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NEW 2026.6.17 DL資料【2026年6月】12月決算上場企業の業種別営業利益率ランキング|労働生産性で見る付加価値創出力
当社が保有する企業情報データベースeolおよび人的資本パッケージより、2025年12月期決算の連結財務データを取得できる企業を抽出し、業種別の売上高営業利益率と労働生産性をまとめました。 本記事では、まず業種別の売上高営業利益率ランキングを確認し、そのうえで補足指標として労働生産性を用いて、営業利益率と付加価値創出力の関係を考察します。 売上高営業利益率は、売上高に対して営業利益がどの程度残っているかを示す指標です。一方、労働生産性は、従業員1人当たりでどれだけの付加価値を生み出しているかを確認するための指標です。 無駄なく効率的に働き(労働生産性の向上)、高い付加価値を生み出すことで、最終的に会社に残る儲けの割合(営業利益率)が高い業界、企業があるのか考察します。 業種別営業利益率ランキング|鉱業49.11%、証券・商品先物取引業42.63%で上位 まず、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別の平均売上高営業利益率を確認しました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率が最も大きい業種は、鉱業の49.11%でした。次いで、証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%、不動産業が19.67%、精密機器が13.77%となっています。 業種別 平均売上高営業利益率ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 医薬品 258,123 62,118 24.07 ▲31,609,711 4 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 5 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 6 情報・通信業 40,278 4,877 12.11 3,057,833 7 その他製品 130,919 15,137 11.56 2,933,432 8 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 9 電気機器 263,124 28,260 10.74 1,129,631 10 ゴム製品 1,514,027 144,626 9.55 4,805,662 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 鉱業は、平均売上高が1,093,403百万円、平均営業利益が536,968百万円、平均売上高営業利益率が49.11%となりました。今回の対象業種の中では、売上高に対して営業利益が大きく残る業種として表れています。 証券、商品先物取引業は、平均売上高が27,283百万円、平均営業利益が11,631百万円、平均売上高営業利益率が42.63%となりました。売上規模は鉱業と比べて小さいものの、売上高に対する営業利益の割合は高い水準です。 また、医薬品は営業利益率が24.07%で3位となりました。一方で、平均労働生産性は▲31,609,711円となっており、営業利益率と労働生産性が同じ方向に表れていない点が特徴的です。このような違いを確認するため、次章では補足指標として労働生産性を見ていきます。 労働生産性分析|鉱業が1億6,824万円でトップ 営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。収益性を見るうえで分かりやすい一方、企業がどの程度の人員規模で付加価値を生み出しているかまでは把握しにくい面があります。 そこで、補足指標として労働生産性を確認します。 業種別 平均労働生産性ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 4 小売業 112,207 9,805 8.74 9,140,858 5 輸送用機器 763,534 42,434 5.56 7,492,487 6 化学 385,612 31,933 8.28 7,380,583 7 繊維製品 31,998 2,482 7.76 6,933,320 8 電気・ガス業 159,436 8,956 5.62 6,538,667 9 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 10 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 労働生産性ランキングでも、鉱業と証券、商品先物取引業が上位となりました。特に鉱業は、営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの双方で1位となっており、売上高に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の両面で高い水準にあります。 一方で、営業利益率ランキング3位の医薬品は、労働生産性ランキングでは上位に入りませんでした。