2026.6.17
【2026年6月】国内企業物価指数は134.5(前年比+6.3%)と大きく上昇 ナフサなどを含む石油・石炭製品も前年比+13.8%と急騰 2026年5月時点の時系列推移データ分析
日本銀行が公表している「企業物価指数」につき、データからわかる動向・特徴について紹介します。
また当社が提供する経済統計データベースサービス INDB Accelから取得した過去5年(60カ月)分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。
国内企業物価指数の総平均は134.5(前年比+6.3%)と大きく上昇
日本銀行が2026年5月の企業物価指数データを公表しました。
国内企業物価指数の総平均は134.5(前年比+6.3%)となり、右肩上がりに企業間での物価が上昇していることがわかります。
総平均の前年比は、2月+2.1%、3月+2.8%、4月+5.3%と月を追うごとに伸びが拡大していましたが、5月は+6.3%となり、上昇の勢いがさらに加速する結果となりました。
大類別の「工業製品」は132.0(前年比+6.5%)となり、「工業製品」の前年比が+6%を超えるのは、2023年2月(+6.5%)以来、3年3カ月ぶりの上昇幅となります。

ナフサ・エチレンなどの石油・石炭製品が急騰

公表されている515品目のうち、約8割にあたる418品目で前年比がプラスとなり、企業間でのモノの取引価格が大きく上昇しています。
2026年5月データで、前年比での増加が特に大きい品目についてピックアップしました。
ナフサ:わずか3カ月で価格が急騰し、前年比+79.4%を記録
ナフサの国内企業物価指数は367.6(前年比+79.4%)となり、3月までマイナス推移でしたが、4月以降はプラスに転じ、2か月連続で前年比70%超と大きく上昇しています。
指数でみても、2026年2月(200.7)からわずか3か月で約1.8倍に跳ね上がっていることがわかります。同じく石油製品に分類されている液化石油ガス(LPG)も、前年比+40.3%と急上昇しています。
キシレン:前年比+81.6%へ急拡大し、上昇幅が加速
キシレンの国内企業物価指数は342.4(前年比+81.6%)となりました。2024年8月から19か月連続で前年比がマイナスでしたが、2026年3月から3か月連続(3月:+12.5%→4月:+58.0%→5月:+81.6%)で、前年比が拡大しています。
同じく石油化学系芳香族製品に分類されているベンゼンも前年比+65.0%となり、2026年4月以降大きく価格が上昇しています。
エチレン: 2020年比で約3倍 前年比+60.7%と高騰継続
エチレンの国内企業物価指数は、298.9(前年比+60.7%)となりました。前月からは上昇率は鈍化しましたが、2か月連続で前年比が60%を超え(4月:+67.6%→5月:+60.7%)、2020年の基準値(100)と比較すると約3倍という高水準に到達しています。同じく石油化学基礎製品であるプロピレン、ブタン・ブチレン・ブタジエンも大きく高騰しており、身近なプラスチック製品に用いられる原材料の高止まりが続いています。
ポリエチレン:前年比+27.7%と上昇幅が拡大
ポリエチレンの国内企業物価指数は214.1(前年比+27.7%)となりました。製品原料が値上がりした影響を受け、先月の前年比+0.5%から大きく上昇する結果となりました。
類別に位置するプラスチック製品全体も前年比+4.3%と上昇しており、原材料費のコスト増の影響がデータに表れています。
ナフサやエチレンをはじめとする石油由来の原材料価格が高水準で推移しています。石油由来製品のコスト増がパッケージ代や物流費などに波及し、最終的に企業活動や消費者にどのような影響を及ぼすのか注目されます。
企業物価指数とは
企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)とは、企業間で取引される財の価格変動を測定する重要な経済指標です。日本銀行が毎月公表しており、基準年(現在は2020年)を100として指数化しています。国内で生産された財の国内向け取引価格をみる国内企業物価指数、輸出品の価格をみる輸出物価指数、輸入品の価格をみる輸入物価指数の3つを基本分類指数として構成されています。国内の需給動向や為替変動の影響、輸入インフレ圧力などを把握できるため、景気判断や金融政策、各種経済分析で広く利用されています。
当社では、このデータを1960年よりデータベース化し、時系列データとして簡単にご利用いただけるよう提供しております。
(今回紹介したデータは下記よりダウンロードいただけます。)
経済統計データベース「INDB Accel」で実現する効率的なデータ分析
本記事の分析に使用したデータは、当社が提供する経済統計データベースINDB Accelを活用して作成しました。
INDB Accelでは、各種公的統計や経済データを長期時系列で横断的に取得でき、効率的なデータ収集と分析を実現します。
INDB Accelの詳細な機能や具体的な導入事例、無料トライアルのお申し込みや詳しい資料請求については、お問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。