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NEW 2026.9.28 DL資料企業ランキング【2026年9月】人的資本指標調査|企業価値向上に寄与する人的資本経営の最前線
昨今、少子高齢化に伴う構造的な人材不足が深刻化する中、企業にとって多様な人材の確保と定着は最重要の経営課題となっています。特に、女性活躍推進やワークライフバランスの充実は、労働力確保だけでなく、多様な視点によるイノベーション創出や企業価値向上(人的資本経営)の観点から強い関心を集めています。 近年では有価証券報告書において人的資本関連情報の記載が求められるようになったことから、企業の持続的な成長性を図る指標として、投資家や求職者、研究者といった多様なステークホルダーからの注目もますます高まっています。 今回は、当社が2026年8月に更新した「人的資本パッケージ(※)」をもとに、女性活躍推進法に基づき特に優れた取り組みを行う企業として国から認定された「プラチナえるぼし」取得上場企業を抽出し、注目度が高い項目について調査を行いました。 ※人的資本パッケージは、当社eolデータベースの財務および定性情報データと、厚生労働省公表の「しょくばらぼ」データを掛け合わせた独自のパッケージです。 プラチナえるぼしとは|通常の「えるぼし」との違いと取得企業の増加傾向 「プラチナえるぼし」とは、女性活躍推進法に基づく認定制度である「えるぼし認定」を取得した企業のうち、より高い水準の要件を満たした優良企業に対して厚生労働大臣が認定を行う制度です。 「えるぼし認定」は、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優良な企業を認定する制度です。「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの評価項目のうち、基準を満たした項目数に応じて1段階目から3段階目までが付与されます。 一方、「プラチナえるぼし」として認定されるためには、通常のえるぼし認定を受けたうえで、策定した一般事業主行動計画の目標を達成すること、そして5つの評価項目すべてにおいて「通常のえるぼしよりも厳しい基準」を満たすことが求められます。 当社のデータ(上場企業対象)をもとに取得状況を業種別に見ると、通常の「えるぼし認定」と「プラチナえるぼし認定」で以下のような分布となっています。 「えるぼし認定」・「プラチナえるぼし認定」取得企業 業種別分布 業種(東証33分類) えるぼし認定取得企業数(社) プラチナえるぼし認定取得企業数(社) サービス業 87 4 情報・通信業 81 1 電気機器 48 1 小売業 35 2 銀行業 33 7 化学 22 1 輸送用機器 19 1 その他金融業 7 1 ※上記分布表は「プラチナえるぼし」認定企業が存在する業種のみ表示しています。 ※「えるぼし」認定企業全体の分布表をご確認いただきたい方は、ページ下部のダウンロードリンクよりデータをご確認ください。 通常の「えるぼし認定」が全業種で約600社に広がり、特にサービス業や情報・通信業を中心として多くの企業が取得しているのに対し、「プラチナえるぼし」を取得している上場企業はわずか18社にとどまっており、極めて高いハードルが設定されていることが分かります。当社のデータによると、上場企業におけるプラチナえるぼし認定企業数は、2025年時点の13社から、2026年時点では18社へと順調に増加しています。有価証券報告書での情報開示義務化などを背景に、投資家や求職者等が人的資本情報を重視する傾向が強まる中、企業側も女性活躍推進に関する具体的な数値目標を掲げ、労働環境の整備や意識改革を加速させていることが推察されます。 また、プラチナえるぼし取得企業では、通常のえるぼし認定で6位だった「銀行業」が首位となっており、特定の業界における積極的な取得が目立ちます。 プラチナえるぼし認定18社の主要な人的資本指標|「女性管理職比率」「育休取得率」などで全体平均を大きく上回る実績 女性活躍推進法に基づき、特に優良な取り組みを実施している企業が認定される「プラチナえるぼし」を取得した上場企業18社を対象に、人的資本経営の3つの主要指標(女性管理職比率、男性育休取得率、男女の賃金の差異)を抽出し、一覧表としてまとめました。 サービス業や金融業をはじめとした多様な業種において、各社がどのような水準で女性活躍やワークライフバランスの推進を実現しているのか、具体的な実績データをご確認いただけます。 プラチナえるぼし認定企業 人的指標一覧 証券コード 企業名 東証33業種分類 管理職に占める女性従業員の割合(%) 男性の育児休暇取得率(%) 男女の賃金格差率(%) 2175 エス・エム・エス サービス業 43.2 - - 2395 新日本科学 サービス業 24.7 100 69.5 3064 MonotaRO 小売業 20.9 83 58 3696 セレス 情報・通信業 19 100 66.6 4343 イオンファンタジー サービス業 52.2 100 75.8 4926 シーボン 化学 85.9 50 71.2 6758 ソニーグループ 電気機器 20.5 84 82.8 7294 ヨロズ 輸送用機器 14.7 100 78.4 7381 CCIグループ 銀行業 22.1 - 56.3 8252 丸井グループ 小売業 23.3 104.2 80.7 8331 千葉銀行 銀行業 19 97.6 53.6 8334 群馬銀行 銀行業 23.4 100 52.6 8381 山陰合同銀行 銀行業 25.5 103.2 54.1 8399 琉球銀行 銀行業 32.5 109.7 65.8 8416 高知銀行 銀行業 29.6 100 70.4 8424 芙蓉総合リース その他金融業 23.1 104.1 61.7 8524 北洋銀行 銀行業 25.6 100 52.4 9560 プログリット サービス業 38.5 100 - ※前年度に出産した配偶者を持つ男性従業員が当年度に育休を取得したケース等が含まれるため、取得率が100%を超える場合があります。 ※人的資本パッケージで取得できていない数値は「-」で表示しています。 プラチナえるぼし認定企業18社を比較してみると、7社を銀行業が占めており、極めて高い男性育休取得率と安定した女性管理職比率を両立している点が特徴的です。 また、銀行業以外でも、管理職登用と「男女の賃金差異」の縮小の両面で実績を挙げている企業が存在しています。 上場企業全体および「えるぼし」認定企業平均との差 前述のプラチナえるぼし認定18社における各指標の平均値と、データが取得可能な「全上場企業の平均」、および「通常のえるぼし認定企業の平均」を比較しました。プラチナ認定企業が、他の上場企業と比較してどのような水準にあるのかが確認できます。 管理職に占める女性従業員の割合(%) 男性の育児休暇取得率(%) 男女の賃金格差率(%) プラチナえるぼし平均 30.21 95.99 65.62 えるぼし平均 14.72 87.95 69.03 上場平均 12.72 77.13 69.06 上記のデータより、認定における評価指標の一つである女性管理職比率を見ると、全上場企業平均が12.72%であるのに対し、プラチナえるぼし認定企業平均は30.21%に達しており、全体を大幅に上回る実績を記録しています。 また、男性育休取得率でも、全上場企業平均(77.13%)や通常のえるぼし認定企業平均(87.95%)を超え、95.99%という極めて高い水準に位置しています。 一方で、男女の賃金の差異に関しては、プラチナえるぼし認定企業の平均値が65.62%となり、全体平均(69.06%)をやや下回る結果となっています。 企業情報データベースで実現する効率的な企業分析 今回は、当社が提供する「人的資本パッケージ」からプラチナえるぼし認定企業を抽出して調査を行いましたが、データソースである企業情報データベース「eol」をご活用いただくことで、業種別・企業別ランキングをはじめ、複数企業の経営指標等を効率的に収集することが可能です。 また、1961年以降の有価証券報告書を閲覧いただけるため、企業戦略の分析に不可欠な定性情報の収集も効率的に行えます。 「自社の業界での立ち位置を確認したい」「競合他社の人的資本データを比較したい」といった企業のご担当者様をはじめ、「学術研究や論文作成のために網羅的なデータを分析したい」という研究者・教育機関関係者の皆様まで、本記事以外のデータが必要な場合やご興味をお持ちでしたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.8.3 DL資料企業ランキング【2026年8月】自己資本比率・当座比率ランキング|激変する社会情勢を生き抜く「財務健全性」
昨今の地政学リスクの高まりや物価・為替の大幅な変動など、先行きが不透明で不安定な社会情勢が続く中、企業の「不測の事態に耐えうる力」に改めて注目が集まっています。激変する環境下で事業を継続し、安定した経営を維持するためには、強固な財務基盤の構築が必要です。 本稿では、中長期的な財務健全性を示す「自己資本比率」と、短期的な手元の支払能力(資金繰りの安全性)を示す「当座比率」の2つの指標に着目し、東証プライム上場企業の2026年3月期データを抽出しました。各指標においてどのような業種・企業がランキングされているかを整理し、「不安定な社会情勢下でも、中長期または短期の揺るぎない財務力を誇る業種・企業」について数値データを確認します。 当社が保有する企業情報データベースeolのスクリーニング検索機能を活用し、東証プライム市場に上場している連結企業の2026年3月期の有価証券報告書より、自己資本比率、当座比率をランキング化しました。 各指標の詳細とポイント 自己資本比率(長期的な財務基盤の健全性) 返済義務のない「自己資本(純資産)」が、会社全体の資産(総資産)に対してどれだけあるかを示します。 特徴: 財務健全性の最も代表的な指標です。これが高いほど、不況などで一時的に赤字が出ても耐えられるだけの「クッション」、会社の安全性があることになります。 水準: 業種によって差があり一概には言えませんが、一般的に、40%以上で財務が安定していると見なされ、10%未満は資金ショートの注意が必要である危険水域とされます。 当座比率(流動比率より厳しい短期的な支払能力の評価) 流動資産から「棚卸資産(売れ残る可能性のある在庫)」を除き、すぐに現金化できる「当座資産(現金、預金、売掛金など)」のみを対象に、流動負債に対する支払能力を測ります。 