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2026.7.10 DL資料業種ランキング【2026年7月】ナフサリスク記載が48.1%増加!売上原価率ランキング|今後の時系列分析への活用に
当社では、2026年6月にマクロ経済の視点からナフサを含めた国内企業物価指数の経済統計記事を公開し、市場全体における原材料価格の高騰トレンドを分析しました。今回は、そのマクロな市場動向が個別企業の経営やディスクロージャーにどのような変化をもたらしているかという「別の切り口(ミクロ視点)」から、新たな調査を実施しました。 具体的には、当社が保有する企業情報データベースeolのキーワード検索機能を活用し、2026年3月期に提出された上場企業の有価証券報告書を対象に、「事業等のリスク」項目にて原材料であるナフサの価格変動に言及している企業を抽出し一覧化いたしました。 有価証券報告書の「事業等のリスク」における「ナフサ」の記載は、原材料価格の動向が事業継続性に与える影響を企業がどれだけ重く受け止めているか、その危機意識や感応度の高さを示すものです。本レポートでは、世界的なエネルギー価格の不安定化という外部リスクに直面する中で、警戒を強めている業界・企業があるのかを検証します。 さらに、ナフサ価格変動の影響を測る「基準値(ベースライン)」として、2026年3月期時点の売上原価率を確認します。本格的な価格変動が反映される前の数値を現時点で把握しておくことで、今後の時系列分析における活用の幅を考察いたします。 有価証券報告書(2026年3月期)のリスク情報に「ナフサ」を記載する企業が48.1%増加、製造業を中心に広がる価格変動への警戒感 化学製品の基礎原料であるナフサの価格変動は、製造業の収益性に直接影響を与えます。 2026年3月期の有価証券報告書を分析したところ、リスク情報に「ナフサ」を記載する企業は前年の54社から80社へと48.1%増加しました。前年から継続記載している10業種を中心に、開示企業数がさらに増加し20業種と倍増しています。 特にエネルギー価格の影響を受けやすい業種では、調達コストの安定化が喫緊の課題となっていると考えられます。各社の開示からは、製品価格への転嫁遅れに対する懸念や安定調達への戦略的な動きが読み取れます。このように記載企業数が大幅に増加した背景には、原材料価格の変動に対する感応度や価格転嫁の体制を、投資家へより透明性を持って伝えようとする各社の姿勢が反映されていると推察されます。 【業種別データ】有価証券報告書における「ナフサ」言及状況の業種一覧 2026年3月期決算の有価証券報告書でリスク情報に「ナフサ」記載がある上場企業を業種別に抽出し、前年度(2025年度)からの推移をまとめた全リストは以下の通りです。 業種名 25年記載社数 26年記載社数 化学 40社 46社 卸売業 1社 5社 石油・石炭製品 4社 4社 精密機器 2社 3社 機械 1社 3社 非鉄金属 1社 2社 サービス業 0社 2社 その他製品 1社 1社 パルプ・紙 1社 1社 繊維製品 1社 1社 陸運業 1社 1社 ガラス・土石製品 0社 1社 医薬品 0社 1社 小売業 0社 1社 情報・通信業 0社 1社 食料品 0社 1社 鉄鋼 0社 1社 電気機器 0社 1社 不動産業 0社 1社 輸送用機器 0社 1社 その他(非公開企業) 1社 2社 総計 54社 80社 これらの業種は、一見するとナフサの直接的な消費や調達との関連性が相対的に低いように見える業界も含んでいます。しかし、2026年3月期において新たに開示がなされた背景には、マクロ経済における石油化学製品や燃料価格の高騰が、サプライチェーンやパッケージ原材料、物流コスト、あるいは電気料金といった「間接的なコスト上昇」を通じて、自社の事業収益に影響を及ぼし始めている現状が垣間見えます。 従来は経営リスクとして明記していなかった業種に属する企業であっても、外部環境の急速な変化を重く受け止め、株主や投資家への透明性を高める目的から開示を拡充する動きが進んでいると考えられます。これらの業種に属する企業では、今後はマージン確保のための柔軟な価格転嫁や、コストコントロールといったリスクヘッジ策がより重要視されると考えられます。 2026年3月期データに基づくトップ業種の原価構造検証と、今後の時系列分析への活用 上記の一覧のようにリスク開示を行う裾野が広がる一方で、依然として言及企業数が圧倒的多数(46社)を占める「化学」業種内において、特に連結売上原価率が高い上位10社を抽出し、その構造を検証しました。売上原価率は製造業における原材料比率を示す重要な指標であり、ナフサ価格変動の影響度を測る指標として活用できます。 売上原価率が高い上位10社(化学・2026年3月期連結決算企業) 順位 社名 連結売上原価率 1 共和レザー㈱ 83.51 2 新日本理化㈱ 83.41 3 東京インキ㈱ 83.35 4 田岡化学工業㈱ 82.61 5 森六㈱ 81.93 6 ㈱日本触媒 80.73 7 リケンテクノス㈱ 80.50 8 UBE㈱ 77.62 9 ウェーブロックホールディングス㈱ 77.12 10 三井化学㈱ 76.81 ※上記ランキングは、事業リスクに「ナフサ」と記載されている化学業種46社のうち、2026年7月6日時点でeolデータベースに収録されている連結売上原価率より作成しております。 なお、今回用いた売上原価率は、2026年3月期有価証券報告書に基づいたデータです。現時点では、最新のナフサ価格変動の影響が損益計算書上の原価に本格的に反映される前段階である可能性も考えられます。そのため、今回のデータは現時点の収益構造を確認するだけでなく、今後提出される四半期決算短信や次期の有価証券報告書など、継続的な時系列分析における「ベースライン(基準値)」として活用いただくことが有益であると考えられます。 2026年3月期の決算データを通じて各社のスタートラインの原価構造を把握し、今後の時系列変化を追跡することで、企業の「価格交渉力」や「外部環境への適応力」をより精緻に評価できる可能性があると考えられます。 データについて ※本記事は、2026年7月6日時点の企業情報データベース「eol」より抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.6.17 DL資料業種ランキング【2026年6月】12月決算上場企業の業種別営業利益率ランキング|労働生産性で見る付加価値創出力
当社が保有する企業情報データベースeolおよび人的資本パッケージより、2025年12月期決算の連結財務データを取得できる企業を抽出し、業種別の売上高営業利益率と労働生産性をまとめました。 本記事では、まず業種別の売上高営業利益率ランキングを確認し、そのうえで補足指標として労働生産性を用いて、営業利益率と付加価値創出力の関係を考察します。 売上高営業利益率は、売上高に対して営業利益がどの程度残っているかを示す指標です。一方、労働生産性は、従業員1人当たりでどれだけの付加価値を生み出しているかを確認するための指標です。 無駄なく効率的に働き(労働生産性の向上)、高い付加価値を生み出すことで、最終的に会社に残る儲けの割合(営業利益率)が高い業界、企業があるのか考察します。 業種別営業利益率ランキング|鉱業49.11%、証券・商品先物取引業42.63%で上位 まず、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別の平均売上高営業利益率を確認しました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率が最も大きい業種は、鉱業の49.11%でした。次いで、証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%、不動産業が19.67%、精密機器が13.77%となっています。 業種別 平均売上高営業利益率ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 医薬品 258,123 62,118 24.07 ▲31,609,711 4 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 5 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 6 情報・通信業 40,278 4,877 12.11 3,057,833 7 その他製品 130,919 15,137 11.56 2,933,432 8 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 9 電気機器 263,124 28,260 10.74 1,129,631 10 ゴム製品 1,514,027 144,626 9.55 4,805,662 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 鉱業は、平均売上高が1,093,403百万円、平均営業利益が536,968百万円、平均売上高営業利益率が49.11%となりました。