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経済指標
各種メディアで注目される主要経済指標の時系列データとグラフをわかりやすく公開しています。 当社データベース「INDB Accel」「INDB Finder Pro」の収録データを活用したサンプル集として、データの品質や活用イメージをご確認いただけます。
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NEW 2026.7.27 DL資料【2026年7月最新】消費者物価指数 推移 全国コアCPIは前年比+1.6%と5ヶ月連続で2%を下回るも、食料品など身近なものの物価高騰が継続
総務省統計局が7月24日に公表した「消費者物価指数(全国)」について、データからわかる動向・特徴について紹介します。 また当社が提供する経済統計データベースサービス INDB Accelから取得した過去5年(60カ月)分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。 2026年6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)113.1、前年比では+1.6%と3か月ぶりに伸びが拡大 総務省統計局が、2026年6月の消費者物価指数(全国)データを公表しました。 生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は、113.1となりました。 前年比でみると+1.6%となり、2026年2月から5か月連続で1%台の伸び率に留まっています。 1年前(2025年6月)の伸び率が+3.3%だったことを鑑みると、伸びが鈍化しています。 また、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は、112.2(前年比+1.7%)となり、上昇率は8か月連続で鈍化しました。 ただし、コアCPIは3か月ぶりに伸びが拡大、総合指数も113.6(前年比+1.7%)と2か月連続で前年比が伸長するなど、前年比の伸びは落ち着きつつあるものの、依然として物価上昇が継続する結果となりました。 食料品や身近な製品を中心に伸び率は鈍化傾向も物価の高止まりが継続 公表されているデータの中から、身近な食品や身の回りの製品で物価上昇が顕著な品目をピックアップしました。 米類:前年比▲8.7%に転落も、指数値は195.0といまだに高水準 米類は195.0(前年比▲8.7%)となり、指数値は2025年11月の223.4をピークに7カ月連続で下落しています。前年比も2025年5月に記録した+101.7%から減少し、2026年5月からは2か月連続で前年比がマイナスの水準となりました。ただし米価高騰前の基準値(2020年=100)と比較すると指数値は依然約2倍の物価水準にあり、前年比は2か月連続でマイナスに転じたとはいえ、家計への負担感が完全に解消されたわけではありません。今後さらに下落が続くのか注目されます。 コーヒー豆:伸び率は鈍化も、前年比+23.3%と二桁の伸び率継続 コーヒー豆は238.5(前年比+23.3%)となりました。2026年3月の261.8をピークに指数は低下傾向にあり、前年比も2025年9月の+64.1%のピークから大きく鈍化していますが、依然として前年比は20%を超える高い上昇率が継続しています。基準値(2020年=100)と比べると約2.4倍の水準にあり、身近な嗜好品の物価上昇が長期化していることがうかがえます。 ティシュペーパー:前年比+0.8%まで鈍化も高止まりが続く ティシュペーパーは129.5(前年比+0.8%)となりました。2023年2月には前年比+18.8%、3月には+23.9%という大きな伸びを記録し、指数値はわずか2カ月で大きく急騰しました。2023年2月から12カ月連続で、前年比は2桁以上の高い伸びが継続。その後も前年比プラスを維持し続け、2026年5月に指数値は129.9まで上昇しました。2026年に入ってからの伸び率は、3月+3.2%→4月+1.3%→5月+1.7%→6月+0.8%と、上昇率は1%台まで縮小していますが、基準値(2020年=100)と比較すると約1.3倍の水準にあり、急騰後も物価の高止まりが続いています。 洗濯用洗剤:2024年8月の急騰以降、高止まりが継続 洗濯用洗剤は161.5(前年比+14.0%)となりました。2024年8月に前年比+14.0%と急騰して以降、前年比の数値は23カ月連続で2桁の上昇率を維持しています。同じ「家事用消耗品」の伸び(+3.6%)と比べると、洗濯用洗剤の上昇基調が際立ちます。基準値(2020年=100)と比較すると約1.6倍の水準にあり、日用品の中でも上昇後の物価水準が長期化している品目といえます。 川上に位置する「企業物価指数」が上昇傾向であることから、川下の「消費者物価指数」にどのような影響があるのか、今後に注目です。 ▶【2026年6月】国内企業物価指数 時系列データ解説記事 消費者物価指数とは 消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)とは、家計が購入する商品やサービスの価格変動を示し、インフレ率の把握などに用いられる重要な経済指標です。総務省統計局が東京都区部と全国に分けて毎月公表し、約700品目について基準年(現在は2020年)を100として指数化しています。生鮮食品を除いた総合「コアCPI」や生鮮食品及びエネルギーを除いた総合「コアコアCPI」は、とくに注目されている指標です。 当社では、このデータを1970年よりデータベース化し、時系列データとして簡単にご利用いただけるよう提供しております。 (今回紹介したデータは下記よりダウンロードいただけます。) 経済統計データベース「INDB Accel」で実現する効率的なデータ分析 本記事の分析に使用したデータは、当社が提供する経済統計データベースINDB Accelを活用して作成しました。 INDB Accelでは、各種公的統計や経済データを長期時系列で横断的に取得でき、効率的なデータ収集と分析を実現します。 INDB Accelの詳細な機能や具体的な導入事例、無料トライアルのお申し込みや詳しい資料請求については、お問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。
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2026.7.7 DL資料経済指標グラフ(2026年7月)
当社の経済統計データベースサービスINDB Accelを活用し、経済主要指標の時系列データとグラフを毎月更新・提供しております。直近5年分のデータで、景気や物価・貿易などの動向をひとまとめにご確認いただけます。 【ご提供データ例】 出典 統計名 月次 財務省 貿易統計 内閣府 機械受注統計調査報告 景気動向指数 総務省 労働力調査 消費者物価指数 日本銀行 マネーストック 資源エネルギー庁 石油製品価格調査 四半期 内閣府 国民経済計算 日本銀行 全国企業短期経済観測調査 財務省 法人企業統計(季報)
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2026.6.17 DL資料【2026年6月】国内企業物価指数は134.5(前年比+6.3%)と大きく上昇 ナフサなどを含む石油・石炭製品も前年比+13.8%と急騰 2026年5月時点の時系列推移データ分析
日本銀行が公表している「企業物価指数」につき、データからわかる動向・特徴について紹介します。 また当社が提供する経済統計データベースサービス INDB Accelから取得した過去5年(60カ月)分のデータも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。 国内企業物価指数の総平均は134.5(前年比+6.3%)と大きく上昇 日本銀行が2026年5月の企業物価指数データを公表しました。 国内企業物価指数の総平均は134.5(前年比+6.3%)となり、右肩上がりに企業間での物価が上昇していることがわかります。 総平均の前年比は、2月+2.1%、3月+2.8%、4月+5.3%と月を追うごとに伸びが拡大していましたが、5月は+6.3%となり、上昇の勢いがさらに加速する結果となりました。 大類別の「工業製品」は132.0(前年比+6.5%)となり、「工業製品」の前年比が+6%を超えるのは、2023年2月(+6.5%)以来、3年3カ月ぶりの上昇幅となります。 ナフサ・エチレンなどの石油・石炭製品が急騰 公表されている515品目のうち、約8割にあたる418品目で前年比がプラスとなり、企業間でのモノの取引価格が大きく上昇しています。 2026年5月データで、前年比での増加が特に大きい品目についてピックアップしました。 ナフサ:わずか3カ月で価格が急騰し、前年比+79.4%を記録 ナフサの国内企業物価指数は367.6(前年比+79.4%)となり、3月までマイナス推移でしたが、4月以降はプラスに転じ、2か月連続で前年比70%超と大きく上昇しています。 指数でみても、2026年2月(200.7)からわずか3か月で約1.8倍に跳ね上がっていることがわかります。同じく石油製品に分類されている液化石油ガス(LPG)も、前年比+40.3%と急上昇しています。 キシレン:前年比+81.6%へ急拡大し、上昇幅が加速 キシレンの国内企業物価指数は342.4(前年比+81.6%)となりました。2024年8月から19か月連続で前年比がマイナスでしたが、2026年3月から3か月連続(3月:+12.5%→4月:+58.0%→5月:+81.6%)で、前年比が拡大しています。 同じく石油化学系芳香族製品に分類されているベンゼンも前年比+65.0%となり、2026年4月以降大きく価格が上昇しています。 エチレン: 2020年比で約3倍 前年比+60.7%と高騰継続 エチレンの国内企業物価指数は、298.9(前年比+60.7%)となりました。