特徴: 不良化の有無に関わらず売れなければ現金にならない在庫を除くため、流動比率より厳しい指標です。 水準: 100%以上あれば、当面の支払いに困る可能性は極めて低いと判断できます。 【自己資本比率編】中長期の「倒産リスク」を抑えた業種・企業を見る 【業種別平均】自己資本比率トップ5|財務のクッションが最も厚いセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均自己資本比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の平均自己資本比率は51.05%です。 順位 業種 平均自己資本比率 1 ゴム製品 71.26% 2 その他製品 65.25% 3 精密機器 64.78% 4 機械 63.77% 5 鉄鋼 63.70% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均自己資本比率は51.05%で、平均でも安定水準の40%を上回る 〇業種別平均では「ゴム製品」が71.26%と最も高い比率 〇上位5業種(ゴム製品、その他製品、精密機器、機械、鉄鋼)はいずれも平均値が60%以上と高率 【個別企業トップ10】ほぼ無借金経営、90%超を誇る極めて強固な10社 東証プライム上場企業における、自己資本比率の上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結自己資本比率(%) 1位 株式会社キーエンス 電気機器 94.57% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 93.47% 3位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 93.21% 4位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 92.48% 5位 SMC株式会社 機械 91.49% 6位 eBASE株式会社 情報・通信業 90.97% 7位 株式会社マースグループホールディングス 機械 90.95% 8位 株式会社MARUWA ガラス・土石製品 90.51% 9位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 90.46% 10位 ファナック株式会社 電気機器 89.19% データから確認できたこと 〇自己資本比率が最も高い企業は、株式会社キーエンスで94.57% 〇ランキング上位9社(1位のキーエンスから9位のダブルスタンダードまで)が自己資本比率90%以上 【当座比率編】予期せぬ支払いにも即応できる「手元の支払能力」を見る 【業種別平均】当座比率トップ5|短期の資金繰りに最もゆとりがあるセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均当座比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の総計(平均当座比率)は163.79%です。 順位 業種 平均当座比率 1位 鉄鋼 332.20% 2位 不動産業 288.07% 3位 情報・通信業 248.54% 4位 精密機器 217.57% 5位 ゴム製品 215.71% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均当座比率(総計)は163.79%で、当面資金繰りに困る事がない100%を大きく上回る 〇業種別平均では「鉄鋼」が332.20%と最も高い 〇「鉄鋼」「精密機器」「ゴム製品」の3業種は、自己資本比率ランキングでも上位5位以内に位置 【個別企業トップ10】トップ10は超高率の即時支払能力の持ち主たちで、上位5社は1000%超 東証プライム上場企業における、連結当座比率の高い上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結当座比率(%) 1位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 5,862.88% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 2,253.04% 3位 大和工業株式会社 鉄鋼 1,081.59% 4位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 1,047.20% 5位 株式会社マースグループホールディングス 機械 1,011.51% 6位 株式会社キーエンス 電気機器 997.42% 7位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 940.68% 8位 eBASE株式会社 情報・通信業 852.86% 9位 双葉電子工業株式会社 電気機器 759.25% 10位 アリアケジャパン株式会社 食料品 699.39% データから確認できたこと 〇上位5社が当座比率1,000%以上 〇自己資本比率ランキングの上位10社のうち、7社が当座比率ランキングのトップ10と共通 ランキングから見えた「共通する財務傾向」 今回は、東証プライム上場企業の2026年3月期有価証券報告書データに基づき、「自己資本比率」および「当座比率」の2つのランキングを確認しました。 両ランキングには、「共通する財務傾向」が見られました。 短期と中長期の安全性が高い企業に見られる共通点 今回のデータ集計では、2つの個別企業ランキングの顔ぶれに高い共通性が見られました。自己資本比率トップ10社のうち7社が、当座比率のトップ10にも同時にランクインしています。 自己資本比率が極めて高く財務基盤が強い企業には、当座比率も高い企業が多く見られます。そのため、中長期の安定性と短期の支払い能力は、かなり似た動きを示すことがうかがえます。 企業情報データベースで実現する効率的な企業分析 今回は、自己資本比率、当座比率の業種別、企業別での各々5業種、10社をランキングしましたが、当社が提供する企業情報データベースeolを活用いただくことで、各種指標で業種別・企業別ランキングをはじめ、複数企業の経営指標等を効率的に収集することが可能です。 また、eolでは最大1961年からの有価証券報告書を閲覧いただけるので、企業戦略の分析に不可欠な定性情報の収集も効率的に可能となります。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.5.26 DL資料企業ランキング【2026年5月】売上高ランキング・当期純利益ランキング比較|営業CFで見る成長企業の特徴
当社が保有する企業情報データベースeolより、2026年3月期決算の上場企業を対象に、決算短信に記載された連結実績における売上高、親会社株主に帰属する当期純利益、営業キャッシュ・フローを抽出し、ランキング表としてまとめたものです。 売上高は企業の事業規模を示す代表的な指標です。一方、当期純利益は、売上から各種費用、税金、営業外損益、特別損益などを反映した最終的な利益を示します。さらに、営業キャッシュ・フロー(以下、営業CF)を確認することで、利益が営業活動による現金創出を伴っているかを補足的に見ることができます。 本記事では、売上高が大きい企業群と、当期純利益が大きい企業群を比較し、どちらに成長企業としての特徴がより表れているかを、売上高成長率、当期純利益成長率、営業CFの観点から考察します。 なお、本記事では、以下の3点を満たす企業を「成長企業としての特徴が相対的に強い企業」として整理します。 1.売上高成長率がプラス 2.当期純利益成長率がプラス 3.営業CFがプラス 売上高トップはトヨタ自動車50兆6,850億円、営業CFは9社がプラス 売上高ランキングでは、トヨタ自動車㈱が50兆6,850億円で首位となりました。2位は本田技研工業㈱の21兆7,966億円、3位は三菱商事㈱の18兆9,160億円です。 売上高トップ10には、輸送用機器が3社、卸売業が3社含まれており、グローバルな販売網や大規模な取引基盤を持つ企業が上位に並ぶ結果となりました。 順位 企業名 業種 売上高 親会社株主に帰属する当期純利益 営業CF 売上高成長率 当期純利益成長率 1 トヨタ自動車㈱ 輸送用機器 50兆6,850億円 3兆8,481億円 5兆4,729億円 5.51% ▲19.25% 2 本田技研工業㈱ 輸送用機器 21兆7,966億円 ▲4,239億円 1兆1,353億円 0.49% -- 3 三菱商事㈱ 卸売業 18兆9,160億円 8,005億円 1兆4,900億円 1.60% ▲15.81% 4 伊藤忠商事㈱ 卸売業 14兆8,231億円 9,003億円 1兆1,318億円 0.67% 2.27% 5 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 14兆6,208億円 2兆4,272億円 ▲23兆644億円 7.27% 30.29% 6 NTT㈱ 情報・通信業 14兆4,091億円 1兆370億円 1兆4,852億円 5.14% 3.70% 7 三井物産㈱ 卸売業 13兆9,952億円 8,340億円 9,529億円 ▲4.56% ▲7.38% 8 ソニーグループ㈱ 電気機器 12兆4,796億円 1兆309億円 1兆9,456億円 3.69% ▲3.42% 9 日産自動車㈱ 輸送用機器 12兆79億円 ▲5,331億円 7,947億円 ▲4.95% -- 10 ENEOSホールディングス㈱ 石油・石炭製品 11兆7,655億円 2,587億円 6,200億円 ▲4.73% 14.44% ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、四捨五入しています。 ※「▲」はマイナスを示します。 売上高トップ10の売上高合計は、約185兆4,988億円です。売上高成長率がプラスとなった企業は10社中7社、当期純利益成長率がプラスとなった企業は、算出可能な8社中4社となりました。 営業CFを見ると、10社中9社がプラスです。特にトヨタ自動車㈱は5兆4,729億円、ソニーグループ㈱は1兆9,456億円、NTT㈱は1兆4,852億円の営業CFを計上しており、大規模な売上高に加えて、営業活動からの現金創出も確認できます。 一方、㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの営業CFは▲23兆644億円となっています。銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など、銀行業特有の資金移動の影響を受けやすいため、製造業や卸売業などの一般事業会社と単純比較する際には留意が必要です。 銀行業である同社を除いた売上高トップ9社の営業CF合計は、約15兆284億円となります。この点から、売上高トップ企業群は、事業規模の大きさに加え、多くの企業で営業活動による現金創出が確認できる企業群と考えられます。 当期純利益トップはソフトバンクグループ5兆23億円、銀行業3社・情報通信業2社が上位に 当期純利益ランキングでは、ソフトバンクグループ㈱が5兆23億円で首位となりました。2位はトヨタ自動車㈱の3兆8,481億円、3位は㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの2兆4,272億円です。 当期純利益トップ10には、銀行業が3社、情報・通信業が2社、卸売業が2社含まれており、売上高ランキングとは異なる業種構成となりました。売上高ランキングでは輸送用機器や卸売業など、取扱高や販売規模が大きくなりやすい業種が目立つ一方、当期純利益ランキングでは、金融・通信・電機・総合商社など、利益額の大きい企業群が上位に並んでいます。 順位 企業名 業種 売上高 親会社株主に帰属する当期純利益 営業CF 売上高成長率 当期純利益成長率 1 ソフトバンクグループ㈱ 情報・通信業 7兆7,987億円 5兆23億円 ▲4,288億円 7.12% 333.72% 2 トヨタ自動車㈱ 輸送用機器 50兆6,850億円 3兆8,481億円 5兆4,729億円 5.51% ▲19.25% 3 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 14兆6,208億円 2兆4,272億円 ▲23兆644億円 7.27% 30.29% 4 ㈱三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 10兆7,909億円 1兆5,830億円 ▲10兆2,831億円 6.05% 34.37% 5 ㈱みずほフィナンシャルグループ 銀行業 9兆854億円 1兆2,486億円 ▲4兆8,385億円 0.61% 41.01% 6 NTT㈱ 情報・通信業 14兆4,091億円 1兆370億円 1兆4,852億円 5.14% 3.70% 7 ソニーグループ㈱ 電気機器 12兆4,796億円 1兆309億円 1兆9,456億円 3.69% ▲3.42% 8 東京海上ホールディングス㈱ 保険業 8兆8,723億円 9,804億円 5,843億円 3.96% ▲7.10% 9 伊藤忠商事㈱ 卸売業 14兆8,231億円 9,003億円 1兆1,318億円 0.67% 2.27% 10 三井物産㈱ 卸売業 13兆9,952億円 8,340億円 9,529億円 ▲4.56% ▲7.38% ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、四捨五入しています。 ※「▲」はマイナスを示します。 当期純利益トップ10の当期純利益合計は、約18兆8,918億円となりました。売上高トップ10の当期純利益合計である約10兆1,797億円と比較すると、利益額の面では当期純利益トップ10が大きく上回っています。 また、当期純利益トップ10では、売上高成長率がプラスとなった企業が9社、当期純利益成長率がプラスとなった企業が6社、売上高と当期純利益の双方がプラス成長となった企業が6社となりました。利益額の大きさに加えて、売上・利益の成長を同時に確認できる企業が一定数含まれている点が特徴です。 営業CFを見ると、当期純利益トップ10では10社中6社がプラスとなりました。一方、ソフトバンクグループ㈱および銀行業3社は営業CFがマイナスとなっています。特に銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など金融業特有の資金移動の影響を受けやすいため、一般事業会社と単純比較する際には留意が必要です。 成長企業比較では、当期純利益トップ10が売上・利益成長で特徴、営業CFでは売上高トップ10に安定感 売上高トップ10と当期純利益トップ10を企業群として比較すると、それぞれ異なる特徴が見られます。 比較項目 売上高トップ10 当期純利益トップ10 売上高合計 約185兆4,988億円 約157兆5,601億円 当期純利益合計 約10兆1,797億円 約18兆8,918億円 営業CF合計 約▲8兆360億円 約▲27兆422億円 営業CF合計(銀行業除く) 約15兆284億円 約11兆1,439億円 平均売上高成長率 1.0% 3.5% 売上高成長率がプラスの企業数 7社 9社 当期純利益成長率がプラスの企業数 4社(算出可能8社中) 6社 売上高・当期純利益ともに成長した企業数 3社 6社 売上高成長率・当期純利益成長率・営業CFがすべてプラスの企業数 2社 2社 売上高トップ10は、売上高合計が約185兆4,988億円と非常に大きく、事業規模の大きさが特徴として表れています。また、銀行業である㈱三菱UFJフィナンシャル・グループを除く9社すべてで営業CFがプラスとなっており、多くの企業で営業活動による現金創出が確認できます。 一方、当期純利益トップ10は、当期純利益合計が約18兆8,918億円となり、売上高トップ10を大きく上回っています。さらに、売上高成長率がプラスの企業が9社、当期純利益成長率がプラスの企業が6社となっており、売上・利益成長の観点では、当期純利益トップ10の方が成長企業群としての特徴を相対的に強く示していると推察されます。 ただし、営業CF合計では、当期純利益トップ10は約▲27兆422億円となりました。これは、当期純利益トップ10に銀行業3社が含まれており、金融業特有の資金移動が営業CFに大きく影響しているためと考えられます。銀行業3社を除いた営業CF合計では約11兆1,439億円となり、一般事業会社を中心に見ると営業活動による現金創出も確認できます。 当期純利益トップ10は売上・利益成長で特徴、営業CFでは売上高トップ10の現金創出も確認 売上高ランキングと当期純利益ランキングを比較すると、売上高トップ10は「事業規模の大きさ」、当期純利益トップ10は「最終的な利益額の大きさ」が特徴として見られます。さらに営業キャッシュ・フロー、(以下営業CF)を加えることで、売上や利益が営業活動による現金創出を伴っているかを補足的に確認できます。 営業CFを見ると、売上高トップ10では10社中9社、当期純利益トップ10では10社中6社がプラスとなりました。当期純利益トップ10では、ソフトバンクグループ㈱のように当期純利益が大きい一方で営業CFがマイナスとなる企業もあり、当期純利益と営業CFの動きが必ずしも一致しないことが確認できます。また、銀行業の営業CFは、貸出金、預金、有価証券取引など金融業特有の資金移動の影響を受けやすいため、一般事業会社とは分けて確認することが望ましいと考えられます。 今回のデータでは、売上高トップ10は「規模」と「現金創出」、当期純利益トップ10は「利益額」と「売上・利益成長」という特徴が見られました。なお、売上高成長率・当期純利益成長率・営業CFのすべてがプラスとなった企業は、両ランキングとも2社であり、NTT㈱と伊藤忠商事㈱が該当します。 企業の成長性を確認する際には、売上高や当期純利益の絶対額だけでなく、売上高成長率、当期純利益成長率、営業CFを組み合わせて見ることが有用です。売上高は「規模」、当期純利益は「最終的な利益額」、営業CFは「営業活動による現金創出」を示すため、3つの指標を組み合わせることで、企業の特徴をより立体的に把握できます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した売上高、当期純利益ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の財務データに加え、業種、上場市場、非財務情報などを横断的に取得できます。上場企業の成長性、収益構造、現金創出力を比較する際の基礎データとしてご活用いただけます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事は、企業情報データベース「eol」より抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※売上高は「連結実績-売上高」、当期純利益は「連結実績-親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しています。 ※営業CFは「営業キャッシュ・フロー」を使用しています。 ※金額は百万円単位の元データを億円単位に換算し、億円未満を四捨五入しています。 ※「--」は、前期が赤字である場合など、成長率の比較に適さないデータを示しています。 ※銀行業など金融業の営業CFは、一般事業会社と性質が異なるため、単純比較には留意が必要です。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.3.19 DL資料企業ランキング【2026年3月】当期純利益5年間増減額ランキング 食料品業編|約7割が増加を達成、有価証券報告書から読み解く「稼ぐ力」の真実
