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NEW 2026.8.3 DL資料【2026年8月】自己資本比率・当座比率ランキング|激変する社会情勢を生き抜く「財務健全性」
昨今の地政学リスクの高まりや物価・為替の大幅な変動など、先行きが不透明で不安定な社会情勢が続く中、企業の「不測の事態に耐えうる力」に改めて注目が集まっています。激変する環境下で事業を継続し、安定した経営を維持するためには、強固な財務基盤の構築が必要です。 本稿では、中長期的な財務健全性を示す「自己資本比率」と、短期的な手元の支払能力(資金繰りの安全性)を示す「当座比率」の2つの指標に着目し、東証プライム上場企業の2026年3月期データを抽出しました。各指標においてどのような業種・企業がランキングされているかを整理し、「不安定な社会情勢下でも、中長期または短期の揺るぎない財務力を誇る業種・企業」について数値データを確認します。 当社が保有する企業情報データベースeolのスクリーニング検索機能を活用し、東証プライム市場に上場している連結企業の2026年3月期の有価証券報告書より、自己資本比率、当座比率をランキング化しました。 各指標の詳細とポイント 自己資本比率(長期的な財務基盤の健全性) 返済義務のない「自己資本(純資産)」が、会社全体の資産(総資産)に対してどれだけあるかを示します。 特徴: 財務健全性の最も代表的な指標です。これが高いほど、不況などで一時的に赤字が出ても耐えられるだけの「クッション」、会社の安全性があることになります。 水準: 業種によって差があり一概には言えませんが、一般的に、40%以上で財務が安定していると見なされ、10%未満は資金ショートの注意が必要である危険水域とされます。 当座比率(流動比率より厳しい短期的な支払能力の評価) 流動資産から「棚卸資産(売れ残る可能性のある在庫)」を除き、すぐに現金化できる「当座資産(現金、預金、売掛金など)」のみを対象に、流動負債に対する支払能力を測ります。 特徴: 不良化の有無に関わらず売れなければ現金にならない在庫を除くため、流動比率より厳しい指標です。 水準: 100%以上あれば、当面の支払いに困る可能性は極めて低いと判断できます。 【自己資本比率編】中長期の「倒産リスク」を抑えた業種・企業を見る 【業種別平均】自己資本比率トップ5|財務のクッションが最も厚いセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均自己資本比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の平均自己資本比率は51.05%です。 順位 業種 平均自己資本比率 1 ゴム製品 71.26% 2 その他製品 65.25% 3 精密機器 64.78% 4 機械 63.77% 5 鉄鋼 63.70% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均自己資本比率は51.05%で、平均でも安定水準の40%を上回る 〇業種別平均では「ゴム製品」が71.26%と最も高い比率 〇上位5業種(ゴム製品、その他製品、精密機器、機械、鉄鋼)はいずれも平均値が60%以上と高率 【個別企業トップ10】ほぼ無借金経営、90%超を誇る極めて強固な10社 東証プライム上場企業における、自己資本比率の上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結自己資本比率(%) 1位 株式会社キーエンス 電気機器 94.57% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 93.47% 3位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 93.21% 4位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 92.48% 5位 SMC株式会社 機械 91.49% 6位 eBASE株式会社 情報・通信業 90.97% 7位 株式会社マースグループホールディングス 機械 90.95% 8位 株式会社MARUWA ガラス・土石製品 90.51% 9位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 90.46% 10位 ファナック株式会社 電気機器 89.19% データから確認できたこと 〇自己資本比率が最も高い企業は、株式会社キーエンスで94.57% 〇ランキング上位9社(1位のキーエンスから9位のダブルスタンダードまで)が自己資本比率90%以上 【当座比率編】予期せぬ支払いにも即応できる「手元の支払能力」を見る 【業種別平均】当座比率トップ5|短期の資金繰りに最もゆとりがあるセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均当座比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の総計(平均当座比率)は163.79%です。 