前月からは上昇率は鈍化しましたが、2か月連続で前年比が60%を超え(4月:+67.6%→5月:+60.7%)、2020年の基準値(100)と比較すると約3倍という高水準に到達しています。同じく石油化学基礎製品であるプロピレン、ブタン・ブチレン・ブタジエンも大きく高騰しており、身近なプラスチック製品に用いられる原材料の高止まりが続いています。 ポリエチレン:前年比+27.7%と上昇幅が拡大 ポリエチレンの国内企業物価指数は214.1(前年比+27.7%)となりました。製品原料が値上がりした影響を受け、先月の前年比+0.5%から大きく上昇する結果となりました。 類別に位置するプラスチック製品全体も前年比+4.3%と上昇しており、原材料費のコスト増の影響がデータに表れています。 ナフサやエチレンをはじめとする石油由来の原材料価格が高水準で推移しています。石油由来製品のコスト増がパッケージ代や物流費などに波及し、最終的に企業活動や消費者にどのような影響を及ぼすのか注目されます。 企業物価指数とは 企業物価指数(CGPI:Corporate Goods Price Index)とは、企業間で取引される財の価格変動を測定する重要な経済指標です。日本銀行が毎月公表しており、基準年(現在は2020年)を100として指数化しています。国内で生産された財の国内向け取引価格をみる国内企業物価指数、輸出品の価格をみる輸出物価指数、輸入品の価格をみる輸入物価指数の3つを基本分類指数として構成されています。国内の需給動向や為替変動の影響、輸入インフレ圧力などを把握できるため、景気判断や金融政策、各種経済分析で広く利用されています。 当社では、このデータを1960年よりデータベース化し、時系列データとして簡単にご利用いただけるよう提供しております。 (今回紹介したデータは下記よりダウンロードいただけます。) 経済統計データベース「INDB Accel」で実現する効率的なデータ分析 本記事の分析に使用したデータは、当社が提供する経済統計データベースINDB Accelを活用して作成しました。 INDB Accelでは、各種公的統計や経済データを長期時系列で横断的に取得でき、効率的なデータ収集と分析を実現します。 INDB Accelの詳細な機能や具体的な導入事例、無料トライアルのお申し込みや詳しい資料請求については、お問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。
ランキング
当社が提供している豊富なデータベースをもとに、様々な切り口でランキングを作成・公開しています。 企業研究や業界動向の把握、同業他社比較など、ビジネスのヒントとしてお役立てください。
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NEW 2026.8.3 DL資料【2026年8月】自己資本比率・当座比率ランキング|激変する社会情勢を生き抜く「財務健全性」
昨今の地政学リスクの高まりや物価・為替の大幅な変動など、先行きが不透明で不安定な社会情勢が続く中、企業の「不測の事態に耐えうる力」に改めて注目が集まっています。激変する環境下で事業を継続し、安定した経営を維持するためには、強固な財務基盤の構築が必要です。 本稿では、中長期的な財務健全性を示す「自己資本比率」と、短期的な手元の支払能力(資金繰りの安全性)を示す「当座比率」の2つの指標に着目し、東証プライム上場企業の2026年3月期データを抽出しました。各指標においてどのような業種・企業がランキングされているかを整理し、「不安定な社会情勢下でも、中長期または短期の揺るぎない財務力を誇る業種・企業」について数値データを確認します。 当社が保有する企業情報データベースeolのスクリーニング検索機能を活用し、東証プライム市場に上場している連結企業の2026年3月期の有価証券報告書より、自己資本比率、当座比率をランキング化しました。 各指標の詳細とポイント 自己資本比率(長期的な財務基盤の健全性) 返済義務のない「自己資本(純資産)」が、会社全体の資産(総資産)に対してどれだけあるかを示します。 特徴: 財務健全性の最も代表的な指標です。これが高いほど、不況などで一時的に赤字が出ても耐えられるだけの「クッション」、会社の安全性があることになります。 水準: 業種によって差があり一概には言えませんが、一般的に、40%以上で財務が安定していると見なされ、10%未満は資金ショートの注意が必要である危険水域とされます。 当座比率(流動比率より厳しい短期的な支払能力の評価) 流動資産から「棚卸資産(売れ残る可能性のある在庫)」を除き、すぐに現金化できる「当座資産(現金、預金、売掛金など)」のみを対象に、流動負債に対する支払能力を測ります。 特徴: 不良化の有無に関わらず売れなければ現金にならない在庫を除くため、流動比率より厳しい指標です。 水準: 100%以上あれば、当面の支払いに困る可能性は極めて低いと判断できます。 【自己資本比率編】中長期の「倒産リスク」を抑えた業種・企業を見る 【業種別平均】自己資本比率トップ5|財務のクッションが最も厚いセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均自己資本比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の平均自己資本比率は51.05%です。 順位 業種 平均自己資本比率 1 ゴム製品 71.26% 2 その他製品 65.25% 3 精密機器 64.78% 4 機械 63.77% 5 鉄鋼 63.70% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均自己資本比率は51.05%で、平均でも安定水準の40%を上回る 〇業種別平均では「ゴム製品」が71.26%と最も高い比率 〇上位5業種(ゴム製品、その他製品、精密機器、機械、鉄鋼)はいずれも平均値が60%以上と高率 【個別企業トップ10】ほぼ無借金経営、90%超を誇る極めて強固な10社 東証プライム上場企業における、自己資本比率の上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結自己資本比率(%) 1位 株式会社キーエンス 電気機器 94.57% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 93.47% 3位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 93.21% 4位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 92.48% 5位 SMC株式会社 機械 91.49% 6位 eBASE株式会社 情報・通信業 90.97% 7位 株式会社マースグループホールディングス 機械 90.95% 8位 株式会社MARUWA ガラス・土石製品 90.51% 9位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 90.46% 10位 ファナック株式会社 電気機器 89.19% データから確認できたこと 〇自己資本比率が最も高い企業は、株式会社キーエンスで94.57% 〇ランキング上位9社(1位のキーエンスから9位のダブルスタンダードまで)が自己資本比率90%以上 【当座比率編】予期せぬ支払いにも即応できる「手元の支払能力」を見る 【業種別平均】当座比率トップ5|短期の資金繰りに最もゆとりがあるセクターは? 東証プライム上場(2026年3月期)の主要業種における平均当座比率を算出し、上位5業種をランキング化しました。対象企業全体の総計(平均当座比率)は163.79%です。 順位 業種 平均当座比率 1位 鉄鋼 332.20% 2位 不動産業 288.07% 3位 情報・通信業 248.54% 4位 精密機器 217.57% 5位 ゴム製品 215.71% データから確認できたこと 〇東証プライム上場企業の平均当座比率(総計)は163.79%で、当面資金繰りに困る事がない100%を大きく上回る 〇業種別平均では「鉄鋼」が332.20%と最も高い 〇「鉄鋼」「精密機器」「ゴム製品」の3業種は、自己資本比率ランキングでも上位5位以内に位置 【個別企業トップ10】トップ10は超高率の即時支払能力の持ち主たちで、上位5社は1000%超 東証プライム上場企業における、連結当座比率の高い上位10社は以下の通りです。 順位 企業名 業種(東証) 連結当座比率(%) 1位 宮越ホールディングス株式会社 不動産業 5,862.88% 2位 大平洋金属株式会社 鉄鋼 2,253.04% 3位 大和工業株式会社 鉄鋼 1,081.59% 4位 株式会社北里コーポレーション 精密機器 1,047.20% 5位 株式会社マースグループホールディングス 機械 1,011.51% 6位 株式会社キーエンス 電気機器 997.42% 7位 株式会社ダブルスタンダード 情報・通信業 940.68% 8位 eBASE株式会社 情報・通信業 852.86% 9位 双葉電子工業株式会社 電気機器 759.25% 10位 アリアケジャパン株式会社 食料品 699.39% データから確認できたこと 〇上位5社が当座比率1,000%以上 〇自己資本比率ランキングの上位10社のうち、7社が当座比率ランキングのトップ10と共通 ランキングから見えた「共通する財務傾向」 今回は、東証プライム上場企業の2026年3月期有価証券報告書データに基づき、「自己資本比率」および「当座比率」の2つのランキングを確認しました。 両ランキングには、「共通する財務傾向」が見られました。 短期と中長期の安全性が高い企業に見られる共通点 今回のデータ集計では、2つの個別企業ランキングの顔ぶれに高い共通性が見られました。自己資本比率トップ10社のうち7社が、当座比率のトップ10にも同時にランクインしています。 自己資本比率が極めて高く財務基盤が強い企業には、当座比率も高い企業が多く見られます。そのため、中長期の安定性と短期の支払い能力は、かなり似た動きを示すことがうかがえます。 企業情報データベースで実現する効率的な企業分析 今回は、自己資本比率、当座比率の業種別、企業別での各々5業種、10社をランキングしましたが、当社が提供する企業情報データベースeolを活用いただくことで、各種指標で業種別・企業別ランキングをはじめ、複数企業の経営指標等を効率的に収集することが可能です。 また、eolでは最大1961年からの有価証券報告書を閲覧いただけるので、企業戦略の分析に不可欠な定性情報の収集も効率的に可能となります。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.7.10 DL資料【2026年7月】ナフサリスク記載が48.1%増加!売上原価率ランキング|今後の時系列分析への活用に