今回の対象業種の中では、売上高に対して営業利益が大きく残る業種として表れています。 証券、商品先物取引業は、平均売上高が27,283百万円、平均営業利益が11,631百万円、平均売上高営業利益率が42.63%となりました。売上規模は鉱業と比べて小さいものの、売上高に対する営業利益の割合は高い水準です。 また、医薬品は営業利益率が24.07%で3位となりました。一方で、平均労働生産性は▲31,609,711円となっており、営業利益率と労働生産性が同じ方向に表れていない点が特徴的です。このような違いを確認するため、次章では補足指標として労働生産性を見ていきます。 労働生産性分析|鉱業が1億6,824万円でトップ 営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。収益性を見るうえで分かりやすい一方、企業がどの程度の人員規模で付加価値を生み出しているかまでは把握しにくい面があります。 そこで、補足指標として労働生産性を確認します。 業種別 平均労働生産性ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 4 小売業 112,207 9,805 8.74 9,140,858 5 輸送用機器 763,534 42,434 5.56 7,492,487 6 化学 385,612 31,933 8.28 7,380,583 7 繊維製品 31,998 2,482 7.76 6,933,320 8 電気・ガス業 159,436 8,956 5.62 6,538,667 9 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 10 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 労働生産性ランキングでも、鉱業と証券、商品先物取引業が上位となりました。特に鉱業は、営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの双方で1位となっており、売上高に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の両面で高い水準にあります。 一方で、営業利益率ランキング3位の医薬品は、労働生産性ランキングでは上位に入りませんでした。営業利益率は売上高に対する営業利益の割合であるのに対し、労働生産性は粗付加価値を従業員数の2期平均で割って算出します。そのため、営業利益率が高い業種であっても、粗付加価値や従業員数の構成によって、労働生産性の水準は異なることが考えられます。 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの比較|上位業種は一部共通するが順位は一致しない 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングを比較すると、上位業種には一部共通する業種が見られる一方で、順位が大きく異なる業種もあります。 営業利益率ランキング上位業種と労働生産性の比較 業種 営業利益率順位 平均売上高営業利益率[%] 労働生産性順位 平均労働生産性[円] 鉱業 1 49.11 1 168,247,179 証券、商品先物取引業 2 42.63 2 64,347,017 医薬品 3 24.07 27 ▲31,609,711 不動産業 4 19.67 3 37,343,873 精密機器 5 13.77 9 6,126,900 情報・通信業 6 12.11 19 3,057,833 その他製品 7 11.56 20 2,933,432 食料品 8 11.02 10 6,105,191 電気機器 9 10.74 25 1,129,631 ゴム製品 10 9.55 11 4,805,662 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率・労働生産性のいずれも上位となりました。売上高に対して利益を残しやすく、かつ従業員1人当たりの付加価値創出力も高い業種として表れています。 一方、医薬品は営業利益率では3位ですが、労働生産性では27位となりました。また、電気機器は営業利益率では9位ですが、労働生産性では25位となっています。 このように、営業利益率が高い業種であっても、労働生産性が同じように上位になるとは限りません。営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」を示し、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。 そのため、営業利益率を見る際には、補足指標として労働生産性をあわせて確認することで、業種ごとの収益性と付加価値創出力をより多面的に把握できると考えられます。 労働生産性トップの㈱INPEXは鉱業平均の約1.9倍 次に、個別企業の事例として、今回の集計で労働生産性が最も大きかった㈱INPEXを確認します。 ㈱INPEXは、東証業種分類では鉱業に属しています。同社の数値を鉱業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 鉱業平均 ㈱INPEX 比較 売上高[百万円] 1,093,403 2,095,451 約1.9倍 営業利益[百万円] 536,968 1,063,342 約2.0倍 売上高営業利益率[%] 49.11 50.74 +1.63ポイント 労働生産性[円] 168,247,179 317,197,459 約1.9倍 ㈱INPEXの労働生産性は317,197,459円で、鉱業平均の168,247,179円に対して約1.9倍の水準となりました。また、売上高営業利益率も50.74%と、鉱業平均の49.11%を1.63ポイント上回っています。 この結果から、㈱INPEXは所属業種である鉱業の中でも、売上規模、営業利益規模、営業利益率、労働生産性のいずれも大きい水準にあることが確認できます。 鉱業は、資源開発や生産設備、権益、国際的な資源価格などの影響を受けやすい業種と考えられます。㈱INPEXについては、売上高・営業利益ともに鉱業平均を大きく上回っており、粗付加価値を従業員数の2期平均で割った労働生産性も高い水準に表れています。 このように、㈱INPEXの事例では、営業利益率の高さと労働生産性の高さが同じ方向に表れており、売上に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の双方が大きい水準にあると推察されます。 ㈱メタプラネットは営業利益率70.60%でも労働生産性はマイナス値 次に、今回の集計で労働生産性が最も小さい値となった㈱メタプラネットを確認します。 ㈱メタプラネットは、東証業種分類では卸売業に属しています。同社の数値を卸売業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 卸売業平均 ㈱メタプラネット 比較 売上高[百万円] 132,803 8,905 卸売業平均の約6.7% 営業利益[百万円] 7,111 6,287 卸売業平均の約88.4% 売上高営業利益率[%] 5.35 70.60 +65.25ポイント 労働生産性[円] ▲185,484,645 ▲3,639,961,539 マイナス方向に大きい値 ㈱メタプラネットは、売上高が8,905百万円で、卸売業平均の132,803百万円に対して約6.7%の水準です。一方、営業利益は6,287百万円で、卸売業平均の7,111百万円に近い水準となっています。 そのため、売上高営業利益率は70.60%と、卸売業平均の5.35%を大きく上回る結果となりました。 一方、労働生産性は▲3,639,961,539円となり、卸売業平均の▲185,484,645円と比較しても、マイナス方向に大きい値となっています。 この結果は、営業利益率が高い企業であっても、労働生産性が同じ方向に表れるとは限らないことを示す事例といえます。 特に、㈱メタプラネットのように、営業利益率が非常に大きい一方で労働生産性がマイナスとなっている企業では、営業利益だけでなく、粗付加価値の構成や従業員数との関係を確認する必要があります。 この事例からも、営業利益率のみでは、粗付加価値ベースの付加価値創出力を十分に説明できない可能性があると考えられます。 