営業利益率は売上高に対する営業利益の割合であるのに対し、労働生産性は粗付加価値を従業員数の2期平均で割って算出します。そのため、営業利益率が高い業種であっても、粗付加価値や従業員数の構成によって、労働生産性の水準は異なることが考えられます。 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの比較|上位業種は一部共通するが順位は一致しない 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングを比較すると、上位業種には一部共通する業種が見られる一方で、順位が大きく異なる業種もあります。 営業利益率ランキング上位業種と労働生産性の比較 業種 営業利益率順位 平均売上高営業利益率[%] 労働生産性順位 平均労働生産性[円] 鉱業 1 49.11 1 168,247,179 証券、商品先物取引業 2 42.63 2 64,347,017 医薬品 3 24.07 27 ▲31,609,711 不動産業 4 19.67 3 37,343,873 精密機器 5 13.77 9 6,126,900 情報・通信業 6 12.11 19 3,057,833 その他製品 7 11.56 20 2,933,432 食料品 8 11.02 10 6,105,191 電気機器 9 10.74 25 1,129,631 ゴム製品 10 9.55 11 4,805,662 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率・労働生産性のいずれも上位となりました。売上高に対して利益を残しやすく、かつ従業員1人当たりの付加価値創出力も高い業種として表れています。 一方、医薬品は営業利益率では3位ですが、労働生産性では27位となりました。また、電気機器は営業利益率では9位ですが、労働生産性では25位となっています。 このように、営業利益率が高い業種であっても、労働生産性が同じように上位になるとは限りません。営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」を示し、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。 そのため、営業利益率を見る際には、補足指標として労働生産性をあわせて確認することで、業種ごとの収益性と付加価値創出力をより多面的に把握できると考えられます。 労働生産性トップの㈱INPEXは鉱業平均の約1.9倍 次に、個別企業の事例として、今回の集計で労働生産性が最も大きかった㈱INPEXを確認します。 ㈱INPEXは、東証業種分類では鉱業に属しています。同社の数値を鉱業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 鉱業平均 ㈱INPEX 比較 売上高[百万円] 1,093,403 2,095,451 約1.9倍 営業利益[百万円] 536,968 1,063,342 約2.0倍 売上高営業利益率[%] 49.11 50.74 +1.63ポイント 労働生産性[円] 168,247,179 317,197,459 約1.9倍 ㈱INPEXの労働生産性は317,197,459円で、鉱業平均の168,247,179円に対して約1.9倍の水準となりました。また、売上高営業利益率も50.74%と、鉱業平均の49.11%を1.63ポイント上回っています。 この結果から、㈱INPEXは所属業種である鉱業の中でも、売上規模、営業利益規模、営業利益率、労働生産性のいずれも大きい水準にあることが確認できます。 鉱業は、資源開発や生産設備、権益、国際的な資源価格などの影響を受けやすい業種と考えられます。㈱INPEXについては、売上高・営業利益ともに鉱業平均を大きく上回っており、粗付加価値を従業員数の2期平均で割った労働生産性も高い水準に表れています。 このように、㈱INPEXの事例では、営業利益率の高さと労働生産性の高さが同じ方向に表れており、売上に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の双方が大きい水準にあると推察されます。 ㈱メタプラネットは営業利益率70.60%でも労働生産性はマイナス値 次に、今回の集計で労働生産性が最も小さい値となった㈱メタプラネットを確認します。 ㈱メタプラネットは、東証業種分類では卸売業に属しています。同社の数値を卸売業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 卸売業平均 ㈱メタプラネット 比較 売上高[百万円] 132,803 8,905 卸売業平均の約6.7% 営業利益[百万円] 7,111 6,287 卸売業平均の約88.4% 売上高営業利益率[%] 5.35 70.60 +65.25ポイント 労働生産性[円] ▲185,484,645 ▲3,639,961,539 マイナス方向に大きい値 ㈱メタプラネットは、売上高が8,905百万円で、卸売業平均の132,803百万円に対して約6.7%の水準です。一方、営業利益は6,287百万円で、卸売業平均の7,111百万円に近い水準となっています。 そのため、売上高営業利益率は70.60%と、卸売業平均の5.35%を大きく上回る結果となりました。 