当社では、2026年6月にマクロ経済の視点からナフサを含めた国内企業物価指数の経済統計記事を公開し、市場全体における原材料価格の高騰トレンドを分析しました。今回は、そのマクロな市場動向が個別企業の経営やディスクロージャーにどのような変化をもたらしているかという「別の切り口(ミクロ視点)」から、新たな調査を実施しました。 具体的には、当社が保有する企業情報データベースeolのキーワード検索機能を活用し、2026年3月期に提出された上場企業の有価証券報告書を対象に、「事業等のリスク」項目にて原材料であるナフサの価格変動に言及している企業を抽出し一覧化いたしました。 有価証券報告書の「事業等のリスク」における「ナフサ」の記載は、原材料価格の動向が事業継続性に与える影響を企業がどれだけ重く受け止めているか、その危機意識や感応度の高さを示すものです。本レポートでは、世界的なエネルギー価格の不安定化という外部リスクに直面する中で、警戒を強めている業界・企業があるのかを検証します。 さらに、ナフサ価格変動の影響を測る「基準値(ベースライン)」として、2026年3月期時点の売上原価率を確認します。本格的な価格変動が反映される前の数値を現時点で把握しておくことで、今後の時系列分析における活用の幅を考察いたします。 有価証券報告書(2026年3月期)のリスク情報に「ナフサ」を記載する企業が48.1%増加、製造業を中心に広がる価格変動への警戒感 化学製品の基礎原料であるナフサの価格変動は、製造業の収益性に直接影響を与えます。 2026年3月期の有価証券報告書を分析したところ、リスク情報に「ナフサ」を記載する企業は前年の54社から80社へと48.1%増加しました。前年から継続記載している10業種を中心に、開示企業数がさらに増加し20業種と倍増しています。 特にエネルギー価格の影響を受けやすい業種では、調達コストの安定化が喫緊の課題となっていると考えられます。各社の開示からは、製品価格への転嫁遅れに対する懸念や安定調達への戦略的な動きが読み取れます。このように記載企業数が大幅に増加した背景には、原材料価格の変動に対する感応度や価格転嫁の体制を、投資家へより透明性を持って伝えようとする各社の姿勢が反映されていると推察されます。 【業種別データ】有価証券報告書における「ナフサ」言及状況の業種一覧 2026年3月期決算の有価証券報告書でリスク情報に「ナフサ」記載がある上場企業を業種別に抽出し、前年度(2025年度)からの推移をまとめた全リストは以下の通りです。 業種名 25年記載社数 26年記載社数 化学 40社 46社 卸売業 1社 5社 石油・石炭製品 4社 4社 精密機器 2社 3社 機械 1社 3社 非鉄金属 1社 2社 サービス業 0社 2社 その他製品 1社 1社 パルプ・紙 1社 1社 繊維製品 1社 1社 陸運業 1社 1社 ガラス・土石製品 0社 1社 医薬品 0社 1社 小売業 0社 1社 情報・通信業 0社 1社 食料品 0社 1社 鉄鋼 0社 1社 電気機器 0社 1社 不動産業 0社 1社 輸送用機器 0社 1社 その他(非公開企業) 1社 2社 総計 54社 80社 これらの業種は、一見するとナフサの直接的な消費や調達との関連性が相対的に低いように見える業界も含んでいます。しかし、2026年3月期において新たに開示がなされた背景には、マクロ経済における石油化学製品や燃料価格の高騰が、サプライチェーンやパッケージ原材料、物流コスト、あるいは電気料金といった「間接的なコスト上昇」を通じて、自社の事業収益に影響を及ぼし始めている現状が垣間見えます。 従来は経営リスクとして明記していなかった業種に属する企業であっても、外部環境の急速な変化を重く受け止め、株主や投資家への透明性を高める目的から開示を拡充する動きが進んでいると考えられます。これらの業種に属する企業では、今後はマージン確保のための柔軟な価格転嫁や、コストコントロールといったリスクヘッジ策がより重要視されると考えられます。 2026年3月期データに基づくトップ業種の原価構造検証と、今後の時系列分析への活用 上記の一覧のようにリスク開示を行う裾野が広がる一方で、依然として言及企業数が圧倒的多数(46社)を占める「化学」業種内において、特に連結売上原価率が高い上位10社を抽出し、その構造を検証しました。売上原価率は製造業における原材料比率を示す重要な指標であり、ナフサ価格変動の影響度を測る指標として活用できます。 売上原価率が高い上位10社(化学・2026年3月期連結決算企業) 順位 社名 連結売上原価率 1 共和レザー㈱ 83.51 2 新日本理化㈱ 83.41 3 東京インキ㈱ 83.35 4 田岡化学工業㈱ 82.61 5 森六㈱ 81.93 6 ㈱日本触媒 80.73 7 リケンテクノス㈱ 80.50 8 UBE㈱ 77.62 9 ウェーブロックホールディングス㈱ 77.12 10 三井化学㈱ 76.81 ※上記ランキングは、事業リスクに「ナフサ」と記載されている化学業種46社のうち、2026年7月6日時点でeolデータベースに収録されている連結売上原価率より作成しております。 なお、今回用いた売上原価率は、2026年3月期有価証券報告書に基づいたデータです。現時点では、最新のナフサ価格変動の影響が損益計算書上の原価に本格的に反映される前段階である可能性も考えられます。そのため、今回のデータは現時点の収益構造を確認するだけでなく、今後提出される四半期決算短信や次期の有価証券報告書など、継続的な時系列分析における「ベースライン(基準値)」として活用いただくことが有益であると考えられます。 2026年3月期の決算データを通じて各社のスタートラインの原価構造を把握し、今後の時系列変化を追跡することで、企業の「価格交渉力」や「外部環境への適応力」をより精緻に評価できる可能性があると考えられます。 データについて ※本記事は、2026年7月6日時点の企業情報データベース「eol」より抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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2026.6.17 DL資料【2026年6月】12月決算上場企業の業種別営業利益率ランキング|労働生産性で見る付加価値創出力
当社が保有する企業情報データベースeolおよび人的資本パッケージより、2025年12月期決算の連結財務データを取得できる企業を抽出し、業種別の売上高営業利益率と労働生産性をまとめました。 本記事では、まず業種別の売上高営業利益率ランキングを確認し、そのうえで補足指標として労働生産性を用いて、営業利益率と付加価値創出力の関係を考察します。 売上高営業利益率は、売上高に対して営業利益がどの程度残っているかを示す指標です。一方、労働生産性は、従業員1人当たりでどれだけの付加価値を生み出しているかを確認するための指標です。 無駄なく効率的に働き(労働生産性の向上)、高い付加価値を生み出すことで、最終的に会社に残る儲けの割合(営業利益率)が高い業界、企業があるのか考察します。 業種別営業利益率ランキング|鉱業49.11%、証券・商品先物取引業42.63%で上位 まず、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別の平均売上高営業利益率を確認しました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率が最も大きい業種は、鉱業の49.11%でした。次いで、証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%、不動産業が19.67%、精密機器が13.77%となっています。 業種別 平均売上高営業利益率ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 医薬品 258,123 62,118 24.07 ▲31,609,711 4 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 5 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 6 情報・通信業 40,278 4,877 12.11 3,057,833 7 その他製品 130,919 15,137 11.56 2,933,432 8 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 9 電気機器 263,124 28,260 10.74 1,129,631 10 ゴム製品 1,514,027 144,626 9.55 4,805,662 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 鉱業は、平均売上高が1,093,403百万円、平均営業利益が536,968百万円、平均売上高営業利益率が49.11%となりました。今回の対象業種の中では、売上高に対して営業利益が大きく残る業種として表れています。 証券、商品先物取引業は、平均売上高が27,283百万円、平均営業利益が11,631百万円、平均売上高営業利益率が42.63%となりました。売上規模は鉱業と比べて小さいものの、売上高に対する営業利益の割合は高い水準です。 また、医薬品は営業利益率が24.07%で3位となりました。