総論|営業利益率と労働生産性を組み合わせることで、収益性と付加価値創出力を多面的に把握 本記事では、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別営業利益率ランキングを確認したうえで、補足指標として労働生産性を用いた分析を行いました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率は鉱業が49.11%で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%となりました。 一方、労働生産性では、鉱業が168,247,179円で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が64,347,017円、不動産業が37,343,873円となりました。 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率と労働生産性の双方で上位に位置しており、収益性と付加価値創出力の両面で高い水準が確認できます。一方、医薬品や電気機器のように、営業利益率では上位に入っていても、労働生産性では順位が異なる業種も見られました。 営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。個別企業分析で示したように両者を組み合わせて確認することで、企業や業種の収益性と生産性をより多面的に把握できると考えられます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した営業利益率ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の開示書類を効率的に閲覧する機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 また、人的資本パッケージでは、有価証券報告書の企業情報(数値データ等)、人的資本に関するデータと「しょくばらぼ」のデータを一覧化しており、調査や分析に活用していただくことが可能です。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事は、企業情報データベース「eol」および人的資本パッケージより抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.4.24 DL資料業種ランキング【2026年4月】業種別 ROEランキング|資本効率と財務健全性の相関から読み解く「経営タイプ」
当社が保有する企業情報データベースeolより、全上場企業(連結財務諸表ベース)の当期純利益、自己資本、総資産を用いて、ROE(自己資本利益率)を中心に企業の資本効率と安全性を読み解いてみました。 業種別の傾向に加え、高ROEの背景にある負債活用の見方なども整理しています。 ROE(自己資本利益率)の判定基準と資本効率を客観的に評価するための補足指標の役割 2026年現在、日本市場で注目されている財務指標の1つは「ROE(自己資本利益率)」です。東京証券取引所による「資本コストや株価を意識した経営」の要請以降、企業には単なる利益の額ではなく、投資家から預かった資本をいかに効率よく回したかという「資本効率」が問われています。 ROE(自己資本利益率) 指標の説明 計算式 単位 株主から預かったお金(自己資本)を使って、 企業がどれだけ効率的に利益(当期純利益)を稼げたかを示す指標 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 % 一般的には「8%」が優良企業の最低ライン(伊藤レポート基準)とされ、「10%〜15%」を超えるとグローバル水準でも極めて効率的な経営を行っていると判定されています。 しかし、ROEは「借金を増やして自己資本(分母)を小さく見せる」ことでも、表面上の数値を上げられてしまうことから、ROEの数値が高いからといって、無条件に優良企業と判断するのは危険です。そこで、ROEの「中身(質)」を正しく評価するために不可欠なのが、ROE分析時の補足指標と言われている「自己資本比率」です。 自己資本比率 指標の説明 計算式 単位 会社の全資本(総資産)のうち、銀行からの借入金など ではない「返済不要の自己資本(純資産)」が占める割合を示す指標 自己資本 ÷ 総資産 × 100 % この指標は、総資産のうち「返済不要な自分の資金」が占める割合を示します。 ROE(効率性)が高くても、自己資本比率(安全性)が極端に低い場合、それは「過大な借金によって無理に効率を上げている状態」かもしれません。 この二つの指標を組み合わせることで、その企業の収益が「本業の稼ぐ力によるものか(良質なROE)」、あるいは「財務リスクを負ったレバレッジによるものか(注意すべきROE)」を判別できるようになります。 業種別の収益性トレンドと構造的要因|高ROEを導く「資産を抑えた経営」の優位性 上場全33業種の連結ベース(赤字企業除外)におけるROE平均は10.3%となりました。この結果は、日本企業がグローバル水準の高いハードルを安定的に超え始めていることを示しています。ROEランキングの上位業種は下記の業種です。 上位2業種(サービス、情報・通信)に共通するのは、大規模な工場や店舗といった物理的な資産を最小限に抑える「資産を抑えた経営」という構造的な強みです。個別企業では、サービス業の㈱リログループ(ROE 63.5%)や、第5位の小売業(ROE 11.3%)に属する㈱ZOZO(ROE 45.9%)が代表例です。これらの企業は負債への依存度を低く保ちながら高収益を創出しており、金利上昇による支払利息増のリスクを抑えた、極めて強固な収益構造を維持していると推察されます。 一方、第3位の海運業は、保有資産は大きいものの、近年の世界的な運賃高騰という外部要因が利益を急拡大させ、資本効率を一時的に大きく押し上げたものと考えられます。 財務構成から見るROEの持続性|市場環境の変化に即した負債活用と収益リスクの検証 ROEを主役として見る際、決して見落としてはいけないのが「負債の活用度合い」です。ROEは、本業の儲けやすさだけでなく、「どれだけ借金(負債)を利用して効率を上げたか」という要素が含まれるからです。 「良いROE」:収益性主導型 本業の利益率が高く、無駄な資産を持たないことでROEが向上しているケース。自己資本比率も一定水準(40%以上など)を維持しており、金利上昇にも強い。 例:サービス業(ROE 14.0% / 自己資本比率 52.6%)や情報・通信業(ROE 13.8% / 自己資本比率 59.1%)。 「注意すべきROE」:財務レバレッジ主導型 本業の利益率は平凡でも、多額の借入によって自己資本を圧縮し、見かけ上のROEを上げているケース。 例:不動産業(ROE 12.9% / 自己資本比率 38.5%)や卸売業(ROE 8.9% / 自己資本比率 32.3%)。 特に、不動産業(ROE 12.9% / 自己資本比率 38.5%)のように、負債を成長の武器とする戦略は、低金利下では非常に有効な手法でした。しかし、金利がある世界に戻った現在では、利払い負担が直接的に利益を削り、ROEを圧迫するリスクとなります。 ROEの数値が高く、一見すると優良企業に見える場合でも、自己資本比率という「盾の厚さ」を併せて確認し、その効率性が「低金利という外部環境に依存したものではないか」を見極めることが、現代の企業分析には不可欠です。 ROEの「質」と「安全性」から読み解く4つの経営タイプ 本分析の主役であるROE(平均10.3%)と、補足指標である自己資本比率(平均53.0%)の平均値を基準に各業種を分析すると、各業種が「収益効率」と「金利耐性」のどちらのタイプに寄っているかが見えてきます。 【収益性・健全性高水準】効率的経営タイプ ROE 10.3%超 かつ 自己資本比率 53.0%超という、全業種平均をいずれも超える領域に位置し、強力な稼ぐ力と金利上昇に揺るがない財務基盤を両立した、理想的な資本効率を誇るタイプです。 代表業種:情報・通信業(ROE 13.8% / 比率 59.1%) 個別事例:㈱オービック(情報・通信業 / ROE 14.8% / 自己資本比率 91.0%) このタイプを象徴する情報・通信業の中でも、独自のソフトウェア資産を持つ企業は、負債に頼らず高い資本効率を実現しています。金利上昇局面においても利払い負担増のリスクがほぼなく、自前で次なる成長投資を行える「勝ち残り」の筆頭とも言えるポジションです。 【収益性重視・積極投資】負債活用型タイプ ROE 10.3%超 という高い資本効率を維持しつつ、自己資本比率は平均の 53.0%未満 という領域に位置し、負債を成長のテコ(レバレッジ)として活用することで自己資本利益率を引き上げているタイプです。 