあります。収益面で苦戦しながらも高水準の給与を維持している背景には、事業再生や新規事業の立ち上げを担う高度な専門職を維持・確保するための先行投資的な側面があるのではと推察されます。
 
3位の株式会社クリエイトSDホールディングス(平均年収:1,044.3万円)は、1人当たり営業利益が約767.5百万円と、今回ランクインした企業の中でも群を抜いた効率性を記録しています。同社は従業員数わずか11名という極めて少数精鋭の組織でグループ全体の経営管理を担っており、その圧倒的な経営管理効率が1,000万円を超える高い還元を支えていると推察されます。
 

就職・転職検討時の重要なポイント:

今回のランキング上位企業の多くを占める持株会社は、グループ全体の経営企画や財務、グローバル戦略などを担う管理部門の社員のみで構成されるのが一般的です。そのため、平均年収はあくまで本部機能を担う社員の給与水準を反映しており、グループ全体の平均や店舗現場の給与実態とは異なる場合があることに注意が必要です。
 
就職・転職検討先として、百貨店運営会社、アパレル事業会社、店舗運営会社などを志望する場合、実際には持株会社の事業子会社での勤務となり、労働環境などが異なる可能性も考えられます。採用先が「持株会社本体」か「事業子会社」のどちらなのか、また、子会社の労働条件や将来的なキャリアパスの可能性などを確認することが志望先の選定において極めて重要です。
 

4タイプ分析で見えた社員還元の実態 ―「高収益×高年収」が35%を占める小売業の二極化トレンド

小売業界の企業を1人当たり営業利益の中央値(3.1百万円)と平均年収の中央値(529.3万円)を軸に分類したところ、企業の経営戦略や還元姿勢の違いが4つのタイプとして明確になりました。
 

【Aタイプ】 高収益×高年収(対象数:119社、構成比:約35%)

これまでに紹介したクリエイトSDホールディングス(1人当たり営業利益:767.5百万円、平均年収:1,044.3万円)、ファーストリテイリング(242.3百万円、1,250.6万円)、ワークマン(58.5百万円、770.6万円)の他、イオン(96.0百万円、947.1万円)などが該当します。
これらの企業は、独自のビジネスモデルや徹底した「ローコストオペレーション」、自社開発製品(PB)の比率向上等の効率的な戦略が、高い1人当たり営業利益に貢献していると推察されます。効率化によって創出した利益を従業員の待遇向上に振り向ける「収益と還元の好循環」が構築されており、企業の稼ぐ力と社員への還元姿勢が両立していると考えられます。
 

【Bタイプ】 低収益×高年収(対象数:51社、構成比:約15%)

株式会社エルアイイーエイチ(1人当たり営業利益:▲140.3百万円、平均年収:1,058.0万円)、株式会社ベクターホールディングス(▲17.6百万円、678.6万円)などが該当します。
このタイプには、成長投資や人材確保を優先して高い給与水準を維持している企業や、一時的な利益変動により中央値を下回っている企業が含まれます。就職・転職を検討する場合、今後の収益性改善の見込みや、持株会社の場合は実際の配属先の労働条件を個別に確認することが重要です。
 

【Cタイプ】 高収益×低年収(対象数:51社、構成比:約15%)

株式会社エービーシー・マート(1人当たり営業利益:13.5百万円、平均年収:424.7万円)、くら寿司株式会社(3.3百万円、499.1万円)などが該当します。
これらの企業は、成長投資を優先している、あるいは人件費以外のコストが高いなどの要因が考えられます。1人当たりの稼ぐ力は中央値を上回る水準にあるため、今後の事業拡大に伴う企業の成長により、将来的に給与水準が向上する可能性も考えられます。
 

【Dタイプ】 低収益×低年収(対象数:119社、構成比:約35%)

株式会社マックハウス(1人当たり営業利益:▲4.7百万円、平均年収:444.2万円)、株式会社アトム(▲1.3百万円、459.1万円)などが該当します。
市場の成熟や価格競争の影響を受けているケースが見受けられます。就職・転職を検討する際は、一時的な業績変動なのか、あるいはビジネスモデル自体の課題なのかなど、企業の将来性や経営状況を慎重に見極める必要があります。
 

小売業界の分析で判明 ― 持株会社の経営管理効率と専門店の特化戦略が「収益と還元の好循環」を生む

今回の分析により、小売業界における「1人当たり営業利益」と「平均年収」の相関が明確になりました。全社を単体ベースで分析したことで、持株会社による経営管理の効率性と、特定分野に特化した専門店の稼ぐ力の強さが改めて浮き彫りとなりました。Aタイプに分類される企業のように、独自の強みを利益に変え、それを着実に社員に還元できているかどうかが、持続可能な企業成長の鍵であると推察されます。
収益力と給与還元の両立は容易ではなく、企業の経営戦略や業界特性によって大きく異なります。就職・転職活動を行う際は、収益力だけでなく給与還元の姿勢も含め、多角的な視点で企業を分析することをお勧めします。
 

企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析

本記事の分析に使用した小売業界 1人当たり営業利益×平均年収ランキングの一部を当社ウェブサイトからダウンロードいただけます。このデータには、「連結・単体毎に小売業企業各社の1人当たり営業利益のTOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。

当社が提供する企業情報データベースeolでは、複数の財務指標を組み合わせた業種別比較や同業他社比較により、より深い収益性分析が可能です。企業の財務戦略を適切に評価するには、業種特性を理解した上での多角的なデータ分析が不可欠と考えられます。本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。
 

※ 投資判断に関する注意事項
本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。

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