2026.5.20
銀行業発行国内公募SBの近況【2026年5月集計版】
2026年3月決算において、上場銀行業4社が純利益を前年比で倍増させるなど、銀行業界は好調な業績が続いています。一方、資金調達の面では、これら4社のうち国内公募SBを活用した企業は1社にとどまりました。本稿では、銀行業発行国内公募SBの発行額・残存額を①劣後債、②個人投資家向け債、③ESG債の観点から分析します。
また、当社が提供するファイナンスデータベースサービス INDB Funding Eyeから取得した直近3年度分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。
①劣後債:発行額は常に50%以上を占め2025年度に86.23%、残存額は2036年度には100.00%に
発行額、直近10年度の推移は、2015年度に92.55%(1兆1,800億円)、2021年度に58.82%(3,000億円)とコロナ禍の影響もあり下がるも、常に50%以上を占め2025年度には86.23%(1兆9,160億円)と回復しています。これは、自己資本規制対応の需要が継続していることを示唆しています。
一方、残存額は、2027年度に89.73%(10兆3,844億円)ですが、2036年度には劣後債のみとなっています。

②個人投資家向け債:発行額は常に50%以下で、2022年度には最多の42.69%、残存額は2030年度に25.63%を占めていますが2035年度にはなくなる
発行額、直近10年度の推移は、2018年度に7.25%(800億円)と下がるも2022年度に最多割合42.69%(6,900億円)、その後、上がったり下がったりがあり2025年度には21.02%(4,670億円)となりました。今後の発行動向に注目です。
一方、残存額は、2027年度に24.49%(2兆8,340億円)、2030年度に25.63%(2兆6,220億円)と増えましたが、年限が短いこともあり、2035年度には個人投資家向け債がなくなります。

③ESG債:発行額は2020年度に最多の13.74%、残存額は2027年度に2.03%を占めるが2036年度になるとなくなる
発行額、直近10年度の推移は、2020年度にサステナビリティボンドが急増し最多割合13.74%(1,700億円)、その後、上がったり下がったりがあり2025年度には1.64%(365億円)となりました。
一方、残存額は、2027年度に2.03%(2,352億円)、徐々に下がり、2035年度にグリーンボンドのみとなり、2036年度にはESG債がなくなります。これは、金利メリットが得られない中で、高額な年次管理コスト(期中に支払がある各種手数料)を株主へ説明できない経済的合理性の欠如の可能性があります。

当社では、国内公募SB情報は1978年以降発行分をデータベース化し、個別ディールも時系列データも簡単にご利用いただけるよう提供しております。
(今回紹介したデータの一部は下記よりダウンロードいただけます。)
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銀行業発行国内公募SB(公的資金発行SB及び金融債を除く)の近況です。
2026年3月決算において、上場銀行業4社が純利益を前年比で倍増させるなど、銀行業界は好調な業績が続いています。一方、資金調達の面では、これら4社のうち国内公募SBを活用した企業は1社にとどまりました。
本稿では、銀行業発行国内公募SBの発行額・残存額を①劣後債、②個人投資家向け債、③ESG債の観点から分析します。
※本稿の分析対象は、銀行業が発行する国内公募SBのうち、公的資金発行SBおよび金融債を除いたものです。公的資金発行SBは市場原理とは異なる条件下での発行、金融債は特別法に基づく制度的な発行であり、通常の社債市場の動向分析になじまないことから除外しています。