当社が保有する企業情報データベースeolより、食料品業における上場企業(連結財務諸表ベース)の当期純利益を算出し、ランキング表としてまとめました。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 ※ 算出について 本記事の対象は上場している食料品企業のうち、2020年と2025年の連結当期純利益が取得できた企業のみで算出しております。 食料品業界の利益動向|5年間で約7割の企業が利益増、数値の裏付けを読み解く統合分析の重要性 食料品業を対象に分析したところ、2020年から2025年にかけての5年間で、約7割にあたる企業が当期純利益を増加させていたことが判明しました。 この5年間は、パンデミックによる需要の急蒸発と急回復、地政学リスクに起因する記録的な原材料価格の高騰、そして歴史的な円安の進行など、極めて厳しい外部環境にありました。こうした激動の環境下において、食料品業界の企業のうち約7割が増益を達成したという事実は、各社が備えている適応力を示しています。 しかし、損益計算書に刻まれた最終利益の数値は、あくまで「結果」の把握にすぎません。個々の企業が具体的にどのような施策でこの荒波を乗り越えたのか、その実態を分析するためには、有価証券報告書の定性情報から数値の裏付けとなる企業活動を確認することが有効です。今回は、数値が示す成長がどのような経営戦略(価格転嫁、事業構造の再編、生産性の向上など)によって支えられたのかを分析します。 増減額ランキング上位3社の動向と利益占有の現状|分析で見える「変革の実行力」 今回の集計では、5年間の増減額上位10社で合計3,510億7,300万円に達しており、業界全体の増減額が上位企業に集中している実態が分かりました。 この偏りは単なる規模の差だけではなく、激変する環境下で各社が推進した「戦略の実効性」の差であると考えられます。ここでは、業界を牽引した上位3社の分析結果を紹介します。 【第1位】コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス 5年間の増減額:652億6,100万円 2020年当期純利益:△579億5,200万円 2025年当期純利益:73億900万円 5年前の500億円を超える巨額赤字から、全社一丸となった抜本的な構造改革を経て増減額首位となりました。有価証券報告書の分析からは、不採算事業の整理や物流網の抜本的な最適化、そして原材料高に対して価格改定を機動的に実施する営業体制を確立したことが収益改善に寄与した実態が読み取れます。さらに、ヘルスケア事業の譲渡など、コア事業へのリソース集中を徹底した経営判断が、V字回復という具体的な数値に反映されています。 【第2位】味の素 5年間の増減額:514億3,500万円 2020年当期純利益:188億3,700万円 2025年当期純利益:702億7,200万円 独自の「アミノサイエンス」を基軸に事業構造を再定義したことが成長の要因となりました。食品事業で培った知見を、半導体パッケージ基材(ABF等)に使われる電子材料事業へ展開したことで利益率を向上させています。低利益事業からの撤退と高価値領域へのシフトを加速させる「ASV経営」という戦略が、原材料リスクの影響を抑制する多角化収益基盤として、現在の実績に反映されているものと考えられます。 【第3位】アサヒグループホールディングス 5年間の増減額:498億7,300万円 2020年当期純利益:1,422億700万円 2025年当期純利益:1,920億8,000万円 経営方針を「量」から「プレミアム化(Value経営)」へ完全に転向させ、ブランド力を背景とした価格改定をグローバルで実施しています。有価証券報告書に示された戦略と、コスト増を上回る利益を創出している実績に整合性が見て取れます。世界基準の収益モデルを確立したことが、過去最高水準の利益更新という一つの裏付けとして現れています。 数値の背後に潜む、逆境を成長へ変えるための生存戦略 5年間の増減額上位3社以外の企業でも、独自の施策を実行した結果、利益を大きく伸ばしている事例が数多く見られます。ここでは、それらの中から特筆すべき戦略を持つ企業を抽出し、その分析内容の一部を公開します。 各社の具体的な「取り組み」が、5年間の推移においてどのような「収益結果」として反映されたのかを分析することで、企業の戦略的施策が後の数値にどう現れるかを知る重要な補足情報となります。 【第4位】東洋水産 5年間の増減額:394億8,800万円 2020年当期純利益:233億7,900万円 2025年当期純利益:628億6,700万円 有価証券報告書からは、北米市場の需要増を見越したカリフォルニア工場の拡張やメキシコ工場の新設など、積極的な成長投資を継続的に実施してきた取り組みが読み取れます。この「需要に即応する供給体制の整備」という先行投資が、原材料価格の高騰下においても、5年間での大幅な増収増益という確かな結果に繋がっています。 【第14位】寿スピリッツ 5年間の増減額:80億2,200万円 2020年当期純利益:41億円 2025年当期純利益:121億2,200万円 観光需要消失という逆境下において、同社がいち早く「通信販売の強化」と「ブランド価値の向上」に取り組んできたことが有価証券報告書の記載内容から分かります。この施策がECチャネルの急成長を支える土台となり、その後の人流回復局面では、インバウンド売上高100億円突破という収益貢献を導き出す要因となりました。過去の施策が、現在の業績回復という収益結果を示唆しています。 【第20位】ニチレイ 5年間の増減額:51億2,200万円 2020年当期純利益:196億900万円 2025年当期純利益:247億3,100万円 製造と自前の「低温物流(コールドチェーン)」の垂直統合、および物流DXへの先行投資を継続してきた取り組みが、深刻な物流コスト高騰という逆風を相殺する結果を生みました。「運ぶ力」を自社で磨き続けてきた戦略が、インフレ下での安定した増益維持という定量データへ反映されています。 物価高時代を生き抜く「分析視点」の磨き方|有価証券報告書を意思決定の武器にする 昨今の物価高は一過性の現象ではなく、「新常態(ニューノーマル)」となりました。こうした時代において、単年度の数値や目先のランキングのみで判断することには注意が必要です。有価証券報告書の「軌跡」という客観的な定性情報に基づき、数値の裏側にある経営の意図や事業構造の強みを深掘りする習慣こそが、次なる意思決定を支える有効な手段となります。 投資家の視点に立てば、利益増という結果の裏にある「価格支配力」を、有価証券報告書の記述から確認することが肝要です。インフレ下でも付加価値を価格に乗せ、その理由を論理的に語れる企業は、将来の成長投資や株主還元への余力も十分であり、長期的な投資価値を持っています。 また、ビジネスパーソンや就職・転職活動者にとっても、企業の「生存能力」を特定するためのモノサシとして、定量・定性の統合分析は有効です。5年スパンで利益を積み上げている事実は、その企業が人的資本や賃金上昇への投資余力を持っていることを意味します。 有価証券報告書を精読し、逆境をどのように利益へと転換させたかのプロセスを確認することは、不透明な時代において自身のキャリアを築く場を特定するための一助となるでしょう。データから表面的な数字以上のメッセージを読み解く力が、自身の投資やキャリアを守る第一歩となります。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した食料品業界 当期純利益5年推移ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「各社の2020年から2025年における当期純利益増減額TOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、財務諸表の数値データを取得するだけではなく、提出された複数企業の開示書類から業績に関する記載内容を一覧で確認できるほか、「事業再編」「生産性向上」といった、任意のキーワードで検索し、該当箇所を瞬時に表示できる検索機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.2.19 DL資料企業ランキング【2026年2月】1人当たり営業利益ランキング 小売業編|平均年収との相関で見る稼ぐ力と社員還元度
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場している小売業企業の1人当たり営業利益と平均年収を抽出し、ランキング表としてまとめたものです。 ※ 社数算出について 本記事の対象は小売業の上場企業のうち、営業利益、従業員数、平均年収のデータが取得できた企業のみで算出しております。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 1人当たり営業利益と平均年収で見る小売業界の実態 本記事では小売業企業の「稼ぐ力」と「社員への還元度」を正しく比較するため、全企業の単体データに基づき分析しました。一般的に連結決算はグループ全体の規模を示しますが、特に就職・転職検討者が注目する「平均年収」は、有価証券報告書において単体(その会社本体)の数値のみが開示されています。そのため、年収の原資となる営業利益もあわせて単体ベースで算出することで、社員1人が生み出す利益と給与の相関をより正確に評価することが可能となります。 全社の単体データより分析した結果、小売業界全体の1人当たり営業利益は平均で約19.4百万円(中央値:3.1百万円)となり、これに対応する単体平均年収は平均で約557.6万円(中央値:約529.3万円)の結果でした。本分析ではこれらの中央値を基準に、業界内での各社の立ち位置を分類し、横並びに評価することで、実店舗を運営する事業会社とグループ管理を担う持株会社の違いが、数値としてより鮮明に浮かび上がりました。 1人当たり営業利益ランキング― 首位クリエイトSDは767.5百万円、上位を独占する持株会社 1人当たり営業利益のランキングでは、上位に持株会社と高効率な専門店が並ぶ結果となりました。 首位となったのは株式会社クリエイトSDホールディングスで、1人当たり営業利益は約767.5百万円(平均年収1,044.3万円)を記録しています。 次いでプリモグローバルホールディングス株式会社が683.0百万円(平均年収721.9万円)、スギホールディングス株式会社が581.2百万円(平均年収881.4万円)と続き、上位3社を持株会社が占めています。 これら持株会社が極めて高い数値を示す背景には、少数の本部社員でグループ全体の収益を管理する組織構造が影響していると推察されます。 一方で、実質的な事業運営を担う企業も健闘しており、株式会社ワークマンは58.5百万円(平均年収770.6万円)で23位を記録しました。同社は持株会社ではありませんが、独自のビジネスモデルを構築しており、作業服中心の事業運営から、近年は一般消費者向けの高機能ウェアなどの新業態を展開し、市場を拡大しています。 専門店が総合スーパー等と比較して高い収益性を実現できる理由としては、商品カテゴリーの絞り込みによる仕入れの専門化や、店舗オペレーションの徹底した標準化による人件費抑制が寄与していると考えられます。 平均年収ランキング ― ファーストリテイリング1,250.6万円が首位、本部機能と現場で異なる給与構造 平均年収ランキングでも、1,000万円の大台を超えた上位3社がいずれも「持株会社」という結果になりました。