一方で、平均労働生産性は▲31,609,711円となっており、営業利益率と労働生産性が同じ方向に表れていない点が特徴的です。このような違いを確認するため、次章では補足指標として労働生産性を見ていきます。 労働生産性分析|鉱業が1億6,824万円でトップ 営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標です。収益性を見るうえで分かりやすい一方、企業がどの程度の人員規模で付加価値を生み出しているかまでは把握しにくい面があります。 そこで、補足指標として労働生産性を確認します。 業種別 平均労働生産性ランキング 上位10業種 順位 業種 平均売上高[百万円] 平均営業利益[百万円] 平均売上高営業利益率[%] 平均労働生産性[円] 1 鉱業 1,093,403 536,968 49.11 168,247,179 2 証券、商品先物取引業 27,283 11,631 42.63 64,347,017 3 不動産業 93,394 18,368 19.67 37,343,873 4 小売業 112,207 9,805 8.74 9,140,858 5 輸送用機器 763,534 42,434 5.56 7,492,487 6 化学 385,612 31,933 8.28 7,380,583 7 繊維製品 31,998 2,482 7.76 6,933,320 8 電気・ガス業 159,436 8,956 5.62 6,538,667 9 精密機器 88,316 12,160 13.77 6,126,900 10 食料品 644,813 71,045 11.02 6,105,191 ※平均値は各企業の売上高営業利益率および労働生産性を算出したうえで、業種ごとに集計しています。 労働生産性ランキングでも、鉱業と証券、商品先物取引業が上位となりました。特に鉱業は、営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの双方で1位となっており、売上高に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の両面で高い水準にあります。 一方で、営業利益率ランキング3位の医薬品は、労働生産性ランキングでは上位に入りませんでした。営業利益率は売上高に対する営業利益の割合であるのに対し、労働生産性は粗付加価値を従業員数の2期平均で割って算出します。そのため、営業利益率が高い業種であっても、粗付加価値や従業員数の構成によって、労働生産性の水準は異なることが考えられます。 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングの比較|上位業種は一部共通するが順位は一致しない 営業利益率ランキングと労働生産性ランキングを比較すると、上位業種には一部共通する業種が見られる一方で、順位が大きく異なる業種もあります。 営業利益率ランキング上位業種と労働生産性の比較 業種 営業利益率順位 平均売上高営業利益率[%] 労働生産性順位 平均労働生産性[円] 鉱業 1 49.11 1 168,247,179 証券、商品先物取引業 2 42.63 2 64,347,017 医薬品 3 24.07 27 ▲31,609,711 不動産業 4 19.67 3 37,343,873 精密機器 5 13.77 9 6,126,900 情報・通信業 6 12.11 19 3,057,833 その他製品 7 11.56 20 2,933,432 食料品 8 11.02 10 6,105,191 電気機器 9 10.74 25 1,129,631 ゴム製品 10 9.55 11 4,805,662 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率・労働生産性のいずれも上位となりました。売上高に対して利益を残しやすく、かつ従業員1人当たりの付加価値創出力も高い業種として表れています。 一方、医薬品は営業利益率では3位ですが、労働生産性では27位となりました。また、電気機器は営業利益率では9位ですが、労働生産性では25位となっています。 このように、営業利益率が高い業種であっても、労働生産性が同じように上位になるとは限りません。営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」を示し、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。 そのため、営業利益率を見る際には、補足指標として労働生産性をあわせて確認することで、業種ごとの収益性と付加価値創出力をより多面的に把握できると考えられます。 労働生産性トップの㈱INPEXは鉱業平均の約1.9倍 次に、個別企業の事例として、今回の集計で労働生産性が最も大きかった㈱INPEXを確認します。 ㈱INPEXは、東証業種分類では鉱業に属しています。同社の数値を鉱業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 鉱業平均 ㈱INPEX 比較 売上高[百万円] 1,093,403 2,095,451 約1.9倍 営業利益[百万円] 536,968 1,063,342 約2.0倍 売上高営業利益率[%] 49.11 50.74 +1.63ポイント 労働生産性[円] 168,247,179 317,197,459 約1.9倍 ㈱INPEXの労働生産性は317,197,459円で、鉱業平均の168,247,179円に対して約1.9倍の水準となりました。また、売上高営業利益率も50.74%と、鉱業平均の49.11%を1.63ポイント上回っています。 この結果から、㈱INPEXは所属業種である鉱業の中でも、売上規模、営業利益規模、営業利益率、労働生産性のいずれも大きい水準にあることが確認できます。 鉱業は、資源開発や生産設備、権益、国際的な資源価格などの影響を受けやすい業種と考えられます。㈱INPEXについては、売上高・営業利益ともに鉱業平均を大きく上回っており、粗付加価値を従業員数の2期平均で割った労働生産性も高い水準に表れています。 このように、㈱INPEXの事例では、営業利益率の高さと労働生産性の高さが同じ方向に表れており、売上に対する利益の残りやすさと、従業員1人当たりの付加価値創出力の双方が大きい水準にあると推察されます。 ㈱メタプラネットは営業利益率70.60%でも労働生産性はマイナス値 次に、今回の集計で労働生産性が最も小さい値となった㈱メタプラネットを確認します。 ㈱メタプラネットは、東証業種分類では卸売業に属しています。同社の数値を卸売業平均と比較すると、以下の通りです。 項目 卸売業平均 ㈱メタプラネット 比較 売上高[百万円] 132,803 8,905 卸売業平均の約6.7% 営業利益[百万円] 7,111 6,287 卸売業平均の約88.4% 売上高営業利益率[%] 5.35 70.60 +65.25ポイント 労働生産性[円] ▲185,484,645 ▲3,639,961,539 マイナス方向に大きい値 ㈱メタプラネットは、売上高が8,905百万円で、卸売業平均の132,803百万円に対して約6.7%の水準です。一方、営業利益は6,287百万円で、卸売業平均の7,111百万円に近い水準となっています。 そのため、売上高営業利益率は70.60%と、卸売業平均の5.35%を大きく上回る結果となりました。 一方、労働生産性は▲3,639,961,539円となり、卸売業平均の▲185,484,645円と比較しても、マイナス方向に大きい値となっています。 この結果は、営業利益率が高い企業であっても、労働生産性が同じ方向に表れるとは限らないことを示す事例といえます。 特に、㈱メタプラネットのように、営業利益率が非常に大きい一方で労働生産性がマイナスとなっている企業では、営業利益だけでなく、粗付加価値の構成や従業員数との関係を確認する必要があります。 この事例からも、営業利益率のみでは、粗付加価値ベースの付加価値創出力を十分に説明できない可能性があると考えられます。 総論|営業利益率と労働生産性を組み合わせることで、収益性と付加価値創出力を多面的に把握 本記事では、12月決算の上場企業(連結企業)を対象に、業種別営業利益率ランキングを確認したうえで、補足指標として労働生産性を用いた分析を行いました。 業種平均で見ると、売上高営業利益率は鉱業が49.11%で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が42.63%、医薬品が24.07%となりました。 一方、労働生産性では、鉱業が168,247,179円で最も大きく、次いで証券、商品先物取引業が64,347,017円、不動産業が37,343,873円となりました。 鉱業と証券、商品先物取引業は、営業利益率と労働生産性の双方で上位に位置しており、収益性と付加価値創出力の両面で高い水準が確認できます。一方、医薬品や電気機器のように、営業利益率では上位に入っていても、労働生産性では順位が異なる業種も見られました。 営業利益率は「売上高に対する利益の残りやすさ」、労働生産性は「従業員1人当たりの付加価値創出力」を示します。個別企業分析で示したように両者を組み合わせて確認することで、企業や業種の収益性と生産性をより多面的に把握できると考えられます。 企業情報データベースeolで実現する効率的な企業分析 本記事の分析に使用した営業利益率ランキングの一部を下記よりダウンロードいただけます。 当社が提供する企業情報データベースeolでは財務諸表の数値データを取得するだけでなく、提出された複数企業の開示書類を効率的に閲覧する機能などを用意しています。企業の戦略を適切に分析するには、定性情報からの分析も不可欠と考えられます。 また、人的資本パッケージでは、有価証券報告書の企業情報(数値データ等)、人的資本に関するデータと「しょくばらぼ」のデータを一覧化しており、調査や分析に活用していただくことが可能です。 本記事以外のデータが必要な場合や、ご興味がございましたら、お問い合わせフォームより、お気軽にお問い合わせください。 データについて ※本記事は、企業情報データベース「eol」および人的資本パッケージより抽出した連結実績データを基に作成しています。 ※本記事で使用しているデータは当社独自の基準で算出しているため、各社の公表データと異なる場合があります。 投資判断に関する注意事項 ※本記事は、企業情報データベースeolに収録されているデータに基づく情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券等の取引を推奨し、または勧誘するものではありません。投資判断は、必ずご自身の責任において行っていただくようお願いいたします。また、本記事に記載されている情報は、その正確性、完全性を保証するものではなく、投資の結果について当社は一切の責任を負いません。