順位 業種 平均当座比率 1位 鉄鋼 332.20% 2位 不動産業 288.07% 3位 情報・通信業 248.54% 4位 精密機器 217.57% 5位 ゴム製品 215.71% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均当座比率(総計)は163.79%で、当面資金繰りに困る事がない100%を大きく上回る 〇業種別平均では「鉄鋼」が332.20%と最も高い 〇「鉄鋼」「精密機器」「ゴム製品」の3業種は、自己資本比率ランキングでも上位5位以内に位置 【個別企業トップ10】トップ10は超高率の即時支払能力の持ち主たちで、上位5社は1000%超 東証プライム上場企業における、連結当座比率の高い上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結当座比率(%) 1位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 5,862.88% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 2,253.04% 3位 大和工業株式会社 鉄鋼 1,081.59% 4位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 1,047.20% 5位 株式会社マースグループホールディングス 機械 1,011.51% 6位 株式会社キーエンス 電気機器 997.42% 7位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 940.68% 8位 eBASE株式会社 情報・通信業 852.86% 9位 双葉電子工業株式会社 電気機器 759.25% 10位 アリアケジャパン株式会社 食料品 699.39% データから確認できたこと 〇上位5社が当座比率1,000%以上 〇自己資本比率ランキングの上位10社のうち、7社が当座比率ランキングのトップ10と共通 ランキングから見えた「共通する財務傾向」 今回は、東証プライム上場企業の2026年3月期有価証券報告書データに基づき、「自己資本比率」および「当座比率」の2つのランキングを確認しました。 両ランキングには、「共通する財務傾向」が見られました。 短期と中長期の安全性が高い企業に見られる共通点 今回のデータ集計では、2つの個別企業ランキングの顔ぶれに高い共通性が見られました。自己資本比率トップ10社のうち7社が、当座比率のトップ10にも同時にランクインしています。 自己資本比率が極めて高く財務基盤が強い企業には、当座比率も高い企業が多く見られます。そのため、中長期の安定性と短期の支払い能力は、かなり似た動きを示すことがうかがえます。 企業情報データベースで実現する効率的な企業分析 今回は、自己資本比率、当座比率の業種別、企業別での各々5業種、10社をランキングしましたが、当社が提供する企業情報データベースeolを活用いただくことで、各種指標で業種別・企業別ランキングをはじめ、複数企業の経営指標等を効率的に収集することが可能です。 また、eolでは最大1961年からの有価証券報告書を閲覧いただけるので、企業戦略の分析に不可欠な定性情報の収集も効率的に可能となります。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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NEW 2026.7.31 DL資料発行市場レポート【2026年 暦年半期版】
ファイナンス・データベースINDB Funding Eyeを用いて作成した「発行市場レポート」の2026年暦年半期版を公開しました。 本レポートは、国内発行市場における資金調達動向を集計・分析しているもので、資金調達状況や主幹事リーグテーブル、ESG債、普通社債、サムライ債の発行額、新規公開募集総額、自己株式の推移やランキングなどについてまとめています。 金融機関、機関投資家、事業会社のファイナンス担当者など、発行市場の最新動向を把握したい方に幅広くご活用いただけるレポートです。 以下にそのエッセンスをご紹介します。 資本市場における資金調達状況 資金調達は、前年同期比1兆226億円増(10.8%増)の10兆4,533億円。 デット・エクイティ比率は、デット75.7%、エクイティ24.3%。 主幹事リーグテーブル 資金調達全体では、主に普通社債が67.7%、POが13.1%を占める結果。 主幹事1位の獲得は、野村證券が3部門、SMBC日興証券が2部門。 普通社債のシェアは、上位3社で61.6%、上位5社で95.9%。 ESG債 ESG債の発行額は、前年同期比18.0%減の1兆8,111億円。 債券種類シェアでは、普通社債が1兆167億円(56.1%)で最多。 普通社債 普通社債の発行額は、前年同期比2.7%減の7兆748億円。案件数は1件減の273件。 一般事業債の発行額は、前年同期比1.4%減の5兆5,602億円。 銀行債の発行額は、前年同期比4.9%減の1兆350億円。 電力債の発行額は、前年同期比12.5%減の4,796億円。 業種ランキングでは、金融・保険業が2兆1,027億円(29.7%)で1位。 発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(2件)を発行し1位。 劣後債の発行額は、前年同期比29.1%増の2兆570億円。 劣後債の発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(33.0%)を発行し1位。 個人向け社債の発行額は、前年同期比22.4%減の1兆1,069億円。 個人向け社債の発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(61.3%)を発行し1位。 