しかし、その内実を1人当たり営業利益とあわせて見ると、各社の経営状況や戦略の違いが鮮明に浮かび上がります。 首位の株式会社ファーストリテイリング(平均年収:1,250.6万円)は、1人当たり営業利益も242.3百万円と業界トップクラスの収益性を誇ります。グローバル展開による高い収益力を背景に、世界水準の専門人材を確保するための高い還元水準を維持していることが推察されます。 2位の株式会社エルアイイーエイチ(平均年収:1,058.0万円)は、上位3社の中で唯一、1人当たり営業利益が▲140.3百万円と相対的に厳しい収益状況にあります。収益面で苦戦しながらも高水準の給与を維持している背景には、事業再生や新規事業の立ち上げを担う高度な専門職を維持・確保するための先行投資的な側面があるのではと推察されます。 3位の株式会社クリエイトSDホールディングス(平均年収:1,044.3万円)は、1人当たり営業利益が約767.5百万円と、今回ランクインした企業の中でも群を抜いた効率性を記録しています。同社は従業員数わずか11名という極めて少数精鋭の組織でグループ全体の経営管理を担っており、その圧倒的な経営管理効率が1,000万円を超える高い還元を支えていると推察されます。 就職・転職検討時の重要なポイント: 今回のランキング上位企業の多くを占める持株会社は、グループ全体の経営企画や財務、グローバル戦略などを担う管理部門の社員のみで構成されるのが一般的です。そのため、平均年収はあくまで本部機能を担う社員の給与水準を反映しており、グループ全体の平均や店舗現場の給与実態とは異なる場合があることに注意が必要です。 就職・転職検討先として、百貨店運営会社、アパレル事業会社、店舗運営会社などを志望する場合、実際には持株会社の事業子会社での勤務となり、労働環境などが異なる可能性も考えられます。採用先が「持株会社本体」か「事業子会社」のどちらなのか、また、子会社の労働条件や将来的なキャリアパスの可能性などを確認することが志望先の選定において極めて重要です。 4タイプ分析で見えた社員還元の実態 ―「高収益×高年収」が35%を占める小売業の二極化トレンド 小売業界の企業を1人当たり営業利益の中央値(3.1百万円)と平均年収の中央値(529.3万円)を軸に分類したところ、企業の経営戦略や還元姿勢の違いが4つのタイプとして明確になりました。 【Aタイプ】 高収益×高年収(対象数:119社、構成比:約35%) これまでに紹介したクリエイトSDホールディングス(1人当たり営業利益:767.5百万円、平均年収:1,044.3万円)、ファーストリテイリング(242.3百万円、1,250.6万円)、ワークマン(58.5百万円、770.6万円)の他、イオン(96.0百万円、947.1万円)などが該当します。 これらの企業は、独自のビジネスモデルや徹底した「ローコストオペレーション」、自社開発製品(PB)の比率向上等の効率的な戦略が、高い1人当たり営業利益に貢献していると推察されます。効率化によって創出した利益を従業員の待遇向上に振り向ける「収益と還元の好循環」が構築されており、企業の稼ぐ力と社員への還元姿勢が両立していると考えられます。 【Bタイプ】 低収益×高年収(対象数:51社、構成比:約15%) 株式会社エルアイイーエイチ(1人当たり営業利益:▲140.3百万円、平均年収:1,058.0万円)、株式会社ベクターホールディングス(▲17.6百万円、678.6万円)などが該当します。 このタイプには、成長投資や人材確保を優先して高い給与水準を維持している企業や、一時的な利益変動により中央値を下回っている企業が含まれます。就職・転職を検討する場合、今後の収益性改善の見込みや、持株会社の場合は実際の配属先の労働条件を個別に確認することが重要です。 【Cタイプ】 高収益×低年収(対象数:51社、構成比:約15%) 株式会社エービーシー・マート(1人当たり営業利益:13.5百万円、平均年収:424.7万円)、くら寿司株式会社(3.3百万円、499.1万円)などが該当します。 これらの企業は、成長投資を優先している、あるいは人件費以外のコストが高いなどの要因が考えられます。1人当たりの稼ぐ力は中央値を上回る水準にあるため、今後の事業拡大に伴う企業の成長により、将来的に給与水準が向上する可能性も考えられます。 【Dタイプ】 低収益×低年収(対象数:119社、構成比:約35%) 株式会社マックハウス(1人当たり営業利益:▲4.7百万円、平均年収:444.2万円)、株式会社アトム(▲1.3百万円、459.1万円)などが該当します。 市場の成熟や価格競争の影響を受けているケースが見受けられます。就職・転職を検討する際は、一時的な業績変動なのか、あるいはビジネスモデル自体の課題なのかなど、企業の将来性や経営状況を慎重に見極める必要があります。 小売業界の分析で判明 ― 持株会社の経営管理効率と専門店の特化戦略が「収益と還元の好循環」を生む 今回の分析により、小売業界における「1人当たり営業利益」と「平均年収」の相関が明確になりました。全社を単体ベースで分析したことで、持株会社による経営管理の効率性と、特定分野に特化した専門店の稼ぐ力の強さが改めて浮き彫りとなりました。Aタイプに分類される企業のように、独自の強みを利益に変え、それを着実に社員に還元できているかどうかが、持続可能な企業成長の鍵であると推察されます。 収益力と給与還元の両立は容易ではなく、企業の経営戦略や業界特性によって大きく異なります。就職・転職活動を行う際は、収益力だけでなく給与還元の姿勢も含め、多角的な視点で企業を分析することをお勧めします。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した小売業界 1人当たり営業利益×平均年収ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「連結・単体毎に小売業企業各社の1人当たり営業利益のTOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、複数の財務指標を組み合わせた業種別比較や同業他社比較により、より深い収益性分析が可能です。企業の財務戦略を適切に評価するには、業種特性を理解した上での多角的なデータ分析が不可欠と考えられます。本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.1.23 DL資料企業ランキング【2026年1月】配当金支払額ランキング 東証プライム市場編|配当性向から見る株主還元の実態
当社が保有する企業情報データベースeolより、東証プライム市場に上場している企業の配当金支払額を抽出し、ランキング表としてまとめました。 ※ 社数算出について 本記事の対象としている企業は東証プライム市場に上場している企業のうち、金融業(銀行業、証券・商品先物取引業、保険業、その他金融業)を除く、連結決算企業のみで算出しております。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 東証プライム市場における配当金支払額の全体像と業種別傾向 今回の分析対象となる東証プライム上場企業の配当金支払額合計は約19兆6,235億円、1社あたりの平均配当金支払額は約138億円となりました。配当金支払額の上位企業は、多額の利益を株主に還元している企業として注目されます。 配当金支払額の上位企業を分析すると、1位はトヨタ自動車(輸送用機器)で配当金支払額1兆2,596億円、2位はソフトバンク(情報・通信業)で5,337億円、3位は日本電信電話(情報・通信業)で4,604億円となっており、これらの企業は、安定的な事業基盤と高い収益力により、株主への手厚い利益還元を実現していると考えられます。 4位はソフトバンクグループ(情報・通信業):4,327億円、5位は本田技研工業(輸送用機器):4,150億円と続き、TOP10企業の配当金支払額の合計は約4兆7,909億円と、対象企業全体の約24.4%を占めていました。 配当金支払額TOP3企業の詳細分析 配当金支払額上位3社であるトヨタ自動車、ソフトバンク、日本電信電話について、より詳細な分析をおこなうため、親会社株主に帰属する当期純利益を用いた配当性向を算出、分析しました。配当性向は、親会社株主に帰属する当期純利益のうち、どれだけを配当金として支払っているかを示す指標と言われており、一般的に、配当性向30~50%程度が適正水準とされています。TOP3企業の配当性向を見ると、26.4%~101.4%の範囲にあり、業種や経営方針により配当政策に大きな違いがあることが推察されます。 第1位:トヨタ自動車(輸送用機器) 配当金支払額:1兆2,596億円、親会社株主に帰属する当期純利益:4兆7,651億円で、配当性向:26.4%です。 配当金支払額で圧倒的な1位となり、2位のソフトバンクの2.4倍近い規模です。配当性向26.4%は一般的な適正水準と言われている30~50%を下回っており、利益に対して配当が控えめです。これは、電動化やモビリティサービスなど将来的な事業投資を重視しながら、安定的な配当を継続する保守的な配当政策を採用していると考えられます。親会社株主に帰属する当期純利益が4兆7,651億円という高水準にあることから、仮に配当性向を30%に引き上げた場合でも約1,700億円の増配余地があり、将来的な株主還元強化の可能性があると推察されます。グローバル自動車メーカーとして、安定配当を維持しながら成長投資とのバランスを取った財務戦略を実践していることが考えられます。 第2位:ソフトバンク(情報・通信業) 配当金支払額:5,337億円、親会社株主に帰属する当期純利益:5,261億円で、配当性向:101.4%です。 配当性向が101.4%と、当期純利益を上回る配当を実施しています。これは安定配当を重視する経営方針により、一時的に利益が減少した場合でも配当金額を維持していることが推察されます。通信事業は安定的なキャッシュフローを生み出すビジネスモデルであり、営業キャッシュフローから配当を支払う余力があると考えられます。配当性向が100%を超える状態は持続性に注意が必要ですが、通信インフラという収益基盤の安定性から、配当政策を維持できる財務体質を持っていると推察されます。ただし、今後の利益成長により配当性向を適正水準に戻していく可能性も考えられます。 第3位:日本電信電話(情報・通信業) 配当金支払額:4,604億円、親会社株主に帰属する当期純利益:1兆円で、配当性向:46.0%です。 配当性向46.0%と、適正水準と言われている30~50%の範囲内にあり、利益と株主還元のバランスが取れた配当政策を実施しています。