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公社債・増資・自社株買いなど、最新の資本政策トレンドを独自に調査・分析した発行市場レポートを公開しています。 月次版に加え半期版・通年版も揃えておりますので、発行市場の動向把握やIR戦略の参考資料として、ぜひご活用ください。
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NEW 2026.7.31 DL資料発行市場レポート【2026年 暦年半期版】
ファイナンス・データベースINDB Funding Eyeを用いて作成した「発行市場レポート」の2026年暦年半期版を公開しました。 本レポートは、国内発行市場における資金調達動向を集計・分析しているもので、資金調達状況や主幹事リーグテーブル、ESG債、普通社債、サムライ債の発行額、新規公開募集総額、自己株式の推移やランキングなどについてまとめています。 金融機関、機関投資家、事業会社のファイナンス担当者など、発行市場の最新動向を把握したい方に幅広くご活用いただけるレポートです。 以下にそのエッセンスをご紹介します。 資本市場における資金調達状況 資金調達は、前年同期比1兆226億円増(10.8%増)の10兆4,533億円。 デット・エクイティ比率は、デット75.7%、エクイティ24.3%。 主幹事リーグテーブル 資金調達全体では、主に普通社債が67.7%、POが13.1%を占める結果。 主幹事1位の獲得は、野村證券が3部門、SMBC日興証券が2部門。 普通社債のシェアは、上位3社で61.6%、上位5社で95.9%。 ESG債 ESG債の発行額は、前年同期比18.0%減の1兆8,111億円。 債券種類シェアでは、普通社債が1兆167億円(56.1%)で最多。 普通社債 普通社債の発行額は、前年同期比2.7%減の7兆748億円。案件数は1件減の273件。 一般事業債の発行額は、前年同期比1.4%減の5兆5,602億円。 銀行債の発行額は、前年同期比4.9%減の1兆350億円。 電力債の発行額は、前年同期比12.5%減の4,796億円。 業種ランキングでは、金融・保険業が2兆1,027億円(29.7%)で1位。 発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(2件)を発行し1位。 劣後債の発行額は、前年同期比29.1%増の2兆570億円。 劣後債の発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(33.0%)を発行し1位。 個人向け社債の発行額は、前年同期比22.4%減の1兆1,069億円。 個人向け社債の発行体ランキングでは、ソフトバンクグループが6,780億円(61.3%)を発行し1位。 サムライ債 発行額は、前年同期比2.5倍の8,392億円。案件数は、4件増の26件。 発行体ランキングでは、クレディ・アグリコル・エス・エーが2,215億円を発行し1位。 国籍別発行シェアでは、フランス共和国が3,805億円を発行し1位。 新規公開 新規公開の募集総額は、前年同期比71.6%減の1,573億円。案件数は、11件減の18件。 上場市場ごとの社数では、東証グロースが11社(57.9%)で最多。 業種ランキングでは、運輸情報通信業が67.8%を占め1位。 発行体ランキングでは、GOが972億円で1位。 公募・売出 公募・売出の募集総額は、前年同期比11.8%増の1兆3,720億円。 案件数は、11件増の45件。募集方法別の件数内訳は、売出26件、公募・売出19件。 募集総額は、1億円以上100億円未満が24件となり最多。 業種ランキングでは、製造業が7,675億円で1位。 発行体ランキングでは、任天堂が2,272億円で1位。また、上位10社中6社がグローバル案件。 CB 発行額は、前年同期比32.6倍の1兆100億円。案件数は、6件増の8件。 発行体ランキングでは、日本製鉄が6,000億円で1位。 自己株式 取得枠設定金額は、前年同期比31.8%増の16兆4,445億円。枠設定企業数は、100社減の676社。 取得実施金額は、前年同期比46.7%増の13兆4,638億円。取得実施企業数は、105社減の814社。 取得枠設定金額、取得実施金額、いずれも金庫株解禁(2001年10月1日商法改正)以降、過去最高。 取得枠設定の業種ランキングでも、製造業が10兆4,624億円で1位。 取得実施の業種ランキングでも、製造業が7兆6,264億円で1位。 取得枠設定の発行体ランキングでは、トヨタ自動車が4兆3,413億円で1位。 取得実施の発行体ランキングでも、トヨタ自動車が3兆6,569億円で1位。 処分公表企業数は、前年同期比48社増の940社となり、金庫株解禁(2001年10月1日商法改正)以降、過去最高社数。 消却公表企業数は、前年同期比25社減の309社。
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NEW 2026.7.17 DL資料発行市場レポート【月次版 2026年7月】
ファイナンス・データベースINDB Funding Eyeを用いて作成した「発行市場レポート」の最新号を公開しました。 本レポートは、国内発行市場における資金調達動向を毎月集計・分析しているもので、資金調達状況や主幹事ランキング、第三者割当の動向、自己株式の推移やランキングなどについてまとめています。 金融機関、機関投資家、事業会社のファイナンス担当者など、発行市場の最新動向を把握したい方に幅広くご活用いただけるレポートです。 以下にそのエッセンスをご紹介します。 資金調達状況...全体 資金調達は、前年同期比4,008億円減(21.9%減)、前月比7,872億円減(35.5%減)の1兆4,293億円。 デット・エクイティ比率は、デット86%、エクイティ14%。 新発10年国債利回りは、前月末より0.02%上昇し、2.67%。 資金調達状況...普通社債 普通社債の発行額は、前年同期比4,225億円減(27.0%減)、前月比4,342億円減(27.6%減)の1兆1,409億円。 6月の発行体ランキング1位のソフトバンクグループは、劣後特約付社債の発行。 資金調達状況...サムライ債 サムライ債の発行額は、前年同期比69億円減(6.8%減)、前月比1,705億円減(35.8%)の950億円。 資金調達状況...エクイティ エクイティの発行額は、前年同期比120億円減(11.4%減)、前月比2,828億円減(75.2%減)の931億円。 6月の発行体ランキング1位のリガク・ホールディングスは、グローバル市場での売出実施。 資金調達状況...新規公開 IPOの発行額は、前年同期比407億円増(68.2%増)。 6月の発行体ランキング1位のGOは、グローバル市場での売出によるIPO実施。 第三者割当 募集総額は、前年同期比7,128億円減(89.2%減)、前月比228億円増(35.8%増)の867億円。 銘柄数は、新株予約権26件、普通株式25件、CB3件、種類株式3件、投資口1件の計58件。 自己株式...枠設定・取得実施 自己株式取得枠設定額は、前年同期比1,312億円減(40.5%減)、前月比5兆1,009億円減(96.4%減)の1,926億円。 自己株式取得実施総額は、前年同期比2,887億円減(19.3%減)、前月比6,028億円減(33.3%減)の1兆2,080億円。 自己株式取得枠設定額発行体ランキングでは、GMOインターネットグループ、T&Dホールディングス、ZOZOが300億円で同率1位。 自己株式取得実施総額発行体ランキングでは、三菱UFJフィナンシャル・グループが1,000億円の取得実施を公表し、1位。 自己株式...処分・消却 自己株式処分公表企業数は、前年同期比4社増(1.0倍)、前月比385社増(4.0倍)の513社。 自己株式消却公表企業数は、前年同期比2社減(9.1%減)、前月比64社減(76.2%減)の20社。
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2026.7.7 DL資料大手3行案件から読み解く、社債シ団構成の力学【2026年7月集計版】
国内公募社債(SB)市場において、どの証券会社がどれほどの引受シェアを持っているかは、金融機関の資本市場部門や事業会社の財務・資金調達担当者にとって常に関心の高いテーマです。 本レポートでは、弊社データベース(ファイナンスDB)に収録された最新の発行情報をもとに、代表社債管理会社またはFiscal Agentを務めた大手3行:みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行のディールにおける引受シェアを可視化・分析しました。データから見えてくる「系列内親和性」と「独立系のプレゼンス」について解説します。 また、当社が提供するファイナンスデータベースサービス INDB Funding Eyeから取得した2025年度条件決定した国内公募SB及び財投機関債の代表社債管理会社またはFiscal Agentのリーグ・テーブルも掲載しておりますので、あわせてご利用ください。
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NEW 2026.7.17日本経済の勝機と負機