代表業種:サービス業(14.0% / 52.6%)、海運業(13.7% / 48.5%) 個別事例: ㈱リログループ(サービス業 / ROE 63.5% / 自己資本比率 22.1%) 業種平均(サービス業)は全業種平均をわずかに下回る位置にありますが、個別企業ではさらに積極的に負債を活用し、高いROEを叩き出すケースが目立ちます。金利コスト増を上回る事業成長を継続できるかが分析の焦点に置かれます。 【健全性重視・中長期投資】内部留保蓄積タイプ 自己資本比率 53.0%超 という高い安全性を保持する一方で、ROEは平均の 10.3%未満 という領域に位置し、現在は収益効率よりも将来の投資や不況への耐性を優先して資本を蓄積しているタイプです。 代表業種:精密機器(8.8% / 62.1%)、医薬品(8.4% / 66.4%) 個別事例:テルモ㈱(精密機器 / ROE 8.9% / 自己資本比率 67.5%) 長期的な研究開発や設備投資が必要な業界に多く見られます。短期的なROEは平均を下回りますが、強固な財務基盤(盾)を持つため、金利上昇や景気後退局面でも事業を継続し、次世代のイノベーションを狙える持久力が特徴です。 【社会基盤・安定収益】資本集約型タイプ ROE 10.3%未満 かつ 自己資本比率 53.0%未満 という、全業種平均をいずれも下回る領域に位置し、巨額の設備資産を前提としながら、資本効率の追求以上に社会インフラとしての継続性が重視されるタイプです。 代表業種:電気・ガス業(10.2% / 38.4%)、陸運業(7.6% / 36.8%) 個別事例:東日本旅客鉄道㈱(ROE 6.5% / 比率 30.2%) 設備投資のための多額の借入を抱えることが前提の構造です。数値の低さを単純に批判するのではなく、インフラとしての安定したキャッシュフローやコスト管理能力が評価の主眼に置かれます。 業界標準値を「モノサシ」とする多角的な企業分析の重要性 今回の分析を通じて最も強調したいのは、財務数値は、業界の標準値と比較して初めて、その真のカラーが見えてくるということです。 例えば、自己資本比率が30%台という数字一つをとっても、それが不動産業であれば「業界標準に沿った適切なリスクテイク」と評価されますが、精密機器業界においては「業界平均を大きく下回る深刻な事態」と解釈されるかもしれません。同様に、ROE 10%という数値も、アセットライトなIT業界では「さらなる向上が期待される水準」であり、インフラ業界であれば「極めて優秀な効率性」と捉えることができます。 数字は単なる結果ではなく、その企業が選んだ「戦略の履歴書」です。 就活生や転職希望者にとっては、志望企業の言葉やイメージの裏側にある「稼ぎ方の本質」を見極める武器として、ビジネスマンにとっては、金利上昇という新たな荒波の中で「本当に勝ち抜く企業」を選別するための判断基準として、このROEを主軸とした二軸分析の視点を、ぜひ日々の企業・業界分析に活用してください。客観的なデータに基づいた「精緻なモノサシ」を持つことが、不透明な時代における最大の防御であり、最大の攻撃となるはずです。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した業種別ROEランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「全業種の平均比率やROE(自己資本利益率)TOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の開示書類を効率的に閲覧する機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 社数算出について 本記事の対象は全上場企業のうち、当期純利益、自己資本、総資産(いずれも連結)が取得可能な企業で算出しています。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.2.19 DL資料業種ランキング【2026年2月】有利子負債比率 業種ランキング |全業種平均を「比較基準」とする個社評価と、3つの財務パターン
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場企業(連結財務諸表ベース)の有利子負債、自己資本、総資産のデータを抽出し、業種別に有利子負債比率(対自己資本)、有利子負債依存度(対総資産)、自己資本比率を算出、ランキング表としてまとめました。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 ※ 算出について 本記事の対象は上場企業のうち、自己資本がマイナス(債務超過)の企業を除き、各データが取得できた連結決算企業のみを対象として、 各社ごとに算出した指標の平均値を使用、全業種平均は各社の指標を直接集計した値を算出しております。 財務戦略を評価する3つの「モノサシ」 ― 資本構成の定義 借入(有利子負債)の規模は、個々の経営方針だけで決まるものではありません。その背景には、ビジネスモデルや収益構造といった「事業の性質」という、各業界特有の共通ルールが存在しています。 本記事では、この見えにくい「業界ごとの標準的な姿」を明らかにするため、国内上場企業(連結決算ベース)を集計し、業種別に分析しました。 企業の資本構成を多角的に評価する際は、ひとつの指標だけで判断するのではなく、相互に関わり合う「以下の3つの指標」を組み合わせてバランスを把握することが不可欠です。業界全体の平均値を「モノサシ(基準)」としてこれらを読み解くことで、対象企業の数字が業界のスタンダードに沿ったものなのか、あるいは独自の戦略によるものなのかを、客観的に判断できるようになります。 ●有利子負債比率 (自己資本に対する借入の倍率を示す指標) • 計算式: 有利子負債 ÷ 自己資本 × 100 • 一般的な適正水準: 100~200%程度(業種により異なる) ●有利子負債依存度 (総資産のうち借入によって調達されている割合を示す指標) • 計算式: 有利子負債 ÷ 総資産 × 100 • 一般的な適正水準: 30~50%程度 ●自己資本比率 (総資産のうち自己資本で調達されている割合を示す指標) • 計算式: 自己資本 ÷ 総資産 × 100 • 一般的な適正水準: 40%以上が望ましいとされる(業種により異なる) これら3つの指標は、互いに密接に連動しています。 自分のお金(自己資本)が多ければ、全体に占める借入の割合(依存度)は自然と低くなります。また、同じ額の借入をしていても、自己資本をいくら持っているかで「借入の重み(比率)」の見え方は全く変わります。 これら3つをセットで見ることで、その業界がどのような戦略で動いているのか、財務の全体像がより詳細に見えてきます。 有利子負債比率ランキングTOP3業種 ― その他金融業が293.0%で首位 国内上場企業(連結決算ベース)の各指標から全業種平均を分析した結果、有利子負債比率が75.5%、有利子負債依存度が20.4%、自己資本比率が50.1%となりました。 ランキング上位に並んだ業界は「あえて借入を活用することで、自分たちのお金をより効率的に増やそうとする」という共通した特徴があります。 これは、「レバレッジ(てこの原理)」と呼ばれ、少ない手元資金に借入金を加えることで、より大きなビジネスを動かして収益を最大化させる戦略です。この戦略を積極的に取り入れている業界ほど、有利子負債比率という数字が目立って高くなる傾向にあります。 【第1位】その他金融業 (平均有利子負債比率 293.0%) リースや信販を扱うこの業界は、総資産の約4割を借入でまかなっています(依存度39.6%)。自己資本(24.1%)の約3倍を借りている計算ですが、これは「借りたお金」を設備や融資に変えて利益を出す仕組みであり、借入そのものが事業の手段と言えます。代表例として、みずほリースやNECキャピタルソリューションなどが挙げられます。 【第2位】証券、商品先物取引業 (平均有利子負債比率 158.4%) 借入そのものの割合は平均的ですが(依存度22.1%)、効率を求めて自己資本(35.6%)をあえて少なめに保っているのが特徴です。市場の動きに合わせて機動的に資金を調達し、手元の資金を余らせずに効率よく稼ぐ運営スタイルと言えます。代表例として大和証券グループ本社などが挙げられます。 【第3位】不動産業 (平均有利子負債比率 151.7%) ビルやマンションの取得に巨額の資金が必要なため、全業界で最も借入への依存度が高いのが特徴です(依存度44.0%)。一方で、資産そのものに高い価値があるため多額の借入が可能であり、自己資本(38.6%)以上に借入を活用してビジネスを動かす戦略をとっています。