一方、労働生産性は▲3,639,961,539円となり、卸売業平均の▲185,484,645円と比較しても、マイナス方向に大きい値となっています。 この結果は、営業利益率が高い企業であっても、労働生産性が同じ方向に表れるとは限らないことを示す事例といえます。 特に、㈱メタプラネットのように、営業利益率が非常に大きい一方で労働生産性がマイナスとなっている企業では、営業利益だけでなく、粗付加価値の構成や従業員数との関係を確認する必要があります。 この事例からも、営業利益率のみでは、粗付加価値ベースの付加価値創出力を十分に説明できない可能性があると考えられます。 総論|営業利益率と労働生産性を組み合わせることで、収益性と付加価値創出力を多面的に把握 本記事では、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別営業利益率ランキングを確認したうえで、補足指標として労働生産性を用いた分析を行いました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率は鉱業が49.11%で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%となりました。 一方、労働生産性では、鉱業が168,247,179円で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が64,347,017円、不動産業が37,343,873円となりました。 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率と労働生産性の双方で上位に位置しており、収益性と付加価値創出力の両面で高い水準が確認できます。一方、医薬品や電気機器のように、営業利益率では上位に入っていても、労働生産性では順位が異なる業種も見られました。 営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。個別企業分析で示したように両者を組み合わせて確認することで、企業や業種の収益性と生産性をより多面的に把握できると考えられます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した営業利益率ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の開示書類を効率的に閲覧する機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 また、人的資本パッケージでは、有価証券報告書の企業情報(数値データ等)、人的資本に関するデータと「しょくばらぼ」のデータを一覧化しており、調査や分析に活用していただくことが可能です。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事は、企業情報データベース「eol」および人的資本パッケージより抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.5.26 DL資料【2026年5月】売上高ランキング・当期純利益ランキング比較|営業CFで見る成長企業の特徴
当社が保有する企業情報データベースeolより、2026年3月期決算の上場企業を対象に、決算短信に記載された連結実績における売上高、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フローを抽出し、ランキング表としてまとめたものです。 売上高は企業の事業規模を示す代表的な指標です。一方、当期純利益は、売上から各種費用、税金、営業外損益、特別損益などを反映した最終的な利益を示します。さらに、営業キャッシュ・フロー(以下、営業CF)を確認することで、利益が営業活動による現金創出を伴っているかを補足的に見ることができます。 本記事では、売上高が大きい企業群と、当期純利益が大きい企業群を比較し、どちらに成長企業としての特徴がより表れているかを、売上高成長率、当期純利益成長率、営業CFの観点から考察します。 なお、本記事では、以下の3点を満たす企業を「成長企業としての特徴が相対的に強い企業」として整理します。 1.売上高成長率がプラス 2.当期純利益成長率がプラス 3.営業CFがプラス 売上高トップはトヨタ自動車50兆6,850億円、営業CFは9社がプラス 売上高ランキングでは、トヨタ自動車㈱が50兆6,850億円で首位となりました。2位は本田技研工業㈱の21兆7,966億円、3位は三菱商事㈱の18兆9,160億円です。 売上高トップ10には、輸送用機器が3社、卸売業が3社含まれており、グローバルな販売網や大規模な取引基盤を持つ企業が上位に並ぶ結果となりました。 