日本経済は、長期停滞の時代を経て再び転換点を迎えています。本コラムでは、株式会社SBI証券 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 佐治信行氏が、多角的な視点から「グローバル化による負機」と「脱グローバル化による勝機」を読み解きます。あわせて、賃金上昇率、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率の4要素で構成する独自指標「勝機指数」を用い、日本経済の活力と成長機会を検証。1989年、2009年、2024年という節目を振り返りながら、株価と実体経済の関係、そして今後注目したい産業について考えていきます。 はじめに ― 勝機指数で見る日本経済 勝機指数とは?日本経済の成長力を測る新指標 今回は、日本経済の長期停滞と近年の復活を、「グローバル化による負機」と「脱グローバル化による勝機」という視点から考察する。その際、日本経済の活力と成長機会を測るため、筆者が今回新たに作成した「勝機指数」を用いる。勝機指数は、①所定内賃金上昇率、②設備投資の名目GDP比率、③対内直接投資の名目GDP比率、④名目GDP成長率――の4要素を合計したものである。 勝機指数とTOPIXの関係|日本経済の転換点を読み解く さらに、勝機指数は企業収益や株価だけではなく、日本経済の「国内循環の強さ」と「世界から選ばれる力」を総合的に捉えることを目的としている。図表1を見ると、勝機指数とTOPIXの長期的な動きには一定の連動性がみられる。1980年代後半の高成長期には高水準だった勝機指数は、その後の長期停滞局面で低下した。しかし2020年代に入り再び改善傾向を示しており、日本経済が新たな局面を迎えつつある可能性を示唆している。 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査(確報)」、内閣府「四半期別GDP速報(QE)、財務量「国際収支統計」、 東京証券取引所より株式会社SBI証券作成 ※データはINDB Accelより取得 1989年 ― 日本経済の頂点とグローバル化の始まり 1989年の日経平均株価38,915円が示した日本経済のピーク 1989年は日本経済の絶頂期であると同時に、その後の長期停滞の出発点でもあった。同年12月、日経平均株価は38,915円を記録し史上最高値を更新した。当時の日本企業は自動車、半導体、家電、工作機械など多くの分野で世界をリードし、国内投資と賃金上昇を伴う成長モデルが機能していた。 グローバル化の始まりと国内循環の弱体化 企業、家計、金融機関が一体となった国内循環は、日本経済の大きな強みだった。しかし同年11月のベルリンの壁崩壊を契機に、世界はグローバル化の時代へ入る。中国の改革開放や2001年のWTO加盟によって世界の供給能力は急拡大し、日本企業も海外生産を加速させた。 日本経済の勝機から負機へ グローバル化は世界全体には恩恵をもたらした。安価な製品供給によって新興国は成長し、世界経済は拡大した。しかし日本では企業利益と国内景気が次第に乖離していく。企業は海外で利益を上げる一方、国内では設備投資や賃金上昇が鈍化し、日本経済を支えていた循環構造が徐々に弱まっていった。振り返れば、1989年は日本経済の勝機の頂点であると同時に、その後の負機の始まりでもあったのである。 2009年 ― グローバル化がもたらした「負機」 2009年のリーマンショックとグローバル化がもたらした日本経済の停滞 グローバル化の負の側面が最も鮮明に表れたのが2009年である。2001年の中国WTO加盟以降、世界規模の分業体制は急速に進展した。企業はより低コストの地域へ生産拠点を移し、サプライチェーンは国境を越えて最適化された。日本企業もその流れに積極的に参加し、海外での収益機会を拡大していった。 しかしその一方で、日本国内では設備投資、賃金上昇、物価上昇が停滞し、長期デフレが定着した。世界経済が成長するなか、日本だけが名目成長を失ったのである。その構造的な問題を一気に表面化させたのがリーマンショックだった。 シャープ・ソニー・パナソニックの苦境に見る製造業の限界 2009年3月、日経平均株価は7,054円まで下落した。さらにシャープ、ソニー、パナソニックといった日本を代表する電機メーカーが相次いで巨額赤字を計上した。かつて世界市場を席巻した企業群の苦境は、日本型製造業モデルの限界を象徴する出来事だった。企業は利益を維持しても、その果実が国内へ十分還元されない。賃金、設備投資、名目GDP成長率が低迷した結果、勝機指数は大きく低下した。2009年は株価、企業業績、そして国民の経済的な実感のすべてにおいて、日本経済の「負機」が象徴的に現れた年だったと言えるだろう。 2024年 ― 日本再評価の始まり 経済安全保障で日本が再評価される理由 転機となったのは2018年以降である。米中対立、コロナ禍によるサプライチェーン寸断、地政学リスクの高まりを受け、世界は効率性を最優先する時代から、供給安定性や経済安全保障を重視する時代へと移行した。こうした環境変化のなかで再評価されたのが日本である。 TSMC熊本工場やラピダスが示す半導体投資の増加 2021年以降、TSMC熊本工場、マイクロン広島投資、ラピダス北海道工場など、半導体分野を中心に大型投資が相次いだ。日本は最終製品競争では苦戦したものの、半導体材料や製造装置、精密部品などの分野では高い競争力を維持してきた。その価値が経済安全保障の時代になり改めて認識されている。 日経平均最高値更新と対内直接投資増加|日本再評価の背景 象徴的だったのが2024年2月である。TSMC熊本工場が稼働を開始し、同月の日経平均株価は34年ぶりに史上最高値を更新した。また、日本への対内直接投資も大きく拡大している。近年は半導体だけでなく、金融、通信、データセンター、クラウドサービスなど幅広い分野で海外企業による投資が増加している。海外企業は日本を単なる販売市場ではなく、生産拠点や投資先として見直し始めているのである。勝機指数を構成する賃金、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率も改善方向にあり、日本経済には久しぶりに前向きな循環が生まれつつある。 これからの勝機 ― 注目したい産業 今後の日本経済を支える注目産業一覧 今後の日本経済を支える分野として、半導体、データセンター・通信インフラ、自動化・省人化、防衛・宇宙、電力・エネルギーインフラに注目したい。なかでも自動化・省人化分野は、日本の人口減少という課題を競争力へ転換する可能性を持つ。日本企業は産業用ロボットやFA機器、精密制御技術などで世界的な優位性を有しており、AI普及による生産性向上需要の恩恵も期待できる。 半導体・データセンター需要で広がるエネルギー投資機会 また、半導体工場やデータセンターの建設拡大は電力需要を押し上げるため、送配電設備やエネルギーインフラへの投資機会も広がるだろう。1989年がグローバル化による「負機」の始まりだったとすれば、2024年は新たな「勝機」の始まりかもしれない。筆者が今回新たに作成した勝機指数が示すように、賃金、設備投資、対内直接投資、名目GDP成長率の改善が持続するなら、日本経済は「失われた30年」を経て新たな成長局面へ入る可能性がある。日本はいま、大きな転換点に立っている。そして、その変化を最も端的に映し出しているのが「勝機指数」なのである。 佐治 信行(さじ のぶゆき) Nobuyuki Saji SBI証券 経済企業調査部管掌執行役員 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 専門分野は国内外マクロ経済(実物経済、金利・為替)。日経ヴェリタスアナリストランキング エコノミスト部門ではのべ16年にわたり第1位を獲得。 Institutional Investor 誌では17年連続。 1982年関西学院大学法学部政治学科卒業。同年、日興證券(株) (現、SMBC日興証券)入社。(株)日興リサーチセンターへ出向、証券調査部、事業調査部、経済調査部、投資戦略部。その後、1999年興銀証券(株)(現みずほ証券)、 2006年に三菱UFJ証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、2018年5月ニッセイアセットマネジメント、2024年9月株式会社SBI証券に入社。 Nobuyuki Saji, Chief Strategist and Economist Mr. Saji specializes in domestic and international macroeconomics (the real economy, interest rates, and foreign exchange rates). He has ranked No. 1 in the Economist category in the Nikkei Veritas analyst ranking for 16 years in total and has also been ranked in the Institutional Investor survey for 17 years in a row. Mr. Saji graduated from the Department of Political Science, School of Law and Politics, Kwansei Gakuin University in 1982, and joined Nikko Securities (currently SMBC Nikko Securities) in the same year. He was transferred to Nikko Research Center, where he worked in the Securities Research Department, Business Research Department, Economic Research Department, and Investment Strategy Department. Mr. Saji then joined IBJ Securities (currently Mizuho Securities) in 1999, Mitsubishi UFJ Securities (currently MUMSS) in 2006, and Nissay Asset Management in May 2018. He joined SBI SECURITIES in September 2024. ※このコラムに関連した経済データは、「経済統計データベース」INDB Accelで最新値の確認・時系列分析が可能です。 ▶ 無料トライアル(2週間)のお申し込み