通信インフラを保有する企業として安定的な収益を生み出し、継続的な配当を支払う財務基盤を持っていると考えられます。配当金支払額は4,604億円と大規模であり、多くの株主に対する還元を重視した経営を行っており、親会社株主に帰属する当期純利益が1兆円を超える中で、配当性向を40%台に維持することで、事業投資と株主還元の両立を図っていると見られます。 配当性向の分布から見る株主還元の実態と業種別傾向 業種別の分析を行うと、各業種が異なる配当政策を採用していることが明確に表れています。配当金支払額と配当性向を組み合わせて分析することで、企業がどの程度利益を株主に還元し、どの程度を事業投資に充てるかという経営判断が見えてきます。 輸送用機器(40社、平均配当性向87.5%) 平均配当性向は87.5%と高くなっていますが、これは利益が0に近い企業や一時的な減益企業が配当を維持したことで配当性向が上昇した影響が含まれていると推察されます。一方、トヨタ自動車(配当性向26.4%)や本田技研工業(配当性向49.6%)など主要企業の配当性向は適正水準にあり、設備投資や研究開発投資とのバランスを取りながら株主還元を実施していることが考えられます。配当金支払額ではトヨタ自動車が輸送用機器全体の約46%を占めるなど、大手企業の配当金支払額が高い傾向にあります。 情報・通信業(151社、平均配当性向33.2%) 平均配当性向は33.2%と適正水準です。ただし、ソフトバンクのように配当性向が100%を超える企業もあり、個社ごとの配当政策の違いが大きいことが考えられます。上位4社(ソフトバンク、日本電信電話、ソフトバンクグループ、KDDI)の配当金支払額合計は1兆7,690億円と、情報・通信業全体(2兆4,552億円)の約72%を占め、大手企業の配当金支払額が高い傾向が推察されます。 電気機器(124社、平均配当性向39.1%) 平均配当性向は39.1%と適正水準です。半導体製造装置、電子部品、家電など多岐にわたる製品を手がけ、グローバル市場で競争しているため、研究開発投資や設備投資が継続的に必要となる業界特性があります。そのため、配当性向を適正水準に維持しながら、将来の競争力強化のための投資とのバランスを取った配当政策を実施していることが推察されます。 卸売業(122社、平均配当性向38.6%) 平均配当性向は38.6%と適正水準です。卸売業は商品の流通を担う企業から、資源開発、インフラ投資、事業投資など幅広い領域で事業を展開する総合商社まで、多様なビジネスモデルを持つ企業が含まれます。特に三菱商事(配当性向42.9%)、伊藤忠商事(配当性向32.3%)、三井物産(配当性向30.5%)などの総合商社は、配当性向を30~40%台の適正水準を維持しながら、安定的な株主還元を実施していると考えられます。 化学(116社、平均配当性向40.1%) 平均配当性向は40.1%と適正水準です。素材、機能性化学品、医薬品原料など多様な製品を手がけ、製造業の川上に位置する基幹産業です。長期的な競争力を維持するためには、プラントの維持・更新、新技術開発、環境対応などへの継続的な投資が必要となります。そのため、配当性向を適正水準に保ちながら、研究開発費や設備投資とのバランスを取った財務戦略を実践していることが推察されます。 配当政策と企業の成長戦略 配当金支払額と配当性向の関係から、企業の株主還元と成長投資のバランスが読み取れます。 配当性向が低い企業は、利益の多くを内部留保として事業投資に振り向けていることが推察されます。トヨタ自動車のように配当性向26.4%の企業は、電動化や自動運転など将来的な成長分野への投資を優先しながら、安定的な配当を維持する戦略を採用していると考えられます。このような企業は、将来的に投資が収益化した際に増配を実施する可能性があり、長期的な株主還元の拡大が期待できると推察されます。 配当性向が適正水準にある企業は、株主還元と成長投資のバランスが取れており、持続可能な配当政策を実践していることが推察されます。三菱商事(配当性向42.9%)や伊藤忠商事(配当性向32.3%)、三井物産(配当性向30.5%)などの総合商社は、配当性向を30~40%台の適正水準に維持することで、事業環境の変化に対応しながら安定的な株主還元を実施していると言えます。 配当性向が高い企業は、成熟した事業モデルを持ち、大規模な成長投資よりも株主還元を優先する方針を採用していることが推察されます。ただし、配当性向が100%を超える企業については、一時的な減益による影響か、持続的な高配当政策かを見極める必要がありますが、ソフトバンクのように通信インフラという安定的な事業基盤を持つ企業は、営業キャッシュフローが潤沢であれば、一時的に配当性向が100%を超えても配当を維持できる可能性が考えられます。 東証プライム市場における配当金支払額ランキングを分析した結果、企業の配当政策は業種特性、収益力、成長戦略により多様であることが分かります。配当金支払額と配当性向を組み合わせて分析することで、企業の株主還元姿勢と将来的な配当余地を評価できると考えられます。配当性向から投資分析や投資判断を行う際の有用な材料の一つとして活用することで、配当重視の投資戦略や企業分析の精度を高めるうえで役立つと考えられます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した東証プライム市場に上場している企業の配当金支払額データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「東証プライム市場に上場している企業の配当金支払額TOP30」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、本記事で使用した配当金の支払額や親会社株主に帰属する当期純利益に加えて、営業活動によるキャッシュ・フローや投資活動によるキャッシュ・フローといったデータも取得可能です。これらを組み合わせることで、フリーキャッシュフロー(営業CF + 投資CF)やキャッシュフロー配当性向(配当金支払額 ÷ 営業CF × 100)といった、配当の持続可能性をより詳細に分析できる指標を算出することが可能です。本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2025.12.19 DL資料企業ランキング【2025年12月】研究開発費ランキング 医薬品編|平均555億円で10年間に1.5倍成長、TOP3企業の戦略分析
当社が保有する企業情報データベースeolより、医薬品業界に上場している企業の2014年(2014年9月~2015年8月決算)と2024年(2024年9月~2025年8月決算)における研究開発費データを抽出し、業種ランキング表としてまとめました。 研究開発費投資動向 ― 1社平均555億円、他業種比で突出する投資規模 今回分析する医薬品業界の上場企業は、1社あたりの研究開発費用が平均555億円と、他業界の上場企業と比較して高い水準の投資規模を示しています。電気機器(232億円)の2.4倍、化学(82億円)の6.8倍という水準です。医薬品業界の1社あたり平均研究開発費用はこの10年間で、370億円から555億円へと約1.5倍に増加しました。 また、医薬品業界全体の研究開発費合計も、1兆6,294億円から2兆8,327億円へと10年間で約1.7倍に増加しています。この増加は、抗体医薬品・細胞治療・遺伝子治療など次世代医療技術の開発に膨大な投資が必要となったこと、グローバル臨床試験の拡大、規制対応コストの増加などが背景にあると推察されます。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 ※ 医薬品業の社数算出について 2014年と2024年の研究開発費用データが取得できた連結決算企業のみを算出、期間中の新規上場企業及び上場廃止企業は含んでおりません。 医薬品業界特有の研究開発構造 ― 長期投資が必要な理由 医薬品の研究開発プロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を超えることもあり、臨床試験は通常5〜7年もしくはそれ以上を費やして実施され、規制当局への新薬承認申請が行われると言われています。また、一般的に、臨床試験の成功確率は約10%程度と極めて低いとされており、複数のパイプライン(開発中の新薬候補)に並行投資する必要があります。 さらに、承認取得後も、効能追加、市販後調査、剤型追加など継続的な研究開発が行われます。特許期間満了後はジェネリック医薬品の参入により売上が急減するため、既存製品の売上が好調な時期に次世代医薬品のパイプラインを構築しておくことが重要と考えられます。 TOP3企業の研究開発戦略分析 ― R&D比率の変化に見る各社の投資姿勢 医薬品業界の研究開発投資をより分析するため、今回の研究開発費が上位3社である武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬について、売上高に対する研究開発費の比率(R&D比率)に着目し、10年間の変化を分析しました。 【1位】 武田薬品工業株式会社 研究開発費7,302億円(R&D比率15.9%) 今回の売上高は4兆5,816億円、研究開発費は7,302億円で、R&D比率は15.9%です。10年前は研究開発費3,821億円、R&D比率20.2%でしたが、研究開発費が約1.9倍に増加しました。2019年1月に実施したシャイアー社買収により売上規模が大幅に拡大した結果、R&D比率は15.9%となりましたが、研究開発費の金額では業界トップの投資規模を維持しています。 同社は「革新的なバイオ医薬品」「血漿分画製剤」「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しており、革新的なバイオ医薬品への投資が最も大きい比率を占めています。また、社外パートナーとの提携も研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素となっています。 【2位】 第一三共株式会社 研究開発費4,360億円(R&D比率23.1%) 今回の売上高は1兆8,863億円、研究開発費は4,360億円で、R&D比率は23.1%です。10年前の研究開発費1,907億円、R&D比率20.7%から、研究開発費が約2.3倍へと上昇し、この10年間で最も変化を遂げた企業となりました。