サムライ債 発行額は、前年同期比2.5倍の8,392億円。案件数は、4件増の26件。 発行体ランキングでは、クレディ・アグリコル・エス・エーが2,215億円を発行し1位。 国籍別発行シェアでは、フランス共和国が3,805億円を発行し1位。 新規公開 新規公開の募集総額は、前年同期比71.6%減の1,573億円。案件数は、11件減の18件。 上場市場ごとの社数では、東証グロースが11社(57.9%)で最多。 業種ランキングでは、運輸情報通信業が67.8%を占め1位。 発行体ランキングでは、GOが972億円で1位。 公募・売出 公募・売出の募集総額は、前年同期比11.8%増の1兆3,720億円。 案件数は、11件増の45件。募集方法別の件数内訳は、売出26件、公募・売出19件。 募集総額は、1億円以上100億円未満が24件となり最多。 業種ランキングでは、製造業が7,675億円で1位。 発行体ランキングでは、任天堂が2,272億円で1位。また、上位10社中6社がグローバル案件。 CB 発行額は、前年同期比32.6倍の1兆100億円。案件数は、6件増の8件。 発行体ランキングでは、日本製鉄が6,000億円で1位。 自己株式 取得枠設定金額は、前年同期比31.8%増の16兆4,445億円。枠設定企業数は、100社減の676社。 取得実施金額は、前年同期比46.7%増の13兆4,638億円。取得実施企業数は、105社減の814社。 取得枠設定金額、取得実施金額、いずれも金庫株解禁(2001年10月1日商法改正)以降、過去最高。 取得枠設定の業種ランキングでも、製造業が10兆4,624億円で1位。 取得実施の業種ランキングでも、製造業が7兆6,264億円で1位。 取得枠設定の発行体ランキングでは、トヨタ自動車が4兆3,413億円で1位。 取得実施の発行体ランキングでも、トヨタ自動車が3兆6,569億円で1位。 処分公表企業数は、前年同期比48社増の940社となり、金庫株解禁(2001年10月1日商法改正)以降、過去最高社数。 消却公表企業数は、前年同期比25社減の309社。
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NEW 2026.7.27 DL資料【2026年7月最新】消費者物価指数 推移 全国コアCPIは前年比+1.6%と5ヶ月連続で2%を下回るも、食料品など身近なものの物価高騰が継続
総務省統計局が7月24日に公表した「消費者物価指数(全国)」について、データからわかる動向・特徴について紹介します。 また当社が提供する経済統計データベースサービス INDB Accelから取得した過去5年(60カ月)分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。 2026年6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)113.1、前年比では+1.6%と3か月ぶりに伸びが拡大 総務省統計局が、2026年6月の消費者物価指数(全国)データを公表しました。 生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は、113.1となりました。 前年比でみると+1.6%となり、2026年2月から5か月連続で1%台の伸び率に留まっています。 1年前(2025年6月)の伸び率が+3.3%だったことを鑑みると、伸びが鈍化しています。 また、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は、112.2(前年比+1.7%)となり、上昇率は8か月連続で鈍化しました。 ただし、コアCPIは3か月ぶりに伸びが拡大、総合指数も113.6(前年比+1.7%)と2か月連続で前年比が伸長するなど、前年比の伸びは落ち着きつつあるものの、依然として物価上昇が継続する結果となりました。 食料品や身近な製品を中心に伸び率は鈍化傾向も物価の高止まりが継続 公表されているデータの中から、身近な食品や身の回りの製品で物価上昇が顕著な品目をピックアップしました。 米類:前年比▲8.7%に転落も、指数値は195.0といまだに高水準 米類は195.0(前年比▲8.7%)となり、指数値は2025年11月の223.4をピークに7カ月連続で下落しています。前年比も2025年5月に記録した+101.7%から減少し、2026年5月からは2か月連続で前年比がマイナスの水準となりました。ただし米価高騰前の基準値(2020年=100)と比較すると指数値は依然約2倍の物価水準にあり、前年比は2か月連続でマイナスに転じたとはいえ、家計への負担感が完全に解消されたわけではありません。今後さらに下落が続くのか注目されます。 コーヒー豆:伸び率は鈍化も、前年比+23.3%と二桁の伸び率継続 コーヒー豆は238.5(前年比+23.3%)となりました。2026年3月の261.8をピークに指数は低下傾向にあり、前年比も2025年9月の+64.1%のピークから大きく鈍化していますが、依然として前年比は20%を超える高い上昇率が継続しています。基準値(2020年=100)と比べると約2.4倍の水準にあり、身近な嗜好品の物価上昇が長期化していることがうかがえます。 ティシュペーパー:前年比+0.8%まで鈍化も高止まりが続く ティシュペーパーは129.5(前年比+0.8%)となりました。2023年2月には前年比+18.8%、3月には+23.9%という大きな伸びを記録し、指数値はわずか2カ月で大きく急騰しました。2023年2月から12カ月連続で、前年比は2桁以上の高い伸びが継続。