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2026.5.12米国・イスラエルとイランの交戦、原油価格高騰をどうみる
米国・イスラエルとイランの交戦激化が、世界経済に静かな衝撃を与えている。原油価格は高値圏で推移し、ホルムズ海峡封鎖リスクは供給不安を高めている。しかし、問題の本質は単なるエネルギー価格の動向にとどまらない。台湾・ASEAN諸国の脆弱な石油備蓄、グローバルサプライチェーンへの波及、そして30年続いたグローバル化経済の「転換点」まで及ぶ。今回の中東リスクが日本経済に何をもたらすのか、株式会社SBI証券 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 佐治信行氏が多角的な視点で読み解く。 中東リスクの再燃と原油価格の急騰 ホルムズ海峡リスクと供給不安の高まり 米国・イスラエルとイランの戦闘激化を受け、中東情勢は緊張の高い状態が続いており、世界の原油価格は上昇圧力の強い状況にある。特に、原油の海上輸送の要衝である「ホルムズ海峡」を巡るリスクの高まりが主因となっている。ホルムズ海峡は世界の原油船積み量の約20%が通過する戦略的要衝であり、ここでの輸送停滞や封鎖リスクは供給不安を強めやすい。 ブレント・WTI原油の上昇と産油国インフラへの懸念 実際、紛争発生以降、国際的なベンチマークであるブレント原油およびWTI原油は上昇基調を強め、一時的に100ドル/バレルを上回る場面もみられた。その後も、中東情勢の不透明感を背景に高値圏での推移が続いている。また、戦闘の影響がイラン周辺にとどまらず、サウジアラビア、UAE、クウェート、カタールなど主要産油国やそのインフラへ波及する可能性が意識され、輸出能力そのものへの懸念が市場心理を一段と押し上げている。 インフレ圧力の再燃と金融政策への波及 一般に、原油価格の上昇は世界経済におけるインフレ圧力を高める要因となる。特に中東依存度の高いアジア諸国や日本経済にとっては、その影響が大きくなる可能性がある。 なお、エネルギー価格の上昇は、企業の生産コストや物流費を押し上げるだけでなく、電気・ガス料金やガソリン価格を通じて家計負担を直接的に増加させる。さらに、インフレ圧力の再燃は、FRBおよび日銀の金融政策運営にも影響を及ぼし得る。 では、今回の原油価格上昇は、日本経済にどのような具体的影響をもたらすのか。マクロ経済の観点から整理する必要がある。 エネルギー原単位から見る日本経済の耐性 原油原単位とは何か――経済の原油依存度を測る指標 日本経済に対する原油価格の影響を考えるうえで重要な指標の一つに「原油原単位」がある。原油原単位とは、GDPなど一定の経済規模を生み出すためにどれだけの原油を必要とするかを示す指標であり、いわば「経済の原油依存度」を表す。数値が高いほど、原油価格の変動が経済全体に与える影響は大きくなる(図表1)。 出典:一般財団法人日本エネルギー経済研究所「エネルギー経済統計要覧」を基に株式会社SBI証券作成 石油危機以降の構造変化――省エネ・サービス化による耐性向上 高度成長期の日本はエネルギー多消費型産業が中心で原油原単位が高かったが、1970年代の石油危機以降、省エネルギー技術の進展や産業構造のサービス化を背景に、長期的には低下傾向をたどってきた。すなわち、同じ1ドルの原油価格上昇であっても、過去と比較すれば経済全体への打撃は構造的に小さくなっている。この点からは、中東情勢の緊張が高まる局面においても、その経済的影響を過度に見積もる必要はないと考えられる。 日本の原油原単位は世界最高水準の効率性 具体的に、日本の原油原単位は主要国の中でも際立って低い水準にある。1980年は312gであったが、2000年には106gまで急低下し、2023年には82gと、世界平均の162gと比較して高い効率性を維持している。これは欧米の先進主要国にも当てはまることであり、50年前に経験した「スタグフレーション」への耐性は確実に高まってきていると言える。 アジア諸国の消費効率の相対的低さと原油備蓄量の少なさ 台湾・韓国・ASEAN諸国の原単位が示す脆弱性 そうした中で懸念されるのは、台湾や韓国の石油使用量の「原単位」の高さである。台湾は2023年時点で161gと、日本の約2倍に達している。改めてアジア諸国の石油使用量を原単位でみると、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムといったASEAN諸国の消費効率の低さが浮き彫りとなる(図表2)。 しかも、これらの国々の石油備蓄量は、IEA(国際エネルギー機関)の基準である90日を下回っている国が多い。国内で一定のエネルギー自給が可能であることや、50年前の石油危機を経験していないことが、その背景にあると考えられる。 出典:IEA等より株式会社SBI証券作成 水平分業型サプライチェーンの安全保障リスク 今回の米国・イスラエルとイランとの交戦を通じて改めて認識されるのは、過去30年のグローバル化により水平分業化されたサプライチェーンが、安全保障上のリスクに著しく晒されているという点である。仮に台湾の石油備蓄が枯渇すれば、同国の産業活動は停止し、世界はハイエンド半導体の供給不足に直面する可能性がある。結果として、データセンターの稼働や都市・工場・オフィスの活動にも深刻な影響が及び得る。 また、マレーシアには半導体の重要な後工程が存在し、タイには日系自動車メーカーのサプライチェーンが構築されている。 原油価格の高騰は、日本のハイブリッド車需要を喚起し、日本のGDP押し上げ要因となる可能性もあるが、それはあくまで供給の安定が前提である。仮に原油価格が上昇する中で自動車輸出が困難化するような事態となれば、両者は貿易収支における重要項目であるだけに、その影響は相殺ではなく、むしろ大きな下押し圧力となり得る。 貿易収支の悪化は円安を誘発し、輸入物価の上昇に拍車をかける可能性がある。 グローバル化の転換点と企業価値評価の変容 今回のホルムズ海峡を巡る緊張の高まりは、30年続いたグローバル化経済の転換点を示唆するものとも解釈できる。企業価値の評価においても、これまでの「過剰なキャッシュ保有はネガティブ」との見方から、「サプライチェーン混乱に備えた一定のキャッシュ保有は必要」との認識への転換、さらには「垂直統合型モデルを維持してきた重厚長大型産業の再評価」といった論調への変化が進む可能性がある。 前回の石油危機が冷戦終結とグローバル化の始まりにつながったとすれば、今回はその逆、すなわちグローバル化の転換点の始まりである可能性も否定できない。 佐治 信行(さじ のぶゆき) Nobuyuki Saji SBI証券 経済企業調査部管掌執行役員 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 専門分野は国内外マクロ経済(実物経済、金利・為替)。日経ヴェリタスアナリストランキング エコノミスト部門ではのべ16年にわたり第1位を獲得。 Institutional Investor 誌では17年連続。 1982年関西学院大学法学部政治学科卒業。同年、日興證券(株) (現、SMBC日興証券)入社。(株)日興リサーチセンターへ出向、証券調査部、事業調査部、経済調査部、投資戦略部。その後、1999年興銀証券(株)(現みずほ証券)、 2006年に三菱UFJ証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、2018年5月ニッセイアセットマネジメント、2024年9月株式会社SBI証券に入社。 Nobuyuki Saji, Chief Strategist and Economist Mr. Saji specializes in domestic and international macroeconomics (the real economy, interest rates, and foreign exchange rates). He has ranked No. 1 in the Economist category in the Nikkei Veritas analyst ranking for 16 years in total and has also been ranked in the Institutional Investor survey for 17 years in a row. Mr. Saji graduated from the Department of Political Science, School of Law and Politics, Kwansei Gakuin University in 1982, and joined Nikko Securities (currently SMBC Nikko Securities) in the same year. He was transferred to Nikko Research Center, where he worked in the Securities Research Department, Business Research Department, Economic Research Department, and Investment Strategy Department. Mr. Saji then joined IBJ Securities (currently Mizuho Securities) in 1999, Mitsubishi UFJ Securities (currently MUMSS) in 2006, and Nissay Asset Management in May 2018. He joined SBI SECURITIES in September 2024. ※このコラムに関連した経済データは、「経済統計データベース」INDB Accelで最新値の確認・時系列分析が可能です。 ▶ 無料トライアル(2週間)のお申し込み
