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アイ・エヌ情報センター導入事例『もしかしたら生まれていなかった研究がある、その違いは大きい』
『もしかしたら生まれていなかった研究がある、その違いは大きい』
大学 研究・講義
eol

『もしかしたら生まれていなかった研究がある、その違いは大きい』

2025.4.1

経営学部商学科 教授 大内 秀二郎様
経営学部会計学科 准教授 吉田 政之様

1925年創立、文理合わせて15学部49学科を擁し、グローバル基準でも世界に評価される日本屈指の私立大学。論文数やそのパフォーマンスでも高い水準を保っており、「eol」は近畿大学の論文研究の礎を築く大事なピースの一つとなっています。
そんな近畿大学で、経営学部商学科 大内秀二郎教授、経営学部会計学科 吉田政之准教授のお二方にお話を伺いました。

Point

  • 研究・執筆のための情報収集の中核を担い、圧倒的なタイムパフォーマンスの向上が実現
  • 直感的な操作で検索の効率化と、ビジュアルで示された情報で精度の高い執筆活動が可能に
  • サポートとの連携で学生のサービス利用を促し、教員・学生問わず情報への意識が高まった

システム化されていることでより深まる研究

おふたりの主な研究内容、また、eolとの関わり方をお聞かせください

大内氏:
私は、流通システム論という科目を担当しており、研究対象は主に戦前期で、1930年代の東京電気(現:東芝)の販売政策について調べています。論文の中ではなかなかeolを使用する機会はないのですが、それとは別で書籍のコラムや一つの章を担当する際、例えば家電のことを執筆するにあたり、昔の松下電器(現:パナソニック)や東芝、日立など家電メーカーの有価証券報告書を辿ることがあります。
金融庁で公表をしている有価証券報告書は直近10年以内に提出されたものに限られており、それ以前の情報を探し出すのは一苦労ですが、eolでは、1960年代あたりまで情報を遡れ、とても重宝しています。

吉田氏:
私は、財務分析という授業を担当しており、自身の研究では、企業が開示しているリスク情報から財務的な成果とどういう関係があるのかを論文に書いています。
特に論文の中で必要となる「リスク情報」は、2003年より有価証券報告書での公開が義務化されました。義務化からすでに10年以上経っており金融庁から公表される期間を過ぎているので、全ての情報を引き出せるeolを便利に使わせてもらっています。

普段、どのようにeolを使用されているのか、またその使い心地を教えてください

大内氏:
私はまず企業検索をして、主に有価証券報告書を見ながらデータや、セグメント毎の比率を拾うことが多いです。
企業情報を調べる際に、事業ごとの売上の比率をグラフで図示してくれるのはとてもありがたく、例えば、海外事業と国内事業で分類している企業の場合なら、今成長しているのはどの事業か、を一目で認識できるようになります。
以前は、自分で売上データを拾って、Excelでまとめて、グラフへ落とし込むという作業を要した部分が、システム化されることで大幅な時間短縮と工数削減となり、その分執筆作業に時間をかけることが可能になりました。実際に論文にする際は、自分でグラフに落とし込みますが、まず視覚化された情報をパッと提示してくれるのは効率的で、とてもありがたい機能です。

また学生向けとして、ゼミ指導の中でeolの講習会を実施しています。
そこでは実際にアイ・エヌ情報センターの方に講師としてお越しいただき、全員で実際にeolを操作しながら、卒論や就活に役立つ情報の検索方法をレクチャーいただいています。
学生としては、サービスを提供している方の生の声を聞きながらサービスへの理解を深められることが好評のようで、毎年3年生の秋から冬にかけてのタイミングで開催をしています。

吉田氏:
私は、さまざまな企業データを横断的に検索できる「全文検索」をよく使用しています。
例えば、有価証券報告書の書き方は企業によってさまざまで、同じワードでも記載箇所や使われ方が異なる場合があり見落としてしまうことも。そういった場合でも、全文検索では項目に関係なく情報を拾えるため、まず大きな視点で検索をし、そこから仮説を立て、研究へ落とし込むことができます。
単純に検索結果にヒットしたかどうかだけではなく、その周辺情報まで一緒に提示をしてくれるので、効率的な情報収集で仮説の精度も高まり、論文に深みを持たせることができます。