その後も前年比プラスを維持し続け、2026年5月に指数値は129.9まで上昇しました。2026年に入ってからの伸び率は、3月+3.2%→4月+1.3%→5月+1.7%→6月+0.8%と、上昇率は1%台まで縮小していますが、基準値(2020年=100)と比較すると約1.3倍の水準にあり、急騰後も物価の高止まりが続いています。 洗濯用洗剤:2024年8月の急騰以降、高止まりが継続 洗濯用洗剤は161.5(前年比+14.0%)となりました。2024年8月に前年比+14.0%と急騰して以降、前年比の数値は23カ月連続で2桁の上昇率を維持しています。同じ「家事用消耗品」の伸び(+3.6%)と比べると、洗濯用洗剤の上昇基調が際立ちます。基準値(2020年=100)と比較すると約1.6倍の水準にあり、日用品の中でも上昇後の物価水準が長期化している品目といえます。 川上に位置する「企業物価指数」が上昇傾向であることから、川下の「消費者物価指数」にどのような影響があるのか、今後に注目です。 ▶【2026年6月】国内企業物価指数 時系列データ解説記事 消費者物価指数とは 消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)とは、家計が購入する商品やサービスの価格変動を示し、インフレ率の把握などに用いられる重要な経済指標です。総務省統計局が東京都区部と全国に分けて毎月公表し、約700品目について基準年(現在は2020年)を100として指数化しています。生鮮食品を除いた総合「コアCPI」や生鮮食品及びエネルギーを除いた総合「コアコアCPI」は、とくに注目されている指標です。 当社では、このデータを1970年よりデータベース化し、時系列データとして簡単にご利用いただけるよう提供しております。 (今回紹介したデータは下記よりダウンロードいただけます。) 経済統計データベース「INDB Accel」で実現する効率的なデータ分析 本記事の分析に使用したデータは、当社が提供する経済統計データベースINDB Accelを活用して作成しました。 INDB Accelでは、各種公的統計や経済データを長期時系列で横断的に取得でき、効率的なデータ収集と分析を実現します。 INDB Accelの詳細な機能や具体的な導入事例、無料トライアルのお申し込みや詳しい資料請求については、お問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。
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NEW 2026.7.17日本経済の勝機と負機
日本経済は、長期停滞の時代を経て再び転換点を迎えています。本コラムでは、株式会社SBI証券 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 佐治信行氏が、多角的な視点から「グローバル化による負機」と「脱グローバル化による勝機」を読み解きます。あわせて、賃金上昇率、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率の4要素で構成する独自指標「勝機指数」を用い、日本経済の活力と成長機会を検証。1989年、2009年、2024年という節目を振り返りながら、株価と実体経済の関係、そして今後注目したい産業について考えていきます。 はじめに ― 勝機指数で見る日本経済 勝機指数とは?日本経済の成長力を測る新指標 今回は、日本経済の長期停滞と近年の復活を、「グローバル化による負機」と「脱グローバル化による勝機」という視点から考察する。その際、日本経済の活力と成長機会を測るため、筆者が今回新たに作成した「勝機指数」を用いる。勝機指数は、①所定内賃金上昇率、②設備投資の名目GDP比率、③対内直接投資の名目GDP比率、④名目GDP成長率――の4要素を合計したものである。 勝機指数とTOPIXの関係|日本経済の転換点を読み解く さらに、勝機指数は企業収益や株価だけではなく、日本経済の「国内循環の強さ」と「世界から選ばれる力」を総合的に捉えることを目的としている。図表1を見ると、勝機指数とTOPIXの長期的な動きには一定の連動性がみられる。1980年代後半の高成長期には高水準だった勝機指数は、その後の長期停滞局面で低下した。しかし2020年代に入り再び改善傾向を示しており、日本経済が新たな局面を迎えつつある可能性を示唆している。 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査(確報)」、内閣府「四半期別GDP速報(QE)、財務量「国際収支統計」、 東京証券取引所より株式会社SBI証券作成 ※データはINDB Accelより取得 1989年 ― 日本経済の頂点とグローバル化の始まり 1989年の日経平均株価38,915円が示した日本経済のピーク 1989年は日本経済の絶頂期であると同時に、その後の長期停滞の出発点でもあった。同年12月、日経平均株価は38,915円を記録し史上最高値を更新した。当時の日本企業は自動車、半導体、家電、工作機械など多くの分野で世界をリードし、国内投資と賃金上昇を伴う成長モデルが機能していた。 グローバル化の始まりと国内循環の弱体化 企業、家計、金融機関が一体となった国内循環は、日本経済の大きな強みだった。しかし同年11月のベルリンの壁崩壊を契機に、世界はグローバル化の時代へ入る。中国の改革開放や2001年のWTO加盟によって世界の供給能力は急拡大し、日本企業も海外生産を加速させた。 日本経済の勝機から負機へ グローバル化は世界全体には恩恵をもたらした。