代表例として日本エスコン、トラストホールディングスなどが挙げられます。 上位の業界には、借入を「成長の原動力」にする共通の戦略があります。安定した収益や担保となる資産があるからこそ、積極的に借入を活用することがビジネス上の合理的な選択となっているのです。 ビジネスモデルで決まる「3つの財務パターン」 各業種の平均データを詳細に分析すると、財務戦略の型は大きく3つのパターンに分類することができます。 ① 積極借入型(高レバレッジ型) <有利子負債比率150%超、依存度20~45%前後の業種> TOP3のその他金融、証券、不動産業が該当します。自己資本以上の借入をしてビジネス規模を大きくする戦略となり、「借入そのものが多い不動産」と「効率重視で自己資本を絞る証券」という違いはありますが、いずれも外部資本が収益拡大の鍵です。このグループは、有利子負債比率の一般的な適正水準(100%以下)を大きく上回る「150%超」が標準である点が特徴です。 ② バランス型 <有利子負債比率100~150%、自己資本比率40%前後の業種> 電気・ガス、建設、小売業などがこのタイプです。発電所や店舗などの「大きな設備」を借入で作りつつ、自己資本もしっかり確保して守りを固める戦略です。例えば電気・ガス業は、借入は多めですが収益が安定しているため、高い健全性を維持できています。投資と守りのバランスを最適に保っている、最も標準的な形と言えます。 ③ 安全重視型(自己資本重視型) <有利子負債比率35%以下、自己資本比率60%前後の業種> 鉱業、鉄鋼、ゴム製品業などが該当します。借入に頼らず、手厚い自己資本をメインに運営する戦略です。これらの業界は、巨大な設備が必要な一方で、景気によって利益が変動しやすいため、あえて借入を最小限に抑えています。どんなに外部環境が厳しくなっても事業を継続できる「体力」を蓄えているのが特徴です。 金利上昇の影響 ― 業種ごとの「耐性」を読み解く 金利が上昇する局面では、業界ごとの「借入への依存度」によって、受ける影響がはっきりと分かれます。 不動産や金融、電気・ガスといった「借入への依存度が高い業界(依存度35〜45%前後)」は、金利が上がると利息の負担が増え、利益が削られやすくなる性質を持っています。ただし、こうした業界は「長期の固定金利」で借りていることも多く、すぐに影響が出るとは限りません。 一方で、借入が極めて少ない鉱業や鉄鋼などの「自己資本重視型」の業界は、金利が上がっても支払う利息がほとんど増えないため、経済の変化に強い耐性を持っています。このように各業界の標準を知っておくことは、経済ニュースが自社や投資先にどのような影響を及ぼすかを予測するための、強力な武器となります。 業種平均を知ることで見えてくる「企業の本当の姿」 借入の適正額は、事業の種類によって全く異なります。そのため、各業界の特性を知らずに、一律の基準で会社の良し悪しを判断することはできません。 例えば不動産業において、もし「借入ゼロ」にこだわれば、新しい物件を買うチャンスを逃し、ライバルに追い抜かれてしまいます。この業界では、借入を活用して大きなビジネスを動かすことこそが正しい戦略なのです。 つまり、「業界平均」は、その事業を無理なく続けるための「標準的なモノサシ」となります。このモノサシを基準にすることで、初めてその会社の数字が「業界特有の仕組み」によるものなのか、それとも「独自の攻めた戦略」によるものなのかを、正しく見分けられるようになります。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した有利子負債比率データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「全業種の平均比率や上位業種内のTOP30社」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 「有利子負債比率が高い業界」という事実だけでは、その企業の健全性を測ることは困難です。有利子負債に関連する指標を分析する際、それが「業界標準(平均)」に沿ったものか、それとも「平均から乖離した独自戦略」なのかを把握することが、企業分析の出発点になると考えられます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは、本記事で使用した指標以外にも、複数の財務指標を組み合わせた業種別比較(マクロ視点)や長期間にわたる同業他社比較(ミクロ視点)を行うことが可能です。 企業の財務戦略を適切に評価するには、業種特性を理解した上での多角的なデータ分析が不可欠です。「全業種の平均データ」から「特定企業の長期的な戦略」を比較することで、数値の背後にある企業の真の財務戦略を読み解くことが可能になると考えられます。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.1.23 DL資料業種ランキング【2026年1月】営業利益 増加額 業種ランキング|10年推移から見る日本企業の本業収益力の変化
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場企業における営業利益データを抽出し、ランキング表としてまとめました。 ※ データについて 本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しており、各企業が決算資料等で開示している値と異なる場合があります。 日本企業を取り巻く10年間の環境変化 営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益で、企業の「本業の稼ぐ力」を示す指標です。この10年間(2015年→2020年→2025年)、日本企業を取り巻く環境は大きく変化しました。 2015年時点はアベノミクス継続期で円安進行(1ドル120円前後)、2020年時点は新型コロナウイルス感染症の世界的流行とテレワーク・デジタル化の急速な進展、2025年時点は経済正常化と日銀のマイナス金利政策解除(2024年3月)、円安基調の継続(1ドル140〜150円台)という大きな転換点がありました。 業種別営業利益合計額と1社あたり平均営業利益 2015年から2025年の10年間で業種全体での営業利益合計額は:3兆9,092億円の増加、1社あたりの平均営業利益は101億円増加しました。業界全体の規模拡大とともに、企業単体の収益力も向上したことが推察されます。営業利益合計額の10年間増加額上位3業種を、業界規模と企業単体の収益力の両面から分析します。 第1位:輸送用機器 10年間増加額5兆6,666億円(伸び率82.3%) 営業利益合計額は2015年の6兆8,884億円から2025年の12兆5,550億円へと大幅に増加し、日本を代表する基幹産業の収益力向上を示しています。1社あたり平均営業利益も741億円から1,495億円へと倍増(成長率101.8%)しており、業界全体の回復力の強さが伺えます。2025年の業種内営業利益上位3社はトヨタ自動車が7兆7,441億円、本田技研工業が1兆2,135億円、スズキが6,429億円となっており、特にトヨタ自動車は2015年の2兆7,506億円から2025年には約2.8倍の7兆7,441億円へと右肩上がりの成長を遂げています。ハイブリッド車・電動車への事業転換、海外市場での販売拡大、そして生産効率化による利益率向上が、この成長を支えたと考えられます。 第2位:電気機器 10年間増加額4兆2,957億円(成長率83.5%) 営業利益合計額は2015年の5兆1,424億円から2025年の9兆4,381億円へと拡大しました。1社あたり平均営業利益は197億円から425億円へと2.2倍(成長率115.8%)に増加し、個別企業の収益力も大幅に向上しています。2025年の業種内営業利益上位3社はソニーグループが1兆4,057億円、日立製作所が8,782億円、東京エレクトロンが6,973億円となっています。特にソニーグループは2015年の646億円から2025年の1兆4,057億円と約21.8倍の急激な成長を遂げており、エンターテインメント事業とイメージセンサー事業が継続的に収益を牽引しています。デジタル化・映像化の世界的需要の拡大が業種全体の成長を支えたことが推察されます。 第3位:情報・通信業 10年間増加額2兆6,264億円(成長率54.7%) 営業利益合計額は2015年の4兆8,036億円から2025年の7兆4,300億円へと増加しました。上位3業種の中では相対的に低い成長率ですが、企業数も多く、全体的にバランスの取れた成長を遂げています。ただし1社あたり平均営業利益は163億円から154億円へと微減(成長率▲5.5%)しており、業界全体の拡大と個別企業の収益性には差異が見られます。