順位 企業名 業種 売上高 親会社株主に帰属する当期純利益 営業CF 売上高成長率 当期純利益成長率 1 トヨタ自動車㈱ 輸送用機器 50兆6,850億円 3兆8,481億円 5兆4,729億円 5.51% ▲19.25% 2 本田技研工業㈱ 輸送用機器 21兆7,966億円 ▲4,239億円 1兆1,353億円 0.49% -- 3 三菱商事㈱ 卸売業 18兆9,160億円 8,005億円 1兆4,900億円 1.60% ▲15.81% 4 伊藤忠商事㈱ 卸売業 14兆8,231億円 9,003億円 1兆1,318億円 0.67% 2.27% 5 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 14兆6,208億円 2兆4,272億円 ▲23兆644億円 7.27% 30.29% 6 NTT㈱ 情報・通信業 14兆4,091億円 1兆370億円 1兆4,852億円 5.14% 3.70% 7 三井物産㈱ 卸売業 13兆9,952億円 8,340億円 9,529億円 ▲4.56% ▲7.38% 8 ソニーグループ㈱ 電気機器 12兆4,796億円 1兆309億円 1兆9,456億円 3.69% ▲3.42% 9 日産自動車㈱ 輸送用機器 12兆79億円 ▲5,331億円 7,947億円 ▲4.95% -- 10 ENEOSホールディングス㈱ 石油・石炭製品 11兆7,655億円 2,587億円 6,200億円 ▲4.73% 14.44% ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、四捨五入しています。 ※「▲」はマイナスを示します。 売上高トップ10の売上高合計は、約185兆4,988億円です。売上高成長率がプラスとなった企業は10社中7社、当期純利益成長率がプラスとなった企業は、算出可能な8社中4社となりました。 営業CFを見ると、10社中9社がプラスです。特にトヨタ自動車㈱は5兆4,729億円、ソニーグループ㈱は1兆9,456億円、NTT㈱は1兆4,852億円の営業CFを計上しており、大規模な売上高に加えて、営業活動からの現金創出も確認できます。 一方、㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの営業CFは▲23兆644億円となっています。銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など、銀行業特有の資金移動の影響を受けやすいため、製造業や卸売業などの一般事業会社と単純比較する際には留意が必要です。 銀行業である同社を除いた売上高トップ9社の営業CF合計は、約15兆284億円となります。この点から、売上高トップ企業群は、事業規模の大きさに加え、多くの企業で営業活動による現金創出が確認できる企業群と考えられます。 当期純利益トップはソフトバンクグループ5兆23億円、銀行業3社・情報通信業2社が上位に 当期純利益ランキングでは、ソフトバンクグループ㈱が5兆23億円で首位となりました。2位はトヨタ自動車㈱の3兆8,481億円、3位は㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの2兆4,272億円です。 当期純利益トップ10には、銀行業が3社、情報・通信業が2社、卸売業が2社含まれており、売上高ランキングとは異なる業種構成となりました。売上高ランキングでは輸送用機器や卸売業など、取扱高や販売規模が大きくなりやすい業種が目立つ一方、当期純利益ランキングでは、金融・通信・電機・総合商社など、利益額の大きい企業群が上位に並んでいます。 順位 企業名 業種 売上高 親会社株主に帰属する当期純利益 営業CF 売上高成長率 当期純利益成長率 1 ソフトバンクグループ㈱ 情報・通信業 7兆7,987億円 5兆23億円 ▲4,288億円 7.12% 333.72% 2 トヨタ自動車㈱ 輸送用機器 50兆6,850億円 3兆8,481億円 5兆4,729億円 5.51% ▲19.25% 3 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 14兆6,208億円 2兆4,272億円 ▲23兆644億円 7.27% 30.29% 4 ㈱三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 10兆7,909億円 1兆5,830億円 ▲10兆2,831億円 6.05% 34.37% 5 ㈱みずほフィナンシャルグループ 銀行業 9兆854億円 1兆2,486億円 ▲4兆8,385億円 0.61% 41.01% 6 NTT㈱ 情報・通信業 14兆4,091億円 1兆370億円 1兆4,852億円 5.14% 3.70% 7 ソニーグループ㈱ 電気機器 12兆4,796億円 1兆309億円 1兆9,456億円 3.69% ▲3.42% 8 東京海上ホールディングス㈱ 保険業 8兆8,723億円 9,804億円 5,843億円 3.96% ▲7.10% 9 伊藤忠商事㈱ 卸売業 14兆8,231億円 9,003億円 1兆1,318億円 0.67% 2.27% 10 三井物産㈱ 卸売業 13兆9,952億円 8,340億円 9,529億円 ▲4.56% ▲7.38% ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、四捨五入しています。 ※「▲」はマイナスを示します。 当期純利益トップ10の当期純利益合計は、約18兆8,918億円となりました。売上高トップ10の当期純利益合計である約10兆1,797億円と比較すると、利益額の面では当期純利益トップ10が大きく上回っています。 また、当期純利益トップ10では、売上高成長率がプラスとなった企業が9社、当期純利益成長率がプラスとなった企業が6社、売上高と当期純利益の双方がプラス成長となった企業が6社となりました。利益額の大きさに加えて、売上・利益の成長を同時に確認できる企業が一定数含まれている点が特徴です。 