安価な製品供給によって新興国は成長し、世界経済は拡大した。しかし日本では企業利益と国内景気が次第に乖離していく。企業は海外で利益を上げる一方、国内では設備投資や賃金上昇が鈍化し、日本経済を支えていた循環構造が徐々に弱まっていった。振り返れば、1989年は日本経済の勝機の頂点であると同時に、その後の負機の始まりでもあったのである。 2009年 ― グローバル化がもたらした「負機」 2009年のリーマンショックとグローバル化がもたらした日本経済の停滞 グローバル化の負の側面が最も鮮明に表れたのが2009年である。2001年の中国WTO加盟以降、世界規模の分業体制は急速に進展した。企業はより低コストの地域へ生産拠点を移し、サプライチェーンは国境を越えて最適化された。日本企業もその流れに積極的に参加し、海外での収益機会を拡大していった。 しかしその一方で、日本国内では設備投資、賃金上昇、物価上昇が停滞し、長期デフレが定着した。世界経済が成長するなか、日本だけが名目成長を失ったのである。その構造的な問題を一気に表面化させたのがリーマンショックだった。 シャープ・ソニー・パナソニックの苦境に見る製造業の限界 2009年3月、日経平均株価は7,054円まで下落した。さらにシャープ、ソニー、パナソニックといった日本を代表する電機メーカーが相次いで巨額赤字を計上した。かつて世界市場を席巻した企業群の苦境は、日本型製造業モデルの限界を象徴する出来事だった。企業は利益を維持しても、その果実が国内へ十分還元されない。賃金、設備投資、名目GDP成長率が低迷した結果、勝機指数は大きく低下した。2009年は株価、企業業績、そして国民の経済的な実感のすべてにおいて、日本経済の「負機」が象徴的に現れた年だったと言えるだろう。 2024年 ― 日本再評価の始まり 経済安全保障で日本が再評価される理由 転機となったのは2018年以降である。米中対立、コロナ禍によるサプライチェーン寸断、地政学リスクの高まりを受け、世界は効率性を最優先する時代から、供給安定性や経済安全保障を重視する時代へと移行した。こうした環境変化のなかで再評価されたのが日本である。 TSMC熊本工場やラピダスが示す半導体投資の増加 2021年以降、TSMC熊本工場、マイクロン広島投資、ラピダス北海道工場など、半導体分野を中心に大型投資が相次いだ。日本は最終製品競争では苦戦したものの、半導体材料や製造装置、精密部品などの分野では高い競争力を維持してきた。その価値が経済安全保障の時代になり改めて認識されている。 日経平均最高値更新と対内直接投資増加|日本再評価の背景 象徴的だったのが2024年2月である。TSMC熊本工場が稼働を開始し、同月の日経平均株価は34年ぶりに史上最高値を更新した。また、日本への対内直接投資も大きく拡大している。近年は半導体だけでなく、金融、通信、データセンター、クラウドサービスなど幅広い分野で海外企業による投資が増加している。海外企業は日本を単なる販売市場ではなく、生産拠点や投資先として見直し始めているのである。勝機指数を構成する賃金、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率も改善方向にあり、日本経済には久しぶりに前向きな循環が生まれつつある。 これからの勝機 ― 注目したい産業 今後の日本経済を支える注目産業一覧 今後の日本経済を支える分野として、半導体、データセンター・通信インフラ、自動化・省人化、防衛・宇宙、電力・エネルギーインフラに注目したい。なかでも自動化・省人化分野は、日本の人口減少という課題を競争力へ転換する可能性を持つ。日本企業は産業用ロボットやFA機器、精密制御技術などで世界的な優位性を有しており、AI普及による生産性向上需要の恩恵も期待できる。 半導体・データセンター需要で広がるエネルギー投資機会 また、半導体工場やデータセンターの建設拡大は電力需要を押し上げるため、送配電設備やエネルギーインフラへの投資機会も広がるだろう。1989年がグローバル化による「負機」の始まりだったとすれば、2024年は新たな「勝機」の始まりかもしれない。筆者が今回新たに作成した勝機指数が示すように、賃金、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率の改善が持続するなら、日本経済は「失われた30年」を経て新たな成長局面へ入る可能性がある。日本はいま、大きな転換点に立っている。そして、その変化を最も端的に映し出しているのが「勝機指数」なのである。 佐治 信行(さじ のぶゆき) Nobuyuki Saji SBI証券 経済企業調査部管掌執行役員 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 専門分野は国内外マクロ経済(実物経済、金利・為替)。日経ヴェリタスアナリストランキング エコノミスト部門ではのべ16年にわたり第1位を獲得。 Institutional Investor 誌では17年連続。 1982年関西学院大学法学部政治学科卒業。同年、日興證券(株) (現、SMBC日興証券)入社。(株)日興リサーチセンターへ出向、証券調査部、事業調査部、経済調査部、投資戦略部。その後、1999年興銀証券(株)(現みずほ証券)、 2006年に三菱UFJ証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、2018年5月ニッセイアセットマネジメント、2024年9月株式会社SBI証券に入社。 