2025年の業種内営業利益上位3社は日本電信電話㈱が1兆7,913億円、KDDI㈱が1兆911億円、ソフトバンク㈱が9,890億円となっています。テレワーク需要の拡大、クラウドサービスの普及、そしてDX投資の継続的な増加が、業界全体の営業利益を底支えしたと考えられます。 【注目業種】高成長を遂げた3業種の分析 営業利益合計額の増加額上位3業種以外で、特筆すべき業種の動向を紹介します。 海運業:全業種中最も高い成長率381.7% 1社あたりの平均営業利益で2015年の99億円から2025年の475億円へと4.8倍に増加し、全業種中最も高い成長率381.7%を記録しました。営業利益合計額も1,478億円から5,221億円へと3.5倍(成長率253.3%)に拡大しています。業種内上位3社は日本郵船が2,108億円、商船三井が1,509億円、川崎汽船が1,029億円となっており、特に商船三井は2015年の172億円から2025年には1,509億円へと約8.7倍(成長率774.6%)の驚異的な成長を遂げています。 2020年のコロナ禍では業種全体の営業利益合計が882億円まで落ち込み(2015年比▲40.3%)、日本郵船も387億円(2015年比▲41.5%)と大幅に減少しました。しかし2021年以降、世界的なコンテナ不足と運賃高騰により急速に回復し、2025年には業界全体がコロナ前を大きく上回る収益水準に達しています。海上物流の需要回復とサプライチェーンの正常化が業界全体の収益を押し上げたことが推察されます。 保険業:堅調な拡大で成長率149.7% 営業利益合計額で2015年の1兆5,465億円から2025年の3兆8,615億円へと2.5倍(成長率149.7%)に増加しました。1社あたり平均営業利益も1,406億円から2,970億円へと倍増(成長率111.3%)しており、業界規模・企業単体の両面で堅調な成長を遂げています。 業種内上位3社の成長は特に顕著で、東京海上ホールディングスは2015年の3,582億円から2025年の1兆4,600億円へと約4.1倍(成長率307.6%)、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは2,871億円から9,290億円へと約3.2倍(成長率223.6%)の拡大を達成しています。2020年のコロナ禍でも業種全体の営業利益合計は1兆4,644億円(2015年比▲5.3%)とわずかに減少しましたが、2025年には大きく回復し、10年間で大幅な成長を遂げた業種と言えます。大手保険グループの海外事業拡大と保険料収入の増加が、業種平均を押し上げたことが推察されます。 石油・石炭製品業:赤字から黒字への転換 2015年の▲4,569億円の営業赤字から2025年には3,877億円の黒字に転換し、約8,447億円の改善を遂げています。1社あたり平均営業利益も2015年の▲415億円から2025年の431億円へと転換しました。 2020年時点でも△1,027億円と依然として赤字が継続していましたが、2021年以降の資源価格上昇と円安基調により、業界全体が黒字化に成功しています。業種内企業では、ENEOSホールディングスが2015年の△1,615億円から2025年には2,415億円へ、出光興産が2015年の△850億円から2025年には795億円へと大幅な改善を遂げています。資源価格の上昇と円安による追い風に加え、事業再編や設備効率化などの構造改革が業界全体の収益性向上に寄与したと考えられます。 営業利益データの実務的活用 10年という長期スパンで動向を追うことで、日本経済における産業構造の変化、各業種の成長性と課題、外部環境変化への適応力を多面的に理解でき、さまざまな立場から実務的な活用が考えられます。 ◆経営企画・事業開発部門での活用 自社の営業利益が業種平均と比較してどの水準にあるかを確認することで、競争力を客観的に評価できます。また取引先企業の属する業種の営業利益動向を把握することで、成長業種の顧客には積極的な提案、停滞業種の顧客には慎重な与信管理といった営業戦略に活用できると推察されます。 ◆企業分析や投資判断での活用 10年間で一貫して営業利益が増加している業種は長期投資に適している可能性があります。海運業の381.7%という驚異的伸び率や、輸送用機器・電気機器の安定成長は、長期投資における業種選択の重要な判断材料となります。 ◆就職・転職活動での活用 学生や転職検討者にとっては、志望業界の長期的な営業利益トレンドを参考にすることで、将来のキャリア展開を見通すことができます。輸送用機器、電気機器、情報・通信業のように成長を示している業種では採用意欲が高く給与水準も上昇傾向にある可能性、海運業や石油・石炭製品のようにV字回復を遂げた業種では事業構造転換の中での成長機会が多い可能性が推察されます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した業種別営業利益データの一部を下記からダウンロードいただけます。このデータには、「業種別の営業利益、10年間の伸び率」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界の調査・分析等にご活用いただける企業情報データベースeolをご提供しております。本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2025.12.19 DL資料業種ランキング【2025年12月】平均年収 業種ランキング|トップは海運業1,052万円、業種別分析から見る3つの要因
当社が保有する企業情報データベースeolより、2025年11月末時点の上場企業における平均年収データを抽出し、業種ランキング表としてまとめました。 全33業種平均年収分析 ー 平均714万円に対し海運業が1.47倍と突出 上場企業の有価証券報告書より全社の平均年収を業種別に分析したところ、全33業種の業種別平均年収の単純平均は714万円となりました。業種別では「海運業(1,052万円、企業数11社)」が最も高く、全業種中で唯一1,000万円を超える水準となっています。 業種別平均年収の上位には、「証券、商品先物取引業」(974万円、企業数37社)、「保険業」(874万円、企業数14社)といった金融関連業種が並び、全業種平均(714万円)を大きく上回る水準となっています。また、「鉱業」(858万円、企業数5社)、「医薬品」(841万円、企業数80社)、「石油・石炭製品」(822万円、企業数8社)なども平均を100万円以上上回る高水準を記録しており、高度な専門知識や資格が求められる業種が上位に位置していると推察されます。 企業数と上場市場の分布を見ると、業種による特徴的な傾向が見られます。最も企業数が多い業種は「情報・通信業」の613社(業種平均674万円)で、次いで「サービス業」552社(業種平均607万円)、「小売業」339社(業種平均553万円)となっています。これらの業種は企業数が多く、東証プライム、東証スタンダード、東証グロースと多様な市場に上場している企業が混在しており、上場市場の違いが業種内での平均年収の分布に影響している可能性が考えられます。 一方、企業数が少ない業種では、「鉱業」5社や「海運業」11社が高水準を記録しており、これらの業種では主要企業の多くが東証プライムに上場していることが確認できます。業種別平均年収の上位業種ほど、東証プライムに上場している企業の割合が高い傾向が見られると推察されます。 ※ 平均年収について 2025年11月末時点の平均年収データを利用、持株会社等で平均年収を開示していない上場企業は含んでおりません。 平均年収に影響する3つの要因 - 専門性・ビジネスモデル・上場市場 業種ごとに分析すると、業種別平均年収の水準には、求められる専門性、事業展開のビジネスモデル、上場市場など、複数の要因が複合的に作用していることが見えてきます。これらの要因を個別に分析することで、各業種の給与水準の特性がより明確に理解できると推察されます。 ◆要因1 - 専門性と資格要件の高さ 「海運業」(1,052万円、企業数11社)、「証券、商品先物取引業」(974万円、企業数37社)、「保険業」(874万円、企業数14社)など上位業種は、いずれも高度な専門知識や資格(海技士、ファイナンシャルプランナー等)が求められる業種です。これらの業種では、従業員の専門性に対する評価が給与に直結している可能性が高いと推察されます。海運業の平均年収は、全33業種の業種別平均年収の単純平均(714万円)の約1.5倍という水準です。 また、「鉱業」(858万円、企業数5社)は平均の約1.2倍、「医薬品」(841万円、企業数80社)は平均の約1.2倍となっており、専門性の高さが給与水準に反映されています。