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2026.3.31税収弾性値からみた「責任ある積極財政」
選挙結果と「飲食料品消費税ゼロ」公約 政策内容と実施時期の不確実性 この2月の衆議院選挙で自由民主党が大勝し、議席の3分の2を獲得した。今回の選挙は「争点なき減税合戦」とも評されたが、勝者となった自民党は公約である「飲食料品消費税ゼロ%」を2年間の時限措置として実行する方針を掲げている。もっとも、同政策は野党を含めた国民会議で制度設計を議論した上で施行される見通しであり、実施時期や具体的な財源措置は依然として不透明である。 積極財政が招く市場リスク 国債・金利・円安への影響 こうした状況の下、金融市場では日本の財政悪化に対する懸念がくすぶる。減税政策が財政規律の後退と受け止められれば、国債需給の悪化観測を通じて長期金利に上昇圧力がかかる可能性がある。その影響は為替市場にも波及し、円安への警戒感を強めることになる。財政拡張と日銀の大規模緩和が併存する現在の政策枠組みのもとでは、国債発行増加が中央銀行のバランスシート(B/S)拡張につながりやすく、通貨供給の増加という経路を通じて円安圧力が強まる構造にあるのだ。 財政コストと効果の検証 消費押し上げ効果と試算(約10兆円の財源規模) 飲食料品の年間消費金額は61.4兆円(2024年、内閣府)である。現在の軽減税率8%を前提とすれば、当該分野の消費税収は約4.9兆円、概算で約5兆円となる。したがって、2年間実施した場合の必要財源は約10兆円規模に達する。一方、われわれの最小二乗法を使っての試算では、本措置による消費押し上げ効果は約0.33%にとどまる。家計の実質所得を一定程度下支えする効果は見込まれるものの、財政コストに比して成長押し上げ効果は限定的と評価せざるを得ない。 出典:内閣府「国民経済計算」 ※データはINDB Accelより取得 財源の現実性と短期対応 「埋蔵金」活用の可否と補正予算の未執行資金 政権は、飲食料品消費税ゼロ%の財源について「税外収入等から充当する」としている。この発言を踏まえれば、補正予算の使い残しや各種基金残高、いわゆる「埋蔵金」からの拠出が視野に入っている可能性が高い。我々の試算では、新型コロナ禍の補正予算での未執行資金は40兆円規模に及ぶ(内閣府「国民経済計算(ストック編)」より)。ただし、補正予算の編成過程において多額の使い残しが発生する構造や、基金の増設・積み増しの妥当性は別途検証されるべき論点である。それでも、一定規模の積極財政を数年間継続する前提に立てば、既存資金の活用を通じて直ちに財政規律を大きく毀損せずに運営する余地は存在する。 出典:財務省「租税及び印紙収入、収入額調」 ※データはINDB Accelより取得 税収弾性値が示す構造的課題 なぜ経済成長が税収増加に結びつかないのか しかし、「飲食料品消費税ゼロ%」のような大衆迎合的な政策を継続して、日本の財政、さらには通貨への信認を維持できるのであろうか。肝要なのは、先行する歳出増加や減税による歳入減少を、その後の経済成長による税収増加で取り返すことができるかどうかである。回収できなければ財政赤字の膨張が続き、国債増発が常態化する。現行の金融政策の枠組みが維持されれば、中央銀行のB/Sはさらに拡張し、通貨供給の増加を通じて通貨価値の下押し圧力が強まる。食料品やエネルギーなど生活必需品を輸入に依存する日本では、円安は生活費の不可逆的な上昇を招く可能性がある。 この財政の「回収力」を測る指標が税収弾性値である。税収弾性値とは、名目GDPの変動率に対する税収の変動率を示す指標であり、経済成長がどの程度税収増加に結びつくか、すなわち租税を通じた自律的な財政健全化メカニズムの強さを表す。過去30年、20年、10年、5年の各期間で計測すると(図表)、全体の税収弾性値は過去30年平均の2.85から直近5年平均では1.34へと低下している。 その主因は所得税と消費税の弾性値低下である。所得税については、非正規雇用の拡大や若年層の賃金上昇とシニア層の賃金伸び悩みが併存する中で、年功序列型の賃金カーブが平準化している。これにより、累進課税制度による税収の加速効果が働きにくくなっている。消費税については、高齢化に伴う限界消費性向の低下に加え、医療費や医薬品といった非課税支出のウエイト上昇、さらには軽減税率の導入という制度変更が弾性値を押し下げている。 一方、税収弾性値が相対的に低下していない項目は法人税である。約10年前に提示されたコーポレートガバナンス・コード以降、企業価値向上に対する投資家の圧力が強まり、事業再編や資本効率改善が進展した。結果として企業収益力が改善し、法人税収は景気拡大局面で伸びやすい構造となっている。ただし、国税収入の多くを所得税と消費税が担う現状では、全体としての税収弾性値は構造的に低下していると言わざるを得ない。 出典:財務省「租税及び印紙収入、収入額調」を用いて佐治氏作成 ※データはINDB Accelより取得 法人税の高い弾性値をいかに活用するか 成長誘発型施策による税収回帰メカニズム さらに、税収増加をインフレに依存する構造となれば、歳出も物価上昇に連動して増加するため、財政均衡化は容易ではない。重要なのは、実質的な成長を通じて税収基盤を拡大することである。 税収弾性値の観点からみた一つの示唆は、法人税収の弾性値の高さをどう活用するかである。政府の施策が単なる消費者向け給付にとどまらず、企業活動の活性化や事業再編を促すものであれば、税収回帰力は高まり得る。1978年の特定産業構造改善臨時措置法や1983年の産業構造転換円滑化臨時措置法は、石油危機後の産業構造調整を後押しし、電子・半導体関連、情報通信機器、産業用ロボットなどの分野への展開を促した。鉄鋼や重電、化学、造船といった基幹産業も高付加価値分野へと業容転換を進めた。 現在においても、防衛・宇宙など先端分野への戦略的支出が企業投資を直接誘発する形で設計されれば、高い法人税弾性値を通じて税収増加が期待できる。日本の政策における成功例は、「ばらまき型」よりも「誘発型」に多かったとの指摘もある。 「責任ある積極財政」とは、歳出規模そのものではなく、将来の税収回帰メカニズムを内包しているかどうかで評価されるべきであろう。市場が問うているのは、減税の是非ではなく、その後の成長と財政持続性の設計なのである。 佐治 信行(さじ のぶゆき) Nobuyuki Saji SBI証券 経済企業調査部管掌執行役員 チーフストラテジスト・上席エコノミスト 専門分野は国内外マクロ経済(実物経済、金利・為替)。日経ヴェリタスアナリストランキング エコノミスト部門ではのべ16年にわたり第1位を獲得。 Institutional Investor 誌では17年連続。 1982年関西学院大学法学部政治学科卒業。同年、日興證券(株) (現、SMBC日興証券)入社。(株)日興リサーチセンターへ出向、証券調査部、事業調査部、経済調査部、投資戦略部。その後、1999年興銀証券(株)(現みずほ証券)、 2006年に三菱UFJ証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、2018年5月ニッセイアセットマネジメント、2024年9月株式会社SBI証券に入社。 Nobuyuki Saji, Chief Strategist and Economist Mr. Saji specializes in domestic and international macroeconomics (the real economy, interest rates, and foreign exchange rates). He has ranked No. 1 in the Economist category in the Nikkei Veritas analyst ranking for 16 years in total and has also been ranked in the Institutional Investor survey for 17 years in a row. Mr. Saji graduated from the Department of Political Science, School of Law and Politics, Kwansei Gakuin University in 1982, and joined Nikko Securities (currently SMBC Nikko Securities) in the same year. He was transferred to Nikko Research Center, where he worked in the Securities Research Department, Business Research Department, Economic Research Department, and Investment Strategy Department. Mr. Saji then joined IBJ Securities (currently Mizuho Securities) in 1999, Mitsubishi UFJ Securities (currently MUMSS) in 2006, and Nissay Asset Management in May 2018. He joined SBI SECURITIES in September 2024. ※このコラムで引用した経済データは、「経済統計データベース」INDB Accelで最新値の確認・時系列分析が可能です。 ▶ 無料トライアル(2週間)のお申し込み
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