Nobuyuki Saji, Chief Strategist and Economist Mr. Saji specializes in domestic and international macroeconomics (the real economy, interest rates, and foreign exchange rates). He has ranked No. 1 in the Economist category in the Nikkei Veritas analyst ranking for 16 years in total and has also been ranked in the Institutional Investor survey for 17 years in a row. Mr. Saji graduated from the Department of Political Science, School of Law and Politics, Kwansei Gakuin University in 1982, and joined Nikko Securities (currently SMBC Nikko Securities) in the same year. He was transferred to Nikko Research Center, where he worked in the Securities Research Department, Business Research Department, Economic Research Department, and Investment Strategy Department. Mr. Saji then joined IBJ Securities (currently Mizuho Securities) in 1999, Mitsubishi UFJ Securities (currently MUMSS) in 2006, and Nissay Asset Management in May 2018. He joined SBI SECURITIES in September 2024. ※このコラムに関連した経済データは、「経済統計データベース」INDB Accelで最新値の確認・時系列分析が可能です。 ▶ 無料トライアル(2週間)のお申し込み
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NEW 2026.7.17 DL資料発行市場レポート【月次版 2026年7月】
ファイナンス・データベースINDB Funding Eyeを用いて作成した「発行市場レポート」の最新号を公開しました。 本レポートは、国内発行市場における資金調達動向を毎月集計・分析しているもので、資金調達状況や主幹事ランキング、第三者割当の動向、自己株式の推移やランキングなどについてまとめています。 金融機関、機関投資家、事業会社のファイナンス担当者など、発行市場の最新動向を把握したい方に幅広くご活用いただけるレポートです。 以下にそのエッセンスをご紹介します。 資金調達状況...全体 資金調達は、前年同期比4,008億円減(21.9%減)、前月比7,872億円減(35.5%減)の1兆4,293億円。 デット・エクイティ比率は、デット86%、エクイティ14%。 新発10年国債利回りは、前月末より0.02%上昇し、2.67%。 資金調達状況...普通社債 普通社債の発行額は、前年同期比4,225億円減(27.0%減)、前月比4,342億円減(27.6%減)の1兆1,409億円。 6月の発行体ランキング1位のソフトバンクグループは、劣後特約付社債の発行。 資金調達状況...サムライ債 サムライ債の発行額は、前年同期比69億円減(6.8%減)、前月比1,705億円減(35.8%)の950億円。 資金調達状況...エクイティ エクイティの発行額は、前年同期比120億円減(11.4%減)、前月比2,828億円減(75.2%減)の931億円。 6月の発行体ランキング1位のリガク・ホールディングスは、グローバル市場での売出実施。 資金調達状況...新規公開 IPOの発行額は、前年同期比407億円増(68.2%増)。 6月の発行体ランキング1位のGOは、グローバル市場での売出によるIPO実施。 第三者割当 募集総額は、前年同期比7,128億円減(89.2%減)、前月比228億円増(35.8%増)の867億円。 銘柄数は、新株予約権26件、普通株式25件、CB3件、種類株式3件、投資口1件の計58件。 自己株式...枠設定・取得実施 自己株式取得枠設定額は、前年同期比1,312億円減(40.5%減)、前月比5兆1,009億円減(96.4%減)の1,926億円。 自己株式取得実施総額は、前年同期比2,887億円減(19.3%減)、前月比6,028億円減(33.3%減)の1兆2,080億円。 自己株式取得枠設定額発行体ランキングでは、GMOインターネットグループ、T&Dホールディングス、ZOZOが300億円で同率1位。 自己株式取得実施総額発行体ランキングでは、三菱UFJフィナンシャル・グループが1,000億円の取得実施を公表し、1位。 自己株式...処分・消却 自己株式処分公表企業数は、前年同期比4社増(1.0倍)、前月比385社増(4.0倍)の513社。 自己株式消却公表企業数は、前年同期比2社減(9.1%減)、前月比64社減(76.2%減)の20社。
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2026.7.10 DL資料【2026年7月】ナフサリスク記載が48.1%増加!売上原価率ランキング|今後の時系列分析への活用に