医薬品業界は、研究開発に多額の投資を行う業種で、専門的な研究者や開発担当者を多数雇用する業種特性が、高い平均年収につながっていると考えられます。 ◆要因2 - ビジネスモデルによる給与水準への影響 海運業、鉱業、石油・石炭製品、電気・ガス業は、事業の中核が大規模な設備投資にあり、一般には「資本集約型産業」と呼ばれる特性を持っています。船舶、精製設備、鉱山施設、発電所といった高額な固定資産を少数精鋭の従業員で効率的に運用することで、高い付加価値を生み出すビジネスモデルが特徴です。こうした産業では、1人あたりの生産性が高く、その結果として給与水準も高くなる傾向が見られます。 建設業(771万円、企業数160社)、不動産業(747万円、企業数139社)、銀行業(756万円、企業数82社)なども、平均(714万円)を上回る水準となっており、資本集約的なビジネスモデルが高い給与水準につながっていることが考えられます。 一方、サービス業や小売業などの「労働集約型産業」は、人手による労働がビジネスの中核となります。一般的に1人あたりの付加価値生産性が資本集約型産業より低くなるため、給与水準も相対的に低くなり、サービス業(607万円、企業数552社)、その他製品(604万円、企業数108社)、水産・農林業(597万円、企業数12社)など、業種平均714万円を下回る水準となっています。ただし、労働集約型産業においても、高度な専門性やスキルを要する職種(例:コンサルティングサービスの専門職、高度なサービス提供を行う管理職など)を多数抱える企業は、当該業種の業種平均を上回る給与水準を実現している可能性があると推察されます。 ◆要因3 - 上場市場と企業規模などによる給与水準の違い 上場市場別に見ると、業種別平均年収の上位業種では、東証プライムに上場している大手企業が業種全体の平均を引き上げている傾向が見られます。例えば、海運業11社の業種内TOP3企業は、いずれも東証プライムに上場しており、これら3社の平均年収は約1,387万円と、業種平均1,052万円を大きく上回っています。このように、一部の大手企業が業種全体の平均を引き上げていると考えられます。 一方、証券、商品先物取引業37社では、東証プライムに上場している企業に加え、東証スタンダードや東証グロースに上場している企業も含まれており、多様な上場市場の企業が混在しています。この業種では、業種内TOP1位のインテグラル㈱(2,578万円、東証グロース)が業種平均974万円の2倍以上の水準を記録しており、上場市場よりも業務特性と報酬体系が給与水準に大きく影響していることが推察されます。 業種別の平均年収には大きな幅があり、この多様性は、上場市場の違いのみではなく、ビジネスモデル、専門性、企業規模といった複数の要因が複合的に作用した結果です。同じ業種内でも、企業規模、経営戦略、人材投資の方針により、平均年収は異なってくることが推察されます。 業種別平均年収トップ3業種の企業分析 - 海運・証券・保険業の特徴 業種別の傾向に加えて、業種内の企業別分析を行うことで、給与水準に影響する複数の要因がより明確になります。 【1位】 海運業(業種平均1,052万円) ― 資本集約型のビジネスモデルと高度な専門性 海運業の業種内TOP3は、1位:㈱商船三井(1,437万円、東証プライム)、2位:日本郵船㈱(1,435万円、東証プライム)、3位:飯野海運㈱(1,287万円、東証プライム)となっています。3社とも東証プライムに上場している大手外航海運企業で、船舶運航に必要な高度な専門性が平均年収に反映されていることが推察されます。船舶という高額な固定資産を少数精鋭で効率的に運用する資本集約型のビジネスモデルが、1人あたりの生産性を高め、給与水準を押し上げています。 【2位】 証券、商品先物取引業(業種平均974万円) ― 業務特性と報酬体系による給与水準の違い 証券業の業種内TOP3は、1位:インテグラル㈱(2,578万円、東証グロース)、2位:㈱マーキュリアホールディングス(1,801万円、東証プライム)、3位:㈱大和証券グループ本社(1,626万円、東証プライム)となっています。1位のインテグラル㈱は東証グロースに上場している企業で、業種平均の2倍以上の平均年収を記録しています。同社はプライベート・エクイティ投資を主業とする独立系投資会社で、高度な金融専門性と成果報酬型の報酬体系が、この水準を支えていると推察されます。一方、東証プライムに上場している大手企業も高い水準を維持しており、東証グロース上場企業であるインテグラル㈱が突出した水準を記録していることから、この業種では上場市場よりも業務特性と報酬体系が給与水準に影響を与えている可能性があると推察されます。 【3位】 保険業(業種平均874万円) ― 経営規模とグローバル展開で高い給与水準を実現 保険業の業種内TOP3は、1位:東京海上ホールディングス㈱(1,536万円、東証プライム)、2位:SOMPOホールディングス㈱(1,218万円、東証プライム)、3位:MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱(1,144万円、東証プライム)となっています。3社とも東証プライムに上場している企業で、業種平均を大きく上回る平均年収を実現しています。高度な金融知識とリスク管理能力、そしてグローバル展開による経営規模が、人材投資を促進し、給与水準を押し上げる形となり、専門性の高さと経営規模が給与水準に大きく影響していることが推察されます。 様々な場面で活用する平均年収データ 業種別平均年収のデータは、就職・転職活動、企業分析、業界研究など、様々な場面で活用できます。 ◆就職・転職活動での活用 志望業界の給与水準を把握することで、自身のキャリアプランや生活設計を具体化できます。ただし、平均年収はあくまで全体の傾向を示すものであり、企業規模、勤続年数、職種、地域、そして上場市場などによって実際の給与は大きく異なることに留意が必要です。業種別の平均年収と、業種内の企業別TOP3を比較することで、業種内での平均年収の分布状況も把握できます。例えば、海運業の場合、業種平均1,052万円に対して、業種内TOP1位の商船三井は1,437万円と、約1.4倍の水準となっています。また、上場市場による違いも考慮すべき点です。東証プライムに上場している企業と東証グロース・東証スタンダードに上場している企業では、給与水準に差がある場合があります。 ◆企業分析や投資判断での活用 平均年収データを企業の収益力や人材戦略を評価する材料として活用できます。平均年収が業種平均を大きく上回る企業は、優秀な人材の確保・定着に積極的であり、長期的な競争力を持つ可能性があります。一方、平均年収の高さだけでなく、売上高や利益に対する人件費の比率(労働分配率)が適正であるかも重要な確認ポイントです。収益性が低いにもかかわらず高い平均年収を維持している企業は、将来的に人件費の見直しが検討される可能性も考えられます。また、資本集約型産業では少数精鋭で高付加価値を生み出すビジネスモデルが一般的であり、平均年収が高いことは合理的です。一方、労働集約型産業に分類される業種において、業種平均を大幅に上回る平均年収を実現している企業は、独自の高付加価値サービスや専門性の高い業務を展開している可能性が考えられます。 ◆業界研究での活用 業種別の給与水準の違いを理解することで、各業種のビジネスモデルや収益構造の特徴を把握できます。資本集約型産業と労働集約型産業の違い、専門性の高さが給与に与える影響、上場市場による違いなど、業種ごとの特性を多角的に理解する手がかりとなります。 有価証券報告書に記載される平均年収は、正社員を対象とした数値であり、企業の人材戦略や収益性を反映していると考えられる重要な指標です。業種別・企業別の平均年収データを丁寧に分析することで、自身のキャリア選択や企業評価に活かすことができるでしょう。 データのご案内 本記事の分析に使用した平均年収データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「業種別の平均年収、TOP3業種内のランキング」が含まれており、企業分析や業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界の調査・分析等にご活用いただけるデータベースをご提供しております。本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 ※ 投資判断に関する注意事項 本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2025.10.21 DL資料業種ランキング【2025年10月】男性の育児休暇取得率 業種ランキング|銀行業98.8%でトップ!非財務情報が示す人的資本経営戦略
