2025.11.20
【2025年11月】時価総額ランキング 電気機器編|半導体関連企業が10年で最大45.9倍に拡大
ダウンロードページに、「時価総額ランキング 電気機器編」を掲載しました。
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場している電気機器業の決算日時点の時価総額データ(最新と2020年、2015年)を抽出し、業種ランキング表としてまとめたものです。

電気機器業界全体の時価総額 ー 10年間で1.9倍、TOP30社は2.2倍拡大
今回の集計では、2025年、2020年、2015年の3時点における電気機器業界の時価総額を比較しました。各時点で250社以上の上場企業が存在しており、業界全体の時価総額は10年間で拡大しています。
業界全体の動向
電気機器業界全上場企業の時価総額合計は、2015年が約73兆円、2020年が約68兆円、2025年が約142兆円となっており、2015年から2020年にかけては一時的に減少したものの、2020年から2025年にかけて約2.1倍、10年間全体では約1.9倍の拡大となっています。
また、1社あたりの時価総額平均は、2015年の約2,785億円から2020年の約2,542億円、2025年には約5,522億円へと拡大しており、特に直近5年間での業界全体の底上げが顕著です。
TOP30社の動向
TOP30社の時価総額合計は以下の通りです。
【2025年】 約127.3兆円(業界全体の約89%)
【2020年】 約58.3兆円(業界全体の約85%)
【2015年】 約57.6兆円(業界全体の約79%)
TOP30社の時価総額合計は10年間で約2.2倍に拡大しており、業界全体の伸び(約1.9倍)を上回っています。また、TOP30社が業界全体に占める割合は2015年の79%から2025年には89%へと上昇しており、上位企業の時価総額拡大が進んでいることが確認できます。また、TOP30社の時価総額平均は2015年の約1.9兆円から2025年には約4.2兆円へと約2.2倍に拡大しており、上位企業の規模拡大が確認できます。
10兆円超企業の出現
特筆すべきは、10兆円を超える企業が2015年にはゼロだったのに対し、2025年には3社(ソニーグループ、日立製作所、キーエンス)が出現したことです。この3社の時価総額合計だけで約53.8兆円に達し、2015年のTOP30社合計(約57.6兆円)に匹敵する規模となっており、業界トップ企業の企業価値向上を示しています。
業界構造を見ると、従来の総合電機メーカーに加え、半導体関連企業や精密機器メーカーなど、特定分野に特化した企業の存在感が高まっており、10年間で業界全体が大きく変化しています。
TOP3企業の時価総額 ー 10年間で最大6.2倍、ソニーグループが首位維持
上位3社は10年間で顕著な時価総額拡大を遂げており、それぞれ3.6倍から6.2倍という拡大を記録しています。特に2020年以降の5年間では、日立製作所が約5.2倍という拡大を遂げています。
ソニーグループ株式会社
2015年に3兆7,316億円で6位、2020年に8兆973億円で首位、2025年には23兆1,540億円で首位を維持しました。10年間で約6.2倍の拡大を達成しています。2015年から2020年の5年間で約2.2倍、2020年から2025年の5年間で約2.9倍と、継続的な拡大を続けています。
株式会社日立製作所
2015年に3兆9,789億円で4位、2020年に3兆402億円で6位と一時的に順位を下げましたが、2025年には15兆8,388億円まで拡大し第2位となりました。特に2020年から2025年にかけて約5.2倍の拡大を記録しており、事業構造改革の成果が表れています。
株式会社キーエンス
2015年に4兆1,345億円で3位、2020年に7兆6,780億円で2位、2025年には14兆8,186億円で3位となりました。10年間で約3.6倍の拡大を遂げ、常に上位3位以内を維持する安定した拡大を続けています。
半導体関連企業の顕著な時価総額拡大 ー 10年間で最大45.9倍、業界構造の変化をリード
今回の分析で特に注目すべきは、半導体製造装置や検査装置を手がける企業の拡大です。
レーザーテック株式会社
2015年に約399億円(TOP30圏外)、2020年に9,579億円(19位)、2025年には1兆8,301億円(16位)と、10年間で約45.9倍という極めて顕著な拡大を記録しています。半導体製造装置の中でも、特に検査装置分野での技術優位性が市場から高く評価されてることが推察されます。
株式会社アドバンテスト
2015年は約3,031億円(TOP30圏外)でしたが、2020年に8,661億円(22位)でランクイン、2025年には4兆9,585億円(8位)へと拡大しました。10年間で約16.4倍、2020年から2025年の5年間でも約5.7倍の拡大を遂げています。
東京エレクトロン株式会社
2015年に1兆5,139億円(13位)、2020年に3兆2,000億円(4位)、2025年には9兆4,845億円(4位)まで拡大しました。10年間で約6.3倍の拡大を記録し、2015年から2020年にかけて順位も9ランク上昇、それ以降も4位を維持しています。
電気機器業界の構造変化と今後の展望
10年間のデータを分析すると、電気機器業界では明確な構造変化が進んでいます。半導体製造装置や検査装置メーカーの時価総額が大幅に増加しており、これらの企業は2015年から2025年にかけて数倍から十数倍の成長を遂げています。
一方で、総合電機メーカーの中には相対的な順位を下げた企業も見られます。パナソニックホールディングス株式会社は2015年に3兆8,685億円(5位)でしたが、2020年に2兆240億円(10位)、2025年には4兆3,481億円(10位)となっており、10年間で時価総額が増加しているものの、半導体関連企業の急成長により相対的な順位が変動しています。
キヤノン株式会社、富士通株式会社、三菱電機株式会社など、従来からの大手電機メーカーは安定した時価総額を維持しながらも、業界全体での順位変動が見られます。キーエンスやファナック株式会社など、高付加価値製品を提供する精密機器メーカーは、10年間を通じて安定した成長を維持しています。
AI、IoT、自動運転などの技術進化が進む中、半導体関連企業への注目度は今後も継続することが予想されます。
データのご案内
本記事の分析に使用した時価総額データの一部を当社ウェブサイトからダウンロードいただけます。このデータには、「電気機器業の3時点におけるTOP30」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。
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