また、売上高の約4分の1を研究開発に投資する極めて積極的な姿勢です。 同社は、5つのDXd ADC(抗体薬物複合体:がん細胞を狙い撃ちする次世代医薬品技術)の製品価値最大化を目指してリソースを集中投入するとともに、持続的成長の実現に向けてSOC(Standard of Care:現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法)を変革する製品群(Next Wave)の創薬を目指す「5DXd ADCs and Next Wave」戦略のもと、グローバル臨床開発の加速化にも注力しています。 【3位】 アステラス製薬株式会社 研究開発費3,277億円(R&D比率17.1%) 今回の売上高は1兆9,123億円、研究開発費は3,277億円で、R&D比率は17.1%です。10年前の研究開発費2,066億円、R&D比率16.3%から、研究開発費が約1.6倍へと増加しました。 同社はFocus Areaアプローチという研究開発戦略の下、多面的な視点で創薬ターゲットを絞り込む新しいアプローチで革新的な製品の創出に取り組んでいます。重点的に研究開発投資を行うPrimary Focusとして「がん免疫」「標的タンパク質分解誘導」「遺伝子治療」「再生と視力の維持・回復」の4つを認定しています。 また、医療用医薬品(Rx)に留まらず、「Rx+事業」として、デジタルヘルスや埋め込み型医療機器など、従来の医薬品の枠を超えた取り組みを進めています。 有価証券報告書における研究開発活動の記載内容 今回の医薬品業界での分析では、1社あたり平均研究開発費用が555億円と高い水準の投資規模を維持し、10年間で1社あたり平均約1.5倍、総額で約1.7倍という成長を遂げていました。数値面だけではなく、有価証券報告書に記載される研究開発活動の記載内容を詳細に分析することで、企業の将来戦略等を多角的に読み解くことができます。 ◆視点1 - 事業セグメント別の研究開発投資額の開示状況 事業セグメント別の研究開発投資額の開示状況から、各社が力を入れている事業領域や情報開示に対する姿勢を推察することができます。投資家にとって、事業別の研究開発投資額が明示されている企業は、経営戦略の透明性が高く、リスク評価がしやすいという利点があります。 ◆視点2 - 研究開発戦略の記載内容 研究開発戦略の記載内容から、企業の将来の方向性を確認できる場合があります。特定技術への集中投資を明示する企業、複数の重点領域を設定してバランスよく投資する企業など、各社の戦略の違いが把握でき、10年間のR&D比率の推移と併せて分析することで、戦略の一貫性や変化を読み取ることができます。 ◆視点3 - 研究開発活動の具体的な内容 研究開発活動の具体的な内容から、同業他社との技術的な差別化ポイントを把握できます。例えば、医薬品業界の場合、抗体薬物複合体(ADC)技術、Focus Areaアプローチ、オープンイノベーション戦略など、各社が独自の技術優位性を確立しようとする取り組みが把握できます。パイプラインの充実度と質、臨床試験の進捗状況なども、将来の収益予測を行う上で欠かせない情報です。 ◆視点4 - 従来の事業領域を超えた取り組み 研究開発活動の記載を確認すると、意外な研究を行っている企業を発見することもあります。例えば、アステラス製薬の有価証券報告書には、米国での心不全管理デジタルヘルスDIGITIVAの初期販売開始や、体内埋め込み型医療機器の開発など、従来の医薬品の枠を超えた取り組みが記載されています。また、武田薬品工業の有価証券報告書には、東北大学創薬戦略推進機構との臨床試験ネットワーク構築など、学術分野との協業による研究開発力強化の取り組みが読み取れます。 研究開発費分析を活かすために ◆投資家向けの視点 R&D比率の推移から経営の研究開発に対する姿勢と一貫性を確認し、パイプラインの充実度と臨床試験の進捗状況から将来の収益予測を行い、技術的優位性と差別化戦略から競争優位性の持続可能性を評価することが重要です。特に、医薬品業界については、研究開発投資の回収には長期間を要するため、研究開発費の単なる金額の大小だけでなく、10年後、20年後を見据えた長期的で多面的な視点での投資判断が求められます。 ◆就職活動中の理系学生向けの視点 各社の研究開発費やR&D比率、注力領域、そして10年間の推移を比較することで、自身のキャリアビジョンに合致する企業を見極める材料となります。自分が取り組みたい研究テーマや技術領域に積極的に投資している企業、研究開発戦略が明確で一貫性のある企業を選定することで、長期的なキャリア形成につながることが期待されます。有価証券報告書の研究開発活動の記載を丁寧に読み解くことで、企業の真の研究開発力と将来性を見極めることができるでしょう。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した医薬品業の研究開発費データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「医薬品業の研究開発費TOP30」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 今回の分析では有価証券報告書の記載内容から企業を読み解く重要性をご紹介しましたが、実際に各社の有価証券報告書から必要な情報を探し出すことは容易ではありません。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、複数企業の研究開発に関する記載内容を一覧で確認できるほか、「ワクチン」「ADC技術」といった、気になるキーワードで検索し、該当箇所を瞬時に表示できる検索機能などを用意しています。さらに、研究開発費やR&D比率などのデータと組み合わせた多角的な分析も可能です。本記事以外のデータが必要な場合や、就職活動での活用にご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 企業情報データベースeolは多くの大学で導入されており、学生・教職員の方はご所属機関を通じてご利用いただける場合がございます。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2025.11.20 DL資料企業ランキング【2025年11月】時価総額ランキング 電気機器編|半導体関連企業が10年で最大45.9倍に拡大
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場している電気機器業の決算日時点の時価総額データ(最新と2020年、2015年)を抽出し、業種ランキング表としてまとめました。 電気機器業界全体の時価総額 ー 10年間で1.9倍、TOP30社は2.2倍拡大 今回の集計では、2025年、2020年、2015年の3時点における電気機器業界の時価総額を比較しました。各時点で250社以上の上場企業が存在しており、業界全体の時価総額は10年間で拡大しています。 業界全体の動向 電気機器業界全上場企業の時価総額合計は、2015年が約73兆円、2020年が約68兆円、2025年が約142兆円となっており、2015年から2020年にかけては一時的に減少したものの、2020年から2025年にかけて約2.1倍、10年間全体では約1.9倍の拡大となっています。 また、1社あたりの時価総額平均は、2015年の約2,785億円から2020年の約2,542億円、2025年には約5,522億円へと拡大しており、特に直近5年間での業界全体の底上げが顕著です。 TOP30社の動向 TOP30社の時価総額合計は以下の通りです。 【2025年】 約127.3兆円(業界全体の約89%) 【2020年】 約58.3兆円(業界全体の約85%) 【2015年】 約57.6兆円(業界全体の約79%) TOP30社の時価総額合計は10年間で約2.2倍に拡大しており、業界全体の伸び(約1.9倍)を上回っています。また、TOP30社が業界全体に占める割合は2015年の79%から2025年には89%へと上昇しており、上位企業の時価総額拡大が進んでいることが確認できます。また、TOP30社の時価総額平均は2015年の約1.9兆円から2025年には約4.2兆円へと約2.2倍に拡大しており、上位企業の規模拡大が確認できます。 10兆円超企業の出現 特筆すべきは、10兆円を超える企業が2015年にはゼロだったのに対し、2025年には3社(ソニーグループ、日立製作所、キーエンス)が出現したことです。この3社の時価総額合計だけで約53.8兆円に達し、2015年のTOP30社合計(約57.6兆円)に匹敵する規模となっており、業界トップ企業の企業価値向上を示しています。 業界構造を見ると、従来の総合電機メーカーに加え、半導体関連企業や精密機器メーカーなど、特定分野に特化した企業の存在感が高まっており、10年間で業界全体が大きく変化しています。 TOP3企業の時価総額 ー 10年間で最大6.2倍、ソニーグループが首位維持 上位3社は10年間で顕著な時価総額拡大を遂げており、それぞれ3.6倍から6.2倍という拡大を記録しています。特に2020年以降の5年間では、日立製作所が約5.2倍という拡大を遂げています。 ソニーグループ株式会社 2015年に3兆7,316億円で6位、2020年に8兆973億円で首位、2025年には23兆1,540億円で首位を維持しました。10年間で約6.2倍の拡大を達成しています。2015年から2020年の5年間で約2.2倍、2020年から2025年の5年間で約2.9倍と、継続的な拡大を続けています。 株式会社日立製作所 2015年に3兆9,789億円で4位、2020年に3兆402億円で6位と一時的に順位を下げましたが、2025年には15兆8,388億円まで拡大し第2位となりました。特に2020年から2025年にかけて約5.2倍の拡大を記録しており、事業構造改革の成果が表れています。 株式会社キーエンス 2015年に4兆1,345億円で3位、2020年に7兆6,780億円で2位、2025年には14兆8,186億円で3位となりました。10年間で約3.6倍の拡大を遂げ、常に上位3位以内を維持する安定した拡大を続けています。 半導体関連企業の顕著な時価総額拡大 ー 10年間で最大45.9倍、業界構造の変化をリード 今回の分析で特に注目すべきは、半導体製造装置や検査装置を手がける企業の拡大です。 レーザーテック株式会社 2015年に約399億円(TOP30圏外)、2020年に9,579億円(19位)、2025年には1兆8,301億円(16位)と、10年間で約45.9倍という極めて顕著な拡大を記録しています。