当社では、2026年6月にマクロ経済の視点からナフサを含めた国内企業物価指数の経済統計記事を公開し、市場全体における原材料価格の高騰トレンドを分析しました。今回は、そのマクロな市場動向が個別企業の経営やディスクロージャーにどのような変化をもたらしているかという「別の切り口(ミクロ視点)」から、新たな調査を実施しました。 具体的には、当社が保有する企業情報データベースeolのキーワード検索機能を活用し、2026年3月期に提出された上場企業の有価証券報告書を対象に、「事業等のリスク」項目にて原材料であるナフサの価格変動に言及している企業を抽出し一覧化いたしました。 有価証券報告書の「事業等のリスク」における「ナフサ」の記載は、原材料価格の動向が事業継続性に与える影響を企業がどれだけ重く受け止めているか、その危機意識や感応度の高さを示すものです。本レポートでは、世界的なエネルギー価格の不安定化という外部リスクに直面する中で、警戒を強めている業界・企業があるのかを検証します。 さらに、ナフサ価格変動の影響を測る「基準値(ベースライン)」として、2026年3月期時点の売上原価率を確認します。本格的な価格変動が反映される前の数値を現時点で把握しておくことで、今後の時系列分析における活用の幅を考察いたします。 有価証券報告書(2026年3月期)のリスク情報に「ナフサ」を記載する企業が48.1%増加、製造業を中心に広がる価格変動への警戒感 化学製品の基礎原料であるナフサの価格変動は、製造業の収益性に直接影響を与えます。 2026年3月期の有価証券報告書を分析したところ、リスク情報に「ナフサ」を記載する企業は前年の54社から80社へと48.1%増加しました。前年から継続記載している10業種を中心に、開示企業数がさらに増加し20業種と倍増しています。 特にエネルギー価格の影響を受けやすい業種では、調達コストの安定化が喫緊の課題となっていると考えられます。各社の開示からは、製品価格への転嫁遅れに対する懸念や安定調達への戦略的な動きが読み取れます。このように記載企業数が大幅に増加した背景には、原材料価格の変動に対する感応度や価格転嫁の体制を、投資家へより透明性を持って伝えようとする各社の姿勢が反映されていると推察されます。 【業種別データ】有価証券報告書における「ナフサ」言及状況の業種一覧 2026年3月期決算の有価証券報告書でリスク情報に「ナフサ」記載がある上場企業を業種別に抽出し、前年度(2025年度)からの推移をまとめた全リストは以下の通りです。 業種名 25年記載社数 26年記載社数 化学 40社 46社 卸売業 1社 5社 石油・石炭製品 4社 4社 精密機器 2社 3社 機械 1社 3社 非鉄金属 1社 2社 サービス業 0社 2社 その他製品 1社 1社 パルプ・紙 1社 1社 繊維製品 1社 1社 陸運業 1社 1社 ガラス・土石製品 0社 1社 医薬品 0社 1社 小売業 0社 1社 情報・通信業 0社 1社 食料品 0社 1社 鉄鋼 0社 1社 電気機器 0社 1社 不動産業 0社 1社 輸送用機器 0社 1社 その他(非公開企業) 1社 2社 総計 54社 80社 これらの業種は、一見するとナフサの直接的な消費や調達との関連性が相対的に低いように見える業界も含んでいます。しかし、2026年3月期において新たに開示がなされた背景には、マクロ経済における石油化学製品や燃料価格の高騰が、サプライチェーンやパッケージ原材料、物流コスト、あるいは電気料金といった「間接的なコスト上昇」を通じて、自社の事業収益に影響を及ぼし始めている現状が垣間見えます。 従来は経営リスクとして明記していなかった業種に属する企業であっても、外部環境の急速な変化を重く受け止め、株主や投資家への透明性を高める目的から開示を拡充する動きが進んでいると考えられます。これらの業種に属する企業では、今後はマージン確保のための柔軟な価格転嫁や、コストコントロールといったリスクヘッジ策がより重要視されると考えられます。 2026年3月期データに基づくトップ業種の原価構造検証と、今後の時系列分析への活用 上記の一覧のようにリスク開示を行う裾野が広がる一方で、依然として言及企業数が圧倒的多数(46社)を占める「化学」業種内において、特に連結売上原価率が高い上位10社を抽出し、その構造を検証しました。売上原価率は製造業における原材料比率を示す重要な指標であり、ナフサ価格変動の影響度を測る指標として活用できます。 売上原価率が高い上位10社(化学・2026年3月期連結決算企業) 順位 社名 連結売上原価率 1 共和レザー㈱ 83.51 2 新日本理化㈱ 83.41 3 東京インキ㈱ 83.35 4 田岡化学工業㈱ 82.61 5 森六㈱ 81.93 6 ㈱日本触媒 80.73 7 リケンテクノス㈱ 80.50 8 UBE㈱ 77.62 9 ウェーブロックホールディングス㈱ 77.12 10 三井化学㈱ 76.81 ※上記ランキングは、事業リスクに「ナフサ」と記載されている化学業種46社のうち、2026年7月6日時点でeolデータベースに収録されている連結売上原価率より作成しております。 なお、今回用いた売上原価率は、2026年3月期有価証券報告書に基づいたデータです。現時点では、最新のナフサ価格変動の影響が損益計算書上の原価に本格的に反映される前段階である可能性も考えられます。そのため、今回のデータは現時点の収益構造を確認するだけでなく、今後提出される四半期決算短信や次期の有価証券報告書など、継続的な時系列分析における「ベースライン(基準値)」として活用いただくことが有益であると考えられます。 2026年3月期の決算データを通じて各社のスタートラインの原価構造を把握し、今後の時系列変化を追跡することで、企業の「価格交渉力」や「外部環境への適応力」をより精緻に評価できる可能性があると考えられます。 データについて ※本記事は、2026年7月6日時点の企業情報データベース「eol」より抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.7.7 DL資料大手3行案件から読み解く、社債シ団構成の力学【2026年7月集計版】
