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アイ・エヌ情報センターインサイト資本市場戦略CB台頭、2026年は上期で1兆円超【2026年9月集計版】

CB台頭、2026年は上期で1兆円超【2026年9月集計版】

CB台頭、2026年は上期で1兆円超

(2026年9月集計)

2026年上期のエクイティ・ファイナンス市場において、CB(転換社債型新株予約権付社債)の発行額が1兆716億円と極めて高水準を記録しました。
普通株式による調達額(1兆9,549億円)には及ばないものの、3月は6,795億円、6月は2,768億円と、他のエクイティ・ディールを凌駕する規模となっています。CBの年間発行額が1兆円を超えたのは、直近15年間では2014年(1兆21億円)、2015年(1兆3億円)の2回のみであり、2026年はわずか半年(上期)でこの水準を上回る異例のペースです。

本記事では、弊社が提供するファイナンスデータベースサービス「INDB Funding Eye」の集計データを基に、海外公募CBの拡大要因、利率動向、減債(償還・転換)状況について分析します。


市場概況:海外公募CBが市場を牽引、2026年上期で1兆円超

近年のCB市場は、国内案件と海外案件で発行形態の棲み分けが進んでいます。2026年上期の海外公募は6社で1兆円を超え、このうち5401日本製鉄が2本建て6,000億円とCB市場の拡大を牽引しています。2010年以降の発行総額および実施社数は次の通りです。
2010年以降のCB種類別発行総額推移
国内では、資本提携や事業支援、経営再建等の目的で第三者割当を採用する企業が多く、特定の戦略に合いやすい手法とされています。一方、海外では、市場流動性があることから、より広い投資家に販売して市場価格で資金を集める手法とされています。

利率動向:ゼロクーポン債が大勢を占める

2010年以降の発行において、調達金利(表面利率)の動向を見ると、国内公募は2014年以降すべてのディールが、海外公募は11年間のディールが、海外第三者割当はすべてのディールが、ゼロクーポンで発行されています。変動利率を採用したのは、2015年3月に発行した8418山口フィナンシャルグループの海外公募のみでした。
CBゼロクーポン比率
企業にとって、利払いコストが発生しないゼロクーポンCBは、低コストによる資金調達手段です。一方、金利がつかないにもかかわらず投資家が受け入れる背景には、「株価上昇局面における株式転換益(キャピタルゲイン)への期待」があります。金利収益がなくとも、将来的な株価アップサイドを獲得できる設計であれば、機関投資家からの十分な需要を喚起できる市場環境が続いていることを示しています。

減債状況:発行後は転換よりも償還が進む

発行本数が多い海外公募CBにおける傾向は、①2010年~2012年は償還額が転換額を上回り、②2013年~2018年は逆転、③2019年以降は再び償還額が転換額を上回っています。
① 満期到来ディールがあり、リーマン・ショックの影響で株価が低迷し、転換が進まなかったようです。
② 株価回復により、投資家が転換を選びやすくなったようです。
③ 転換価額が固定されるディールも増えたこともあり、株価が転換価額を下回ると転換が進まず、満期まで保有・償還を選択することにつながったようです。
2010年以降の転換額・消却額・償還額推移
この傾向はゼロクーポンで発行されるCBが増えたことも要因と思われます。ゼロクーポン債は投資家にとり転換益が見込めないと魅力が薄れることから、株価が伸びない局面では転換より償還が選ばれます。

転換価額:株価との相関

CB発行条件の重要な要素である転換価額は、発行体の近況株価や割当先との協議等、市場実勢を鑑み、基準株価に調整係数を乗じて決定されます。
・過去の慣例:かつては多くのディールで「発行決議前日の終値(基準株価)に対し+2.5%」と固定が主流
・近年の傾向:基準株価に対しディスカウントしているディールも散見
         アップしているディール数は、2014年:69.84%、2015年:77.36%、2026年上期:66.67%
2026年上期で注目すべきは、アップ率のレンジが「最低0.45% 〜 最高60.00%」と大幅に広がっている点、および基準株価と同額の「フラット発行」が存在しない点です。

今回は発行が急増しているCB(転換社債型新株予約権付社債)に焦点を当てました。一方、弊社DBの債券情報は50年近く遡ることができ、バブル崩壊と共に消えたBW(新株予約権付社債)も網羅していますので、同様の分析が可能です。

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※ 2026年上期のエクイティ発行額月別推移は下記よりダウンロードいただけます。

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