営業CFを見ると、当期純利益トップ10では10社中6社がプラスとなりました。一方、ソフトバンクグループ㈱および銀行業3社は営業CFがマイナスとなっています。特に銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など金融業特有の資金移動の影響を受けやすいため、一般事業会社と単純比較する際には留意が必要です。 成長企業比較では、当期純利益トップ10が売上・利益成長で特徴、営業CFでは売上高トップ10に安定感 売上高トップ10と当期純利益トップ10を企業群として比較すると、それぞれ異なる特徴が見られます。 比較項目 売上高トップ10 当期純利益トップ10 売上高合計 約185兆4,988億円 約157兆5,601億円 当期純利益合計 約10兆1,797億円 約18兆8,918億円 営業CF合計 約▲8兆360億円 約▲27兆422億円 営業CF合計(銀行業除く) 約15兆284億円 約11兆1,439億円 平均売上高成長率 1.0% 3.5% 売上高成長率がプラスの企業数 7社 9社 当期純利益成長率がプラスの企業数 4社(算出可能8社中) 6社 売上高・当期純利益ともに成長した企業数 3社 6社 売上高成長率・当期純利益成長率・営業CFがすべてプラスの企業数 2社 2社 売上高トップ10は、売上高合計が約185兆4,988億円と非常に大きく、事業規模の大きさが特徴として表れています。また、銀行業である㈱三菱UFJフィナンシャル・グループを除く9社すべてで営業CFがプラスとなっており、多くの企業で営業活動による現金創出が確認できます。 一方、当期純利益トップ10は、当期純利益合計が約18兆8,918億円となり、売上高トップ10を大きく上回っています。さらに、売上高成長率がプラスの企業が9社、当期純利益成長率がプラスの企業が6社となっており、売上・利益成長の観点では、当期純利益トップ10の方が成長企業群としての特徴を相対的に強く示していると推察されます。 ただし、営業CF合計では、当期純利益トップ10は約▲27兆422億円となりました。これは、当期純利益トップ10に銀行業3社が含まれており、金融業特有の資金移動が営業CFに大きく影響しているためと考えられます。銀行業3社を除いた営業CF合計では約11兆1,439億円となり、一般事業会社を中心に見ると営業活動による現金創出も確認できます。 当期純利益トップ10は売上・利益成長で特徴、営業CFでは売上高トップ10の現金創出も確認 売上高ランキングと当期純利益ランキングを比較すると、売上高トップ10は「事業規模の大きさ」、当期純利益トップ10は「最終的な利益額の大きさ」が特徴として見られます。さらに営業キャッシュ・フロー、(以下営業CF)を加えることで、売上や利益が営業活動による現金創出を伴っているかを補足的に確認できます。 営業CFを見ると、売上高トップ10では10社中9社、当期純利益トップ10では10社中6社がプラスとなりました。当期純利益トップ10では、ソフトバンクグループ㈱のように当期純利益が大きい一方で営業CFがマイナスとなる企業もあり、当期純利益と営業CFの動きが必ずしも一致しないことが確認できます。また、銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など金融業特有の資金移動の影響を受けやすいため、一般事業会社とは分けて確認することが望ましいと考えられます。 今回のデータでは、売上高トップ10は「規模」と「現金創出」、当期純利益トップ10は「利益額」と「売上・利益成長」という特徴が見られました。なお、売上高成長率・当期純利益成長率・営業CFのすべてがプラスとなった企業は、両ランキングとも2社であり、NTT㈱と伊藤忠商事㈱が該当します。 企業の成長性を確認する際には、売上高や当期純利益の絶対額だけでなく、売上高成長率、当期純利益成長率、営業CFを組み合わせて見ることが有用です。売上高は「規模」、当期純利益は「最終的な利益額」、営業CFは「営業活動による現金創出」を示すため、3つの指標を組み合わせることで、企業の特徴をより立体的に把握できます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した売上高、当期純利益ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の財務データに加え、業種、上場市場、非財務情報などを横断的に取得できます。上場企業の成長性、収益構造、現金創出力を比較する際の基礎データとしてご活用いただけます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事は、企業情報データベース「eol」より抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※売上高は「連結実績-売上高」、当期純利益は「連結実績-親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しています。 ※営業CFは「営業キャッシュ・フロー」を使用しています。 ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、億円未満を四捨五入しています。 ※「--」は、前期が赤字である場合など、成長率の比較に適さないデータを示しています。 ※銀行業など金融業の営業CFは、一般事業会社と性質が異なるため、単純比較には留意が必要です。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.4.24 DL資料【2026年4月】業種別 ROEランキング|資本効率と財務健全性の相関から読み解く「経営タイプ」