国内公募社債(SB)市場において、どの証券会社がどれほどの引受シェアを持っているかは、金融機関の資本市場部門や事業会社の財務・資金調達担当者にとって常に関心の高いテーマです。 本レポートでは、弊社データベース(ファイナンスDB)に収録された最新の発行情報をもとに、代表社債管理会社またはFiscal Agentを務めた大手3行:みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行のディールにおける引受シェアを可視化・分析しました。データから見えてくる「系列内親和性」と「独立系のプレゼンス」について解説します。 また、当社が提供するファイナンスデータベースサービス INDB Funding Eyeから取得した2025年度条件決定した国内公募SB及び財投機関債の代表社債管理会社またはFiscal Agentのリーグ・テーブルも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。
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2026.7.7 DL資料経済指標グラフ(2026年7月)
当社の経済統計データベースサービスINDB Accelを活用し、経済主要指標の時系列データとグラフを毎月更新・提供しております。直近5年分のデータで、景気や物価・貿易などの動向をひとまとめにご確認いただけます。 【ご提供データ例】 出典 統計名 月次 財務省 貿易統計 内閣府 機械受注統計調査報告 景気動向指数 総務省 労働力調査 消費者物価指数 日本銀行 マネーストック 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 四半期 内閣府 国民経済計算 日本銀行 全国企業短期経済観測調査 財務省 法人企業統計(季報)
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2026.6.26 DL資料証券業発行国内公募SBの近況【2026年6月集計版】
2026年3月決算において、上場証券業10社が純利益を前年比で倍増させるなど、証券業界は好調な業績が続いています。一方、資金調達の面では、これら10社のうち国内公募SBを活用した企業は6社となりました。本稿では、証券業発行国内公募SBの発行額・残存額を劣後債、個人投資家向け債、ESG債の観点から分析します。 また、当社が提供するファイナンスデータベースサービス INDB Funding Eyeから取得した直近3年度分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。 劣後債:残存額は2030年度以降90.00%超え 発行額、直近10年度の推移は、2019年度に52.08%(1,500億円)、コロナ禍はなかったものの、2025年度には40.08%(3,700億円)となっています。これは、自己資本比率などの財務健全性指標の改善につながることを示唆している場合もあります。 一方、残存額は、2027年度に44.73%(7.950億円)ですが、2034年度には劣後債のみとなっています。 個人投資家向け債:発行額は、2025年度には最多の52.34%、残存額は2027年度に39.32%を占めていますが以降徐々に減少 発行額、直近10年度の推移は、上昇下降を繰り返すも2022年度に29.93%(1,070億円)と上がり2025年度に最多割合52.34%(4,832億円)、となりました。今後の発行動向に注目です。 一方、残存額は、2027年度に39.32%(6,990億円)でしたが、その後減少を続け2036年度には個人投資家向け債がなくなります。 ESG債:グリーンボンドのみ、発行は2018年度および2023年度、残存額は2027年度以降一定額 発行額、直近10年度の推移は、2018年度および2023年度に100億円のみとなりました。 一方、残存額は、2027年度から2035年度まで500億円、2036年度にはESG債がなくなります。これは、ESG債が調達した資金の使い道が環境・社会・サステナビリティ関連のプロジェクトに限られ、資金繰りの柔軟性を下げることに起因している可能性があります。 当社では、国内公募SB情報は1978年以降発行分をデータベース化し、個別ディールも時系列データも簡単にご利用いただけるよう提供しております。 (今回紹介したデータの一部は下記よりダウンロードいただけます。) INDB Funding Eyeにご興味をお持ちの方へ INDB Funding Eyeの詳細な機能や具体的な導入事例、無料モニターのお申し込みや詳しい資料請求については、お問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。 データ分析業務の効率化と高度化を、『INDB Funding Eye』が強力にサポートいたします。