2025.10.21
【2025年10月】男性の育児休暇取得率の業種ランキング|銀行業98.8%でトップ!非財務情報が示す人的資本経営戦略
ダウンロードページに、「男性の育児休暇取得率の業種ランキング」を掲載しました。
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場企業における男性の育児休暇取得率のデータ(最新)を抽出し、ランキング表としてまとめたものです。
業種別の特徴と企業動向
今回の集計期間での上位3業種は1位:銀行業(98.8%)、2位:その他金融業(92.2%)、3位:水産・農林業(91.9%)と、いずれも全業種平均の66.5%を大幅に上回る結果となっています。特に上位の業種は90%を超える高水準を達成しており、制度の充実と積極的な取得推進が見られます。
銀行業(98.8%)
83社で平均98.8%という極めて高い取得率を記録。個別企業では、京葉銀行(152.2%)が最高値を記録し、次いで東邦銀行(137.5%)、四国銀行(130.0%)などが高い取得率を記録しています。その他の主要企業として、名古屋銀行(103.4%)、山口フィナンシャルグループ(103.8%)、みずほフィナンシャルグループ(98%)などが高い数値を記録しています。一方で、取得率が低い企業も存在しており、同業種内でも企業による取り組みの差が見られます。
その他金融業(92.2%)
40社で平均92.2%を記録。アイフル(175.0%)が最高値、次いでオリックス(116.0%)が高い取得率を記録しています。100.0%の取得率を記録した企業として、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、リコーリース、東京センチュリー、芙蓉総合リースなど多数の企業が名を連ねています。一方で、業種平均を下回る企業も存在しており、同業種内でも企業による取り組みの差が見られます。リース業、信販業、保証業など多様な事業形態の企業が含まれる中で、全体として高い取得率を実現していることが特徴的です。
水産・農林業(91.9%)
12社で平均91.9%を記録。雪国まいたけ(125.0%)が最高値を記録、次いで、ニッスイ(106.7%)、秋川牧園(100.0%)などが高い取得率を記録しています。極洋(92.3%)、ホクト(80.0%)、マルハニチロ(79.2%)、サカタのタネ(73.9%)も含め、対象企業数は12社と少ない業種ではあるものの、多くの企業が全業種平均66.5%を大幅に上回る成果を挙げています。
上位業種の取得状況と人的資本経営への影響
上位3業種を分析すると、いずれも全業種平均66.5%を大幅に上回る90%超の取得率を達成した結果でした。特に100%を超える取得率を示す企業が多数存在することから、分割取得や延長取得などの柔軟な制度運用が行われていることが推測されます。
金融業界の2業種が上位を占める結果となっており、銀行業では83社中多くの企業で高い取得率を記録しています。水産・農林業についても、対象企業数は12社と少ないものの、高水準を記録しており、各業種で制度の積極的な推進が図られていることが推測されますが、同時に、同業種内でも企業による取得率の差が見られることから、各企業の制度運用や取り組み姿勢に違いがあると推測されます。
人的資本情報開示の法制化が進む中、男性育児休暇取得率は企業の働き方改革への取り組みを示す重要な指標として位置づけられています。投資家や求職者からの注目度も高まっており、企業競争力の源泉としても重要性が増すと予想されます。
データのご案内
本記事で分析に使用した男性労働者の育児休業取得率データの一部を当社ウェブサイトからダウンロードいただけます。このデータには、「全業種のランキングと取得率平均」と「業種ランキングTOP3内における上位30社分のデータ」が含まれており、業界動向の把握にお役立ていただけます。
当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界分析、業界動向の調査等にご活用いただけるデータベースサービスをご提供しております。さらにデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、こちらより、お気軽にお問い合わせください。