当社が保有する企業情報データベースeolより、全上場企業(連結財務諸表ベース)の当期純利益、自己資本、総資産を用いて、ROE(自己資本利益率)を中心に企業の資本効率と安全性を読み解いてみました。 業種別の傾向に加え、高ROEの背景にある負債活用の見方なども整理しています。 ROE(自己資本利益率)の判定基準と資本効率を客観的に評価するための補足指標の役割 2026年現在、日本市場で注目されている財務指標の1つは「ROE(自己資本利益率)」です。東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請以降、企業には単なる利益の額ではなく、投資家から預かった資本をいかに効率よく回したかという「資本効率」が問われています。 ROE(自己資本利益率) 指標の説明 計算式 単位 株主から預かったお金(自己資本)を使って、 企業がどれだけ効率的に利益(当期純利益)を稼げたかを示す指標 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 % 一般的には「8%」が優良企業の最低ライン(伊藤レポート基準)とされ、「10%〜15%」を超えるとグローバル水準でも極めて効率的な経営を行っていると判定されています。 しかし、ROEは「借金を増やして自己資本(分母)を小さく見せる」ことでも、表面上の数値を上げられてしまうことから、ROEの数値が高いからといって、無条件に優良企業と判断するのは危険です。そこで、ROEの「中身(質)」を正しく評価するために不可欠なのが、ROE分析時の補足指標と言われている「自己資本比率」です。 自己資本比率 指標の説明 計算式 単位 会社の全資本(総資産)のうち、銀行からの借入金など ではない「返済不要の自己資本(純資産)」が占める割合を示す指標 自己資本 ÷ 総資産 × 100 % この指標は、総資産のうち「返済不要な自分の資金」が占める割合を示します。 ROE(効率性)が高くても、自己資本比率(安全性)が極端に低い場合、それは「過大な借金によって無理に効率を上げている状態」かもしれません。 この二つの指標を組み合わせることで、その企業の収益が「本業の稼ぐ力によるものか(良質なROE)」、あるいは「財務リスクを負ったレバレッジによるものか(注意すべきROE)」を判別できるようになります。 業種別の収益性トレンドと構造的要因|高ROEを導く「資産を抑えた経営」の優位性 上場全33業種の連結ベース(赤字企業除外)におけるROE平均は10.3%となりました。この結果は、日本企業がグローバル水準の高いハードルを安定的に超え始めていることを示しています。ROEランキングの上位業種は下記の業種です。 上位2業種(サービス、情報・通信)に共通するのは、大規模な工場や店舗といった物理的な資産を最小限に抑える「資産を抑えた経営」という構造的な強みです。個別企業では、サービス業の㈱リログループ(ROE 63.5%)や、第5位の小売業(ROE 11.3%)に属する㈱ZOZO(ROE 45.9%)が代表例です。これらの企業は負債への依存度を低く保ちながら高収益を創出しており、金利上昇による支払利息増のリスクを抑えた、極めて強固な収益構造を維持していると推察されます。 一方、第3位の海運業は、保有資産は大きいものの、近年の世界的な運賃高騰という外部要因が利益を急拡大させ、資本効率を一時的に大きく押し上げたものと考えられます。 財務構成から見るROEの持続性|市場環境の変化に即した負債活用と収益リスクの検証 ROEを主役として見る際、決して見落としてはいけないのが「負債の活用度合い」です。ROEは、本業の儲けやすさだけでなく、「どれだけ借金(負債)を利用して効率を上げたか」という要素が含まれるからです。 「良いROE」:収益性主導型 本業の利益率が高く、無駄な資産を持たないことでROEが向上しているケース。自己資本比率も一定水準(40%以上など)を維持しており、金利上昇にも強い。 例:サービス業(ROE 14.0% / 自己資本比率 52.6%)や情報・通信業(ROE 13.8% / 自己資本比率 59.1%)。 「注意すべきROE」:財務レバレッジ主導型 本業の利益率は平凡でも、多額の借入によって自己資本を圧縮し、見かけ上のROEを上げているケース。 例:不動産業(ROE 12.9% / 自己資本比率 38.5%)や卸売業(ROE 8.9% / 自己資本比率 32.3%)。 特に、不動産業(ROE 12.9% / 自己資本比率 38.5%)のように、負債を成長の武器とする戦略は、低金利下では非常に有効な手法でした。しかし、金利がある世界に戻った現在では、利払い負担が直接的に利益を削り、ROEを圧迫するリスクとなります。 ROEの数値が高く、一見すると優良企業に見える場合でも、自己資本比率という「盾の厚さ」を併せて確認し、その効率性が「低金利という外部環境に依存したものではないか」を見極めることが、現代の企業分析には不可欠です。 