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場企業における男性の育児休暇取得率のデータ(最新)を抽出し、ランキング表としてまとめました。 業種別の特徴と企業動向 今回の集計期間での上位3業種は1位:銀行業(98.8%)、2位:その他金融業(92.2%)、3位:水産・農林業(91.9%)と、いずれも全業種平均の66.5%を大幅に上回る結果となっています。特に上位の業種は90%を超える高水準を達成しており、制度の充実と積極的な取得推進が見られます。 銀行業(98.8%) 83社で平均98.8%という極めて高い取得率を記録。個別企業では、京葉銀行(152.2%)が最高値を記録し、次いで東邦銀行(137.5%)、四国銀行(130.0%)などが高い取得率を記録しています。その他の主要企業として、名古屋銀行(103.4%)、山口フィナンシャルグループ(103.8%)、みずほフィナンシャルグループ(98%)などが高い数値を記録しています。一方で、取得率が低い企業も存在しており、同業種内でも企業による取り組みの差が見られます。 その他金融業(92.2%) 40社で平均92.2%を記録。アイフル(175.0%)が最高値、次いでオリックス(116.0%)が高い取得率を記録しています。100.0%の取得率を記録した企業として、オリエントコーポレーション、イオンフィナンシャルサービス、リコーリース、東京センチュリー、芙蓉総合リースなど多数の企業が名を連ねています。一方で、業種平均を下回る企業も存在しており、同業種内でも企業による取り組みの差が見られます。リース業、信販業、保証業など多様な事業形態の企業が含まれる中で、全体として高い取得率を実現していることが特徴的です。 水産・農林業(91.9%) 12社で平均91.9%を記録。雪国まいたけ(125.0%)が最高値を記録、次いで、ニッスイ(106.7%)、秋川牧園(100.0%)などが高い取得率を記録しています。極洋(92.3%)、ホクト(80.0%)、マルハニチロ(79.2%)、サカタのタネ(73.9%)も含め、対象企業数は12社と少ない業種ではあるものの、多くの企業が全業種平均66.5%を大幅に上回る成果を挙げています。 上位業種の取得状況と人的資本経営への影響 上位3業種を分析すると、いずれも全業種平均66.5%を大幅に上回る90%超の取得率を達成した結果でした。特に100%を超える取得率を示す企業が多数存在することから、分割取得や延長取得などの柔軟な制度運用が行われていることが推測されます。 金融業界の2業種が上位を占める結果となっており、銀行業では83社中多くの企業で高い取得率を記録しています。水産・農林業についても、対象企業数は12社と少ないものの、高水準を記録しており、各業種で制度の積極的な推進が図られていることが推測されますが、同時に、同業種内でも企業による取得率の差が見られることから、各企業の制度運用や取り組み姿勢に違いがあると推測されます。 人的資本情報開示の法制化が進む中、男性育児休暇取得率は企業の働き方改革への取り組みを示す重要な指標として位置づけられています。投資家や求職者からの注目度も高まっており、企業競争力の源泉としても重要性が増すと予想されます。 ※ 男性労働者の育児休業取得率の算出について ・本ランキングに掲載している男性労働者の育児休業取得率は、各企業が法令に基づき、有価証券報告書で開示した数値を使用したものであり、算出方法の統一は行っておりません。企業間比較の際は、この点をご留意ください。 ・「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」では複数の算出方法が定められており、企業毎に採用する算出方法が異なるため、同一業種内においても企業間での数値の差異が生じる場合があります。 ・配偶者が出産した年度と育児休業等を取得した年度が異なる場合や、企業の制度設計の違いにより、取得率が100%を超える場合があります。 データのご案内 本記事で分析に使用した男性労働者の育児休業取得率データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「全業種のランキングと取得率平均」と「業種ランキングTOP3内における上位30社分のデータ」が含まれており、業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界分析、業界動向の調査等にご活用いただけるデータベースサービスをご提供しております。さらにデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。
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2025.10.21 DL資料業種ランキング【2025年10月】女性管理職比率 業種ランキング|全業種平均11.9%を大幅に上回る上位3業種
当社が保有する企業情報データベースeolより、上場企業の管理職に占める女性労働者の割合データ(最新)を抽出し、業種ランキング表としてまとめました。 業種別の特徴と企業動向 今回の集計期間での上位3業種は1位:空運業(22.5%)、2位:保険業(21.7%)、3位:サービス業(21.5%)と、いずれも全業種平均の11.9%を大幅に上回る結果となりました。対象企業数や業界規模は異なるものの、それぞれの業種で特徴的な傾向が見られます。 空運業(22.5%) 対象5社と企業数は少ないものの、平均22.5%と全業種平均の約2倍という高水準を記録。代表的な企業としては日本航空株式会社(東証プライム)が含まれています。国際線運航や多国籍の乗客対応など、グローバルな事業展開が求められる業界特性が、この高い数値に影響している可能性が考えられます。 保険業(21.7%) 14社の対象企業で平均21.7%を記録。主要企業として、第一生命ホールディングス、東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスなどが含まれています。個人や法人の多様なニーズに対応した保険商品の設計や顧客対応が求められる業界特性が、女性管理職登用の推進要因となっている可能性が考えられます。 サービス業(21.5%) 560社という対象企業数が多い中で平均21.5%を記録。LIFE CREATE(98.5%)が最高値を記録、次いで、トレンダーズ(90.9%)、スタジオアリス(87.2%)などが高い割合を記録しています。一方で、最低値の0%を記録する企業も存在しているため、極めて幅広い分布となっており、企業間の差異が最も顕著となりました。 多様性推進の成果と今後の課題 上位3業種を分析すると、全業種平均11.9%を大きく上回る結果となっている一方で、同じ業種内でも企業間の差異が顕著に現れているという結果となりました。 今回の3業種に共通する特徴として、顧客との接点が多く、多様なサービス提供が事業の中核を成している点が挙げられます。このような共通した業界特性を持ちながらも、同一業種内での企業間の差異は大きいことが読み取れることから、各企業の取り組み状況に大きな違いが見られることが推測されます。 人的資本情報開示の重要性が高まる中、女性管理職割合は企業評価の重要な指標として一層注目が集まると予想されます。ESG投資の観点からも、これらの非財務指標は投資判断における重要な要素となっており、今後も継続的な改善への取り組みが求められると予想されます。 ※ 管理職に占める女性労働者の割合の算出について ・本ランキングに掲載している管理職に占める女性労働者の割合は、各企業が法令に基づき、有価証券報告書で開示した数値を使用したものであり、算出方法の統一は行っておりません。企業間比較の際は、この点をご留意ください。 ・「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」では企業規模に応じて、複数の算出方法が定められており、企業毎に採用する算出方法や対象範囲が異なるため、同一業種内においても企業間での数値の差異が生じる場合があります。 データのご案内 本記事で分析に使用した管理職に占める女性労働者の割合データの一部を下記よりダウンロードいただけます。このデータには、「全業種のランキングと割合平均」と「業種ランキングTOP3内における上位30社分のデータ」が含まれており、業界動向の把握にお役立ていただけます。 当社では、このような詳細な企業データを網羅しており、企業や業界分析、業界動向の調査等にご活用いただけるデータベースサービスをご提供しております。さらにデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。