実際にeolを活用した論文がいくつかあるのですが、例えば、「リスク情報開示の内容と有用性に関する実証研究 」という論文では、東日本大震災の前後に着目した部分で使用しました。
具体的には、震災以前より自社に直面するリスクとして「自然災害リスク」を開示していた企業は、震災時に財務上の影響を軽減できたのか、という検証の中で、企業がいつから自然災害リスクの開示をしていたのか、またその内容についての情報を集める際、eolで有価証券報告書の「事業等のリスク」を検索して活用しました。

また、学生が論文を書く中で、業界を絞った財務データの収集について相談を受けた際に、eolの客観的情報を活用することをアドバイスしています。
私もそうなのですが、不意に「これってどうなんだろう」と調べたくなることがあるので、教員、学生問わずどこからでもeolのデータベースに入れて、リアルタイムに検索できるのは嬉しい機能の一つです。

eolがなかった時代は研究の仕方も今とは異なっていたのでしょうか

大内氏:
私が学生だった頃はこういうデータサービスは無かったので、大学にあった資料のコピーを使っていました。
紙の資料の場合、「ページをめくりながら自分に必要な情報を探す」という作業が必要になるので、どうしても漏れが出てきてしまい、情報の精査に手間がかかり、論文を執筆する上でとても骨の折れる作業になります。
その頃を考えると自分が知りたいことをピンポイントで検索できることで時間短縮が可能となり、格段に効率が上がりました。その情報精度の高さから可能になった研究もたくさんあると思います。
どうやってデータを収集しているか知らない人からすると、この人は有価証券報告書を全て読んだのか!と思われてしまうかもしれませんよね。

吉田氏:
私は大学院の頃にeolと出会いました。とても興味深い研究をしている先輩がいて、どうやってここまで詳しいデータを調べたのかを聞いた際に、アイ・エヌ情報センターのeolというデータサービスがあることを知りました。
そこから自分の論文でもeolを活用することが増え、私の論文を読んだ方から「この論文のデータはどうやって取ったんですか?」と質問の連絡が来たこともありました。
私はすでに大学院時代からeolがある環境で研究がスタートしているので、正直なところ、eolがなかったら、今自分が行っているような内容の研究自体に手をつけていなかったですし、こうやって論文を執筆できたのはeolでの情報収集が一つの大きな役割を担っていると思います。

学生向けに講習会をした際の参加した学生の反応はいかがでしょうか

大内氏:
学生としては、企業のこれまでの活動の経緯や事業に取り組み始めた理由、どんな問題に直面しているのかなどを、新聞記事や研究者などの、他者目線で語られている情報ではなく、企業自身の言葉で語っているということが、面白く見えるようです。
また、企業データとして公表されている情報量に驚くこともあるようで、「従業員の平均年齢や平均年収も載っているよ」と教えると、新鮮な反応が返って来ます。

卒業論文で企業情報を活用するテーマを選ぶ学生もいるため、精度の高い情報を即座に調べられるeolは便利なサービスであると喜んでいます。
就職活動の中でも使用できる場面が多く、業界内での他社比較が一覧データで見られるのは魅力的で便利な機能の一つだと思います。

実際にアイ・エヌ情報センターのサポートの方が大学に来て講習会をしてくれるので、欲しい情報の検索方法や、サービス元ならではの便利な使い方を教えてもらえるのは心強いですね。近畿大学全体を通して、論文に対する情報収集への意識を高める後押しとなっています。

サービスへの今後の展望をお教えください

吉田氏:
ここ最近、海外向けの英語資料を作成する企業も増えてきているので、全文検索機能の中で、英文情報を分類するサポートに力を入れていただくことを期待します。
もちろん数字の部分は日本語、英語問わず同じ情報なのですが、企業によっては数字の根拠を説明している文章のボリュームが違うこともあり、言語を問わず同様の精度で分類がされていると、今後の研究にもさらに活かしていけると思います。

大内氏:
学生としては就活に関する情報は気になるところなので、直近の採用実績や、そのほか採用に関するデータが一覧で見られるともっと便利だなと思います。

また、近畿大学では独自でガイダンス動画を作成しているのですが、ぜひ専門の方が作ってくれたガイダンス動画やチュートリアル動画があると、より学生もサービスを触ってみやすくなると思います。
現状では、使い方をまだよく知らないという学生も多く、せっかく論文の精度を高められるデータサービスを導入しているのでもっと活用してほしいという思いがあります。
引き続き自分たちの研究や執筆に活用をしながら、研究パフォーマンスを向上させる情報収集ツールとしてこれからの未来を担う学生へもeolを訴求していければと思います。

 

※掲載内容は取材当時のものです。

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