ROEの「質」と「安全性」から読み解く4つの経営タイプ 本分析の主役であるROE(平均10.3%)と、補足指標である自己資本比率(平均53.0%)の平均値を基準に各業種を分析すると、各業種が「収益効率」と「金利耐性」のどちらのタイプに寄っているかが見えてきます。 【収益性・健全性高水準】効率的経営タイプ ROE 10.3%超 かつ 自己資本比率 53.0%超という、全業種平均をいずれも超える領域に位置し、強力な稼ぐ力と金利上昇に揺るがない財務基盤を両立した、理想的な資本効率を誇るタイプです。 代表業種:情報・通信業(ROE 13.8% / 比率 59.1%) 個別事例:㈱オービック(情報・通信業 / ROE 14.8% / 自己資本比率 91.0%) このタイプを象徴する情報・通信業の中でも、独自のソフトウェア資産を持つ企業は、負債に頼らず高い資本効率を実現しています。金利上昇局面においても利払い負担増のリスクがほぼなく、自前で次なる成長投資を行える「勝ち残り」の筆頭とも言えるポジションです。 【収益性重視・積極投資】負債活用型タイプ ROE 10.3%超 という高い資本効率を維持しつつ、自己資本比率は平均の 53.0%未満 という領域に位置し、負債を成長のテコ(レバレッジ)として活用することで自己資本利益率を引き上げているタイプです。 代表業種:サービス業(14.0% / 52.6%)、海運業(13.7% / 48.5%) 個別事例: ㈱リログループ(サービス業 / ROE 63.5% / 自己資本比率 22.1%) 業種平均(サービス業)は全業種平均をわずかに下回る位置にありますが、個別企業ではさらに積極的に負債を活用し、高いROEを叩き出すケースが目立ちます。金利コスト増を上回る事業成長を継続できるかが分析の焦点に置かれます。 【健全性重視・中長期投資】内部留保蓄積タイプ 自己資本比率 53.0%超 という高い安全性を保持する一方で、ROEは平均の 10.3%未満 という領域に位置し、現在は収益効率よりも将来の投資や不況への耐性を優先して資本を蓄積しているタイプです。 代表業種:精密機器(8.8% / 62.1%)、医薬品(8.4% / 66.4%) 個別事例:テルモ㈱(精密機器 / ROE 8.9% / 自己資本比率 67.5%) 長期的な研究開発や設備投資が必要な業界に多く見られます。短期的なROEは平均を下回りますが、強固な財務基盤(盾)を持つため、金利上昇や景気後退局面でも事業を継続し、次世代のイノベーションを狙える持久力が特徴です。 【社会基盤・安定収益】資本集約型タイプ ROE 10.3%未満 かつ 自己資本比率 53.0%未満 という、全業種平均をいずれも下回る領域に位置し、巨額の設備資産を前提としながら、資本効率の追求以上に社会インフラとしての継続性が重視されるタイプです。 代表業種:電気・ガス業(10.2% / 38.4%)、陸運業(7.6% / 36.8%) 個別事例:東日本旅客鉄道㈱(ROE 6.5% / 比率 30.2%) 設備投資のための多額の借入を抱えることが前提の構造です。数値の低さを単純に批判するのではなく、インフラとしての安定したキャッシュフローやコスト管理能力が評価の主眼に置かれます。 業界標準値を「モノサシ」とする多角的な企業分析の重要性 今回の分析を通じて最も強調したいのは、財務数値は、業界の標準値と比較して初めて、その真のカラーが見えてくるということです。 例えば、自己資本比率が30%台という数字一つをとっても、それが不動産業であれば「業界標準に沿った適切なリスクテイク」と評価されますが、精密機器業界においては「業界平均を大きく下回る深刻な事態」と解釈されるかもしれません。同様に、ROE 10%という数値も、アセットライトなIT業界では「さらなる向上が期待される水準」であり、インフラ業界であれば「極めて優秀な効率性」と捉えることができます。 数字は単なる結果ではなく、その企業が選んだ「戦略の履歴書」です。 就活生や転職希望者にとっては、志望企業の言葉やイメージの裏側にある「稼ぎ方の本質」を見極める武器として、ビジネスマンにとっては、金利上昇という新たな荒波の中で「本当に勝ち抜く企業」を選別するための判断基準として、このROEを主軸とした二軸分析の視点を、ぜひ日々の企業・業界分析に活用してください。客観的なデータに基づいた「精緻なモノサシ」を持つことが、不透明な時代における最大の防御であり、最大の攻撃となるはずです。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した業種別ROEランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「全業種の平均比率やROE(自己資本利益率)TOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の開示書類を効率的に閲覧する機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 社数算出について 本記事の対象は全上場企業のうち、当期純利益、自己資本、総資産(いずれも連結)が取得可能な企業で算出しています。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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