半導体製造装置の中でも、特に検査装置分野での技術優位性が市場から高く評価されてることが推察されます。 株式会社アドバンテスト 2015年は約3,031億円(TOP30圏外)でしたが、2020年に8,661億円(22位)でランクイン、2025年には4兆9,585億円(8位)へと拡大しました。10年間で約16.4倍、2020年から2025年の5年間でも約5.7倍の拡大を遂げています。 東京エレクトロン株式会社 2015年に1兆5,139億円(13位)、2020年に3兆2,000億円(4位)、2025年には9兆4,845億円(4位)まで拡大しました。10年間で約6.3倍の拡大を記録し、2015年から2020年にかけて順位も9ランク上昇、それ以降も4位を維持しています。 電気機器業界の構造変化と今後の展望 10年間のデータを分析すると、電気機器業界では明確な構造変化が進んでいます。半導体製造装置や検査装置メーカーの時価総額が大幅に増加しており、これらの企業は2015年から2025年にかけて数倍から十数倍の成長を遂げています。 一方で、総合電機メーカーの中には相対的な順位を下げた企業も見られます。パナソニックホールディングス株式会社は2015年に3兆8,685億円(5位)でしたが、2020年に2兆240億円(10位)、2025年には4兆3,481億円(10位)となっており、10年間で時価総額が増加しているものの、半導体関連企業の急成長により相対的な順位が変動しています。 キヤノン株式会社、富士通株式会社、三菱電機株式会社など、従来からの大手電機メーカーは安定した時価総額を維持しながらも、業界全体での順位変動が見られます。キーエンスやファナック株式会社など、高付加価値製品を提供する精密機器メーカーは、10年間を通じて安定した成長を維持しています。 AI、IoT、自動運転などの技術進化が進む中、半導体関連企業への注目度は今後も継続することが予想されます。 データのご案内 本記事の分析に使用した時価総額データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「電気機器業の3時点におけるTOP30」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界分析、業界動向の調査等にご活用いただけるデータベースをご提供しております。さらにデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。
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2025.11.20 DL資料企業ランキング【2025年11月】現金及び預金増加率ランキング サービス業編|資本配分戦略への関心高まる
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場しているサービス業のうち5年間の増加率上位30社の現金及び預金データを抽出し、ランキング表としてまとめました。 サービス業全体の現預金動向 ー 240社中約8割が増加、財務戦略が二極化 今回の集計では、2019年(2019年7月~2020年6月決算)と2024年(2024年7月~2025年6月決算)を比較し、サービス業全体240社の5年間増加率を算出しました。 データ分析の結果、240社中186社(全体の約8割)で現金及び預金が増加していました。増加を記録した企業の増加率の分布を見ると、500%超が3社、300%超500%以下が6社、200%超300%以下が11社、100%超200%以下が40社となっており、5年間で現金及び預金が2倍以上になった企業が相当数存在することが分かりました。一方、54社(全体の約2割)では減少しており、企業ごとの財務戦略の違いが明確に表れています。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 ※ サービス業の社数算出について 2019年と2024年のデータ(現金及び預金/有利子負債)が取得できた連結決算企業のみ算出し、期間中の新規上場企業及び上場廃止企業は含んでおりません。 TOP30企業分析 ー 増加率180%超、首位は約19倍の増加 増加率上位30社に注目すると、すべての企業が180%を超える高い増加率を達成しています。トップ企業は約19倍、30位でも約2.8倍に増加しており、平均増加率は約316%と非常に高い水準となっています。 第1位:株式会社アンビスホールディングス 増加率1,861.9%で圧倒的な首位を獲得しました。4億5,200万円から88億6,800万円へと84億1,600万円増加しており、5年間で約19倍という突出した成長を記録しています。 第2位:ポラリス・ホールディングス株式会社 増加率613.6%で第2位となりました。10億5,300万円から75億1,400万円へと64億6,100万円増加し、5年間で約7倍の成長を記録しています。 第3位:バーチャレクス・ホールディングス株式会社 増加率556.3%で第3位にランクインしました。2億800万円から13億6,500万円へと11億5,700万円増加し、5年間で約6.5倍の成長を記録しています。 現金及び預金増加の評価 ー 財務安全性と資本効率性のトレードオフ 現金及び預金の増加は、企業の財務状況を評価する上で両面から検討する必要があります。 財務安全性の向上: 流動性の確保により不測の事態や景気変動への対応力が向上し、M&Aや設備投資の機会を逃さない体制を構築できます。また、金融機関や取引先からの信用力も向上します。 資本効率性への懸念: 現金及び預金は利回りが低く、ROE低下の要因となります。成長投資や株主還元に回すべき資金が滞留することで機会損失が発生し、市場から「資金を有効活用していない」との指摘を受ける可能性があります。 有利子負債から見る財務戦略 ー 3つの企業動向 さらに別の側面から企業の財務戦略を分析するため、今回は各企業の返済が必要な借入額(有利子負債)と現金及び預金のバランスを確認しました。有利子負債から現金及び預金を差し引いた「純有利子負債(有利子負債−現金及び預金)」がマイナス(▲)の場合、実質無借金経営と言われます。 動向1:実質無借金経営を強化・維持する企業 綜合警備保障株式会社:<2019年>▲12兆307億円 ⇒ <2024年>▲13兆5,482億円へと実質無借金経営を強化 株式会社リクルートホールディングス:<2019年>▲2,846億円から<2024年>▲8,076億円へと実質無借金経営を強化 セコム株式会社:<2019年>▲5,010億円 ⇒ <2024年>▲5,054億円へと実質無借金経営を維持 動向2:有利子負債を増加させる企業 株式会社ワールドホールディングス:<2019年>363億円 ⇒ <2024年>859億円へと496億円増加 株式会社アンビスホールディングス:<2019年>21億円 ⇒ <2024年>244億円へと223億円増加 株式会社共立メンテナンス:<2019年>930億円 ⇒ <2024年>1,486億円へと556億円増加 動向3:有利子負債を減少させる企業 株式会社電通グループ:<2019年>6,239億円 ⇒ <2024年>5,473億円へと766億円減少 株式会社エイチ・アイ・エス:<2019年>2,459億円 ⇒ <2024年>1,991億円へと468億円減少 リゾートトラスト株式会社:<2019年>693億円 ⇒ <2024年>80億円へと613億円減少 財務戦略の3分類 ー サービス業の約4割が「現預金・有利子負債の同時増加」型 現金及び預金と有利子負債から分析した結果、今回のデータからは、企業の財務戦略が大きく3つのパターンに分かれることが確認できました。 <パターン1> 財務健全化型(現預金増加・有利子負債減)|全体の約3割 財務健全化を優先し、現金及び預金を増やしながら有利子負債を削減している企業です。パーソルホールディングス株式会社は現金及び預金が約46億円増加する一方、有利子負債を約407億円削減し、財務健全化を大幅に進めました。このパターンは財務安全性が大幅に向上する反面、積極的な成長投資を控えている可能性があります。78社(全体の約3割)がこのパターンに該当します。 <パターン2> バランス成長型(現預金増加・有利子負債増加)|全体の約4割 事業拡大のために借入を増やしつつ、現金及び預金も確保している企業です。株式会社ワールドホールディングスや株式会社共立メンテナンスがこのパターンに該当します。成長戦略を推進しながら財務の安全性も確保するバランス型の戦略と言えます。107社(全体の約4割)がこのパターンに該当し、最も多い財務戦略となっています。 <パターン3> 積極投資・還元型(現預金減少)|全体の約2割 積極的な設備投資や事業拡大、株主還元を優先し、現金及び預金が減少している企業です。このような企業は現金及び預金を「有効活用している」との見方もできますが、財務安全性の低下リスクも存在します。54社(全体の約2割)がこのパターンに該当します。 資本配分戦略の重要性 ー ガバナンス改革と説明責任の高まり 今後、現金及び預金と有利子負債のバランスをどのように最適化していくかが、各企業の重要な経営課題となることが予想されます。コーポレートガバナンス改革の実質化に関する議論が進む中、投資家や市場関係者からの関心がさらに高まっており、各企業には保有理由の合理性、成長投資への具体的な活用計画、株主還元政策とのバランス、資本効率性の改善策など、資本配分戦略に関する丁寧な説明が求められる局面を迎えていると考えられます。 特に実質無借金経営の企業や、現金及び預金が大幅に増加した企業については、その保有理由や今後の活用方針について、株主や投資家に対する透明性のある説明が重要になると考えられます。企業の資本政策における透明性の向上が、今後の重要な経営課題として位置づけられていくものと見込まれます。 データのご案内 本記事の分析に使用した現金及び預金増加率データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「サービス業における5年間増加率TOP30」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界分析、業界動向の調